Qt GUIでOpenGLパフォーマンスを向上させる:QOpenGLExtraFunctions::glInvalidateSubFramebuffer()徹底解説

2024-04-09

Qt GUIにおけるQOpenGLExtraFunctions::glInvalidateSubFramebuffer()の詳細解説

QOpenGLExtraFunctions::glInvalidateSubFramebuffer()は、OpenGLフレームバッファの一部を無効化するための関数です。Qt GUIアプリケーションでOpenGLを使用する場合、この関数は特定の状況でパフォーマンスを向上させるために役立ちます。

この関数の必要性:

通常、Qt GUIアプリケーションはフレームバッファ全体を頻繁に更新します。しかし、一部の状況では、フレームバッファの一部のみを更新する方が効率的な場合があります。例えば、ウィンドウの一部のみが更新された場合、フレームバッファ全体を更新する必要はありません。

QOpenGLExtraFunctions::glInvalidateSubFramebuffer()の利点:

  • 特定の状況でパフォーマンスを向上させることができます。
  • フレームバッファ全体を更新する必要性を減らすことで、GPUの負荷を軽減できます。
  • ちらつきを減らす効果があります。

この関数の使い方:

QOpenGLExtraFunctions::glInvalidateSubFramebuffer()は以下の引数を受け取ります。

  • target: 無効化するフレームバッファのターゲットです。通常、GL_FRAMEBUFFER_EXTを使用します。
  • attachment: 無効化するフレームバッファの添付ポイントです。通常、GL_COLOR_ATTACHMENT0_EXTを使用します。
  • x0: 無効化する矩形の左上のx座標です。
  • width: 無効化する矩形の幅です。
  • height: 無効化する矩形の高さです。

例:

QOpenGLExtraFunctions *functions = QOpenGLContext::currentContext()->functions();
functions->glInvalidateSubFramebuffer(
    GL_FRAMEBUFFER_EXT,
    GL_COLOR_ATTACHMENT0_EXT,
    x0,
    y0,
    width,
    height);

注意事項:

  • この関数はOpenGL 4.3以降でのみ使用できます。
  • Qt 5.15以降を使用する必要があります。
  • フレームバッファの一部を無効化すると、その部分の内容が失われます。


QOpenGLExtraFunctions::glInvalidateSubFramebuffer()のサンプルコード

void MyWidget::paintGL()
{
    // ...

    // ウィンドウの一部のみを更新
    QRect rect = ...; // 更新したい矩形を取得

    QOpenGLExtraFunctions *functions = QOpenGLContext::currentContext()->functions();
    functions->glInvalidateSubFramebuffer(
        GL_FRAMEBUFFER_EXT,
        GL_COLOR_ATTACHMENT0_EXT,
        rect.x(),
        rect.y(),
        rect.width(),
        rect.height());

    // 更新したい部分を描画
    // ...

    // フレームバッファ全体を更新
    glDrawBuffer(GL_COLOR_ATTACHMENT0_EXT);
    glBlitFramebuffer(
        0, 0, width(), height(),
        0, 0, width(), height(),
        GL_COLOR_BUFFER_BIT, GL_NEAREST);
}

サンプル2:ちらつきを減らす

void MyWidget::paintGL()
{
    // ...

    // フレームバッファの一部を無効化
    QOpenGLExtraFunctions *functions = QOpenGLContext::currentContext()->functions();
    functions->glInvalidateSubFramebuffer(
        GL_FRAMEBUFFER_EXT,
        GL_COLOR_ATTACHMENT0_EXT,
        0, 0, width(), height());

    // オブジェクトを描画
    // ...

    // フレームバッファ全体を更新
    glDrawBuffer(GL_COLOR_ATTACHMENT0_EXT);
    glBlitFramebuffer(
        0, 0, width(), height(),
        0, 0, width(), height(),
        GL_COLOR_BUFFER_BIT, GL_NEAREST);
}
  • 上記のサンプルコードは基本的な使い方を示しています。実際のコードは、アプリケーションの要件に合わせて変更する必要があります。
  • QOpenGLExtraFunctions::glInvalidateSubFramebuffer()以外にも、パフォーマンスを向上させるための方法はいくつかあります。詳細は、QtドキュメントやOpenGLドキュメントを参照してください。


QOpenGLExtraFunctions::glInvalidateSubFramebuffer() 以外の方法

glScissor()は、描画されるピクセルの矩形を制限する関数です。この関数を使うことで、フレームバッファの一部のみを更新することができます。

glStencilMask()は、ステンシルバッファへの書き込みをマスクする関数です。この関数を使うことで、特定の部分のみを更新することができます。

glDepthMask()は、深度バッファへの書き込みをマスクする関数です。この関数を使うことで、特定の部分のみを更新することができます。

マルチバッファリングは、複数のフレームバッファを交互に使用するテクニックです。このテクニックを使うことで、フレームバッファ全体を更新する必要性を減らすことができます。

フレームバッファオブジェクト (FBO)を使う

FBOは、フレームバッファをテクスチャとして扱うことができる拡張機能です。この拡張機能を使うことで、フレームバッファの一部のみを更新することができます。

最適な方法を選択

最適な方法は、アプリケーションの要件によって異なります。パフォーマンスを向上させるためには、さまざまな方法を試して、最適な方法を見つけることが重要です。




QPixmapCache クラスを使いこなして、Qt GUI アプリのパフォーマンスを向上させよう

パフォーマンス向上: 頻繁にアクセスされる画像をキャッシュすることで、読み込み時間を短縮し、アプリのパフォーマンスを向上できます。メモリ使用量の削減: 同じ画像を複数回読み込む代わりに、キャッシュされた画像を使用することで、メモリ使用量を削減できます。



QStandardItem::insertColumns() 関数を使って Qt GUI で QStandardItem モデルに新しい列を挿入する

関数概要引数column: 新しい列を挿入する位置 (0 から始まるインデックス)count: 挿入する列の数戻り値なし例詳細QStandardItem::insertColumns() 関数は、モデルのすべての行に新しい列を挿入します。挿入する列の数よりも行数が少ない場合は、行数が自動的に増加します。


Qt GUIにおけるQTextBlockFormat::setAlignment()の解説

QTextBlockFormat::setAlignment()は、Qt GUIフレームワークでテキストブロックの配置を制御する関数です。テキストブロックとは、テキストエディタなどのウィジェットで一連のテキスト行をまとめて扱うための単位です。


Qt GUI で QStandardItemModel::appendColumn() 関数を使って列を追加する方法

QStandardItemModel クラスは、Qt GUI で用いられるモデルクラスの一つであり、ツリー構造を持つデータの表示と編集に適しています。このモデルクラスは、アイテムと呼ばれるデータオブジェクトを管理し、そのアイテムをツリー構造に整理することができます。


Qt GUI の QPainter::setWorldTransform() 関数

この関数は、以下の目的で使用できます:オブジェクトを拡大、縮小、回転、傾斜させるオブジェクトを特定の位置に配置するオブジェクトを特定の方向に向けるQPainter::setWorldTransform() の使い方:この関数は、QPainter オブジェクトと QTransform オブジェクトを受け取ります。QTransform オブジェクトは、変換行列を表します。



Qt アプリに個性を与える:QFontDatabase::applicationFontFamilies() を使ってオリジナルフォントを表示

QFontDatabase::applicationFontFamilies() は、Qt GUI アプリケーションで追加されたフォントファミリーの名前リストを取得するための関数です。この関数を使うことで、プログラム実行時にフォントファミリーを動的に追加し、利用することが可能になります。


Qt GUIにおけるスクロール処理:QScrollPrepareEventを徹底解説

QScrollPrepareEvent::~QScrollPrepareEvent() は、QScrollPrepareEvent クラスのデストラクタです。デストラクタは、オブジェクトがスコープを外れた際に自動的に呼び出されます。このデストラクタは、イベントオブジェクトが不要になった際にメモリを解放するために使用されます。


Qt GUIプログラミング:QColor::lightness()関数による色の明度操作

使い例出力例詳細QColor::lightness()は、QColorオブジェクトのHSV色空間における明度を返します。HSV色空間では、色は色相(hue)、飽和度(saturation)、明度(value)の3つの要素で表されます。明度は、色の明るさの度合いであり、0(暗い)から255(明るい)までの値で表されます。


初心者向けチュートリアル:QWizard::visitedIds()を使って最初のウィザードを作成しよう

QWizard::visitedIds() は、Qt Widgetsフレームワークにおける QWizard クラスのメソッドです。これは、ウィザードの中で現在までに訪問されたページのIDのリストを取得するために使用されます。詳細QWizard クラスは、複数のページで構成されるウィザードを作成するためのクラスです。visitedIds() メソッドは、QWizard::currentPageId() メソッドと組み合わせて、ウィザードの中で現在までにどのページが訪問されたかを追跡するために使用できます。


Qt WidgetsのQGraphicsLinearLayout::setAlignment()を使いこなして、レイアウトをもっと自由に!

QGraphicsLinearLayout::setAlignment()は、Qt Widgetsフレームワークにおいて、QGraphicsLinearLayoutクラスのレイアウト配置を制御する重要な関数です。この関数は、ウィジェット内のアイテムの配置を水平方向、垂直方向、または両方向に調整するために使用されます。