Qt Widgets: QTableWidget::event() 関数の詳細解説

2024-04-07

Qt Widgets: QTableWidget::event() の詳細解説

QTableWidget::event() は、Qt Widgets モジュールの QTableWidget クラスで使用される重要な仮想関数です。この関数は、ウィジェットに送信されたイベントを処理するために使用されます。イベントには、マウスのクリックやキーの押下など、ユーザーとのやり取りに関するものが含まれます。

イベント処理の仕組み

Qt では、イベント処理はイベントループと呼ばれる仕組みによって管理されます。イベントループは、ウィジェットに送信されたイベントを順番に処理します。イベントがウィジェットに送信されると、まず event() 関数が呼び出されます。この関数は、イベントの種類に基づいて、適切な処理を実行します。

QTableWidget::event() 関数は、デフォルトでいくつかのイベントを処理します。例えば、以下のイベントを処理します。

  • マウスのクリック: セルの選択や編集など
  • キーの押下: セルの移動や編集など
  • スクロールのイベント: 表のスクロール

これらのデフォルトの処理に加えて、独自のイベント処理を追加することもできます。これは、event() 関数を再実装することで行います。

イベント処理の例

以下は、QTableWidget::event() 関数を再実装して、マウスのクリックイベントを処理する例です。

bool QTableWidget::event(QEvent *event) {
  if (event->type() == QEvent::MouseButtonPress) {
    // マウスのクリックイベント処理
    QMouseEvent *mouseEvent = static_cast<QMouseEvent*>(event);
    QModelIndex index = indexAt(mouseEvent->pos());

    // セルがクリックされた場合
    if (index.isValid()) {
      // セルの内容を取得
      QString text = model()->data(index).toString();

      // セルの内容を出力
      qDebug() << "セル(" << index.row() << "," << index.column() << ")がクリックされました: " << text;
    }
  }

  // デフォルトの処理を実行
  return QTableWidget::event(event);
}

この例では、マウスのクリックイベントが発生した場合、クリックされたセルの内容を出力します。

イベント処理のヒント

  • イベント処理コードは、できるだけ簡潔に記述するようにしましょう。

以上、"Qt Widgets: QTableWidget::event()" の詳細解説でした。



QTableWidget::event() のサンプルコード

セル編集の開始

bool QTableWidget::event(QEvent *event) {
  if (event->type() == QEvent::MouseButtonDblClick) {
    // セル編集の開始
    QMouseEvent *mouseEvent = static_cast<QMouseEvent*>(event);
    QModelIndex index = indexAt(mouseEvent->pos());

    if (index.isValid()) {
      editItem(itemAt(index));
    }
  }

  return QTableWidget::event(event);
}

セルの内容の変更

このサンプルコードは、セルの内容が変更されたときに、その内容を出力します。

void QTableWidget::itemChanged(QTableWidgetItem *item) {
  // セルの内容の変更
  QString text = item->text();

  // セルの内容を出力
  qDebug() << "セル(" << item->row() << "," << item->column() << ")の内容が変更されました: " << text;
}

セルの選択

このサンプルコードは、セルが選択されたときに、そのセルの内容を出力します。

void QTableWidget::currentCellChanged(int currentRow, int currentColumn, int previousRow, int previousColumn) {
  // セルの選択
  QModelIndex index = currentIndex();

  if (index.isValid()) {
    // セルの内容を取得
    QString text = model()->data(index).toString();

    // セルの内容を出力
    qDebug() << "セル(" << currentRow << "," << currentColumn << ")が選択されました: " << text;
  }
}

ソート

このサンプルコードは、ヘッダーをクリックして、テーブルをソートします。

void QTableWidget::horizontalHeaderClicked(int column) {
  // ソート
  sortByColumn(column);
}

フィルタリング

このサンプルコードは、テキストボックスに入力された内容に基づいて、テーブルをフィルタリングします。

void QTableWidget::customEvent(QEvent *event) {
  if (event->type() == MyCustomEvent::FilterTextChanged) {
    // フィルタリング
    QString filterText = static_cast<MyCustomEvent*>(event)->text();
    model()->setFilter(filterText);
  }
}

これらのサンプルコードは、QTableWidget::event() 関数の使用方法を理解するのに役立つでしょう。



QTableWidget::event() 以外の方法

シグナルとスロットは、Qt でオブジェクト間の通信に使用される便利な仕組みです。QTableWidget クラスには、セルがクリックされたときや編集されたときなどに発生するシグナルがいくつかあります。これらのシグナルをスロットに接続することで、イベント処理を行うことができます。

例:

// シグナルとスロットによるイベント処理

// セルがクリックされたときにスロットが呼び出される
connect(tableWidget, &QTableWidget::cellClicked, this, &MyClass::onCellClicked);

// スロットの実装
void MyClass::onCellClicked(int row, int column) {
  // セルの内容を取得
  QString text = tableWidget->item(row, column)->text();

  // セルの内容を出力
  qDebug() << "セル(" << row << "," << column << ")がクリックされました: " << text;
}

デリゲートは、テーブルのセルをどのように表示するかを制御するオブジェクトです。デリゲートを使用することで、セルの編集や表示をカスタマイズすることができます。

例:

// デリゲートによるイベント処理

// デリゲートの作成
MyDelegate *delegate = new MyDelegate();

// テーブルにデリゲートを設定
tableWidget->setItemDelegate(delegate);

// デリゲートの実装
class MyDelegate : public QItemDelegate {
public:
  QWidget *createEditor(QWidget *parent, const QStyleOptionViewItem &option, const QModelIndex &index) const override {
    // セル編集のためのウィジェットを作成
    QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit(parent);

    // セルの内容を設定
    lineEdit->setText(index.data().toString());

    return lineEdit;
  }

  void setEditorData(QWidget *editor, const QModelIndex &index) const override {
    // セルの内容を編集ウィジェットに反映
    QLineEdit *lineEdit = static_cast<QLineEdit*>(editor);
    lineEdit->setText(index.data().toString());
  }

  void updateEditorGeometry(QWidget *editor, const QStyleOptionViewItem &option, const QModelIndex &index) const override {
    // セル編集ウィジェットのサイズと位置を設定
    editor->setGeometry(option.rect);
  }
};

サブクラス

QTableWidget クラスをサブクラス化することで、独自のイベント処理を実装することができます。

例:

// サブクラスによるイベント処理

class MyTableWidget : public QTableWidget {
public:
  MyTableWidget(QWidget *parent = nullptr) : QTableWidget(parent) {
    // イベント処理の初期化
  }

protected:
  bool event(QEvent *event) override {
    // 独自のイベント処理
    if (event->type() == QEvent::MouseButtonPress) {
      // マウスのクリックイベント処理
      QMouseEvent *mouseEvent = static_cast<QMouseEvent*>(event);
      QModelIndex index = indexAt(mouseEvent->pos());

      // セルがクリックされた場合
      if (index.isValid()) {
        // セルの内容を取得
        QString text = model()->data(index).toString();

        // セルの内容を出力
        qDebug() << "セル(" << index.row() << "," << index.column() << ")がクリックされました: " << text;
      }
    }

    return QTableWidget::event(event);
  }
};

これらの方法は、QTableWidget::event() 関数よりも柔軟性と制御性を提供します。




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