Qt GUIでOpenGLパフォーマンスを向上させる:QOpenGLExtraFunctions::glInvalidateSubFramebuffer()徹底解説
Qt GUIにおけるQOpenGLExtraFunctions::glInvalidateSubFramebuffer()の詳細解説
QOpenGLExtraFunctions::glInvalidateSubFramebuffer()は、OpenGLフレームバッファの一部を無効化するための関数です。Qt GUIアプリケーションでOpenGLを使用する場合、この関数は特定の状況でパフォーマンスを向上させるために役立ちます。
この関数の必要性:
通常、Qt GUIアプリケーションはフレームバッファ全体を頻繁に更新します。しかし、一部の状況では、フレームバッファの一部のみを更新する方が効率的な場合があります。例えば、ウィンドウの一部のみが更新された場合、フレームバッファ全体を更新する必要はありません。
QOpenGLExtraFunctions::glInvalidateSubFramebuffer()の利点:
- 特定の状況でパフォーマンスを向上させることができます。
- フレームバッファ全体を更新する必要性を減らすことで、GPUの負荷を軽減できます。
- ちらつきを減らす効果があります。
この関数の使い方:
QOpenGLExtraFunctions::glInvalidateSubFramebuffer()は以下の引数を受け取ります。
- target: 無効化するフレームバッファのターゲットです。通常、GL_FRAMEBUFFER_EXTを使用します。
- attachment: 無効化するフレームバッファの添付ポイントです。通常、GL_COLOR_ATTACHMENT0_EXTを使用します。
- x0: 無効化する矩形の左上のx座標です。
- width: 無効化する矩形の幅です。
- height: 無効化する矩形の高さです。
例:
QOpenGLExtraFunctions *functions = QOpenGLContext::currentContext()->functions();
functions->glInvalidateSubFramebuffer(
GL_FRAMEBUFFER_EXT,
GL_COLOR_ATTACHMENT0_EXT,
x0,
y0,
width,
height);
注意事項:
- この関数はOpenGL 4.3以降でのみ使用できます。
- Qt 5.15以降を使用する必要があります。
- フレームバッファの一部を無効化すると、その部分の内容が失われます。
QOpenGLExtraFunctions::glInvalidateSubFramebuffer()のサンプルコード
void MyWidget::paintGL()
{
// ...
// ウィンドウの一部のみを更新
QRect rect = ...; // 更新したい矩形を取得
QOpenGLExtraFunctions *functions = QOpenGLContext::currentContext()->functions();
functions->glInvalidateSubFramebuffer(
GL_FRAMEBUFFER_EXT,
GL_COLOR_ATTACHMENT0_EXT,
rect.x(),
rect.y(),
rect.width(),
rect.height());
// 更新したい部分を描画
// ...
// フレームバッファ全体を更新
glDrawBuffer(GL_COLOR_ATTACHMENT0_EXT);
glBlitFramebuffer(
0, 0, width(), height(),
0, 0, width(), height(),
GL_COLOR_BUFFER_BIT, GL_NEAREST);
}
サンプル2:ちらつきを減らす
void MyWidget::paintGL()
{
// ...
// フレームバッファの一部を無効化
QOpenGLExtraFunctions *functions = QOpenGLContext::currentContext()->functions();
functions->glInvalidateSubFramebuffer(
GL_FRAMEBUFFER_EXT,
GL_COLOR_ATTACHMENT0_EXT,
0, 0, width(), height());
// オブジェクトを描画
// ...
// フレームバッファ全体を更新
glDrawBuffer(GL_COLOR_ATTACHMENT0_EXT);
glBlitFramebuffer(
0, 0, width(), height(),
0, 0, width(), height(),
GL_COLOR_BUFFER_BIT, GL_NEAREST);
}
- 上記のサンプルコードは基本的な使い方を示しています。実際のコードは、アプリケーションの要件に合わせて変更する必要があります。
- QOpenGLExtraFunctions::glInvalidateSubFramebuffer()以外にも、パフォーマンスを向上させるための方法はいくつかあります。詳細は、QtドキュメントやOpenGLドキュメントを参照してください。
QOpenGLExtraFunctions::glInvalidateSubFramebuffer() 以外の方法
glScissor()は、描画されるピクセルの矩形を制限する関数です。この関数を使うことで、フレームバッファの一部のみを更新することができます。
glStencilMask()は、ステンシルバッファへの書き込みをマスクする関数です。この関数を使うことで、特定の部分のみを更新することができます。
glDepthMask()は、深度バッファへの書き込みをマスクする関数です。この関数を使うことで、特定の部分のみを更新することができます。
マルチバッファリングは、複数のフレームバッファを交互に使用するテクニックです。このテクニックを使うことで、フレームバッファ全体を更新する必要性を減らすことができます。
フレームバッファオブジェクト (FBO)を使う
FBOは、フレームバッファをテクスチャとして扱うことができる拡張機能です。この拡張機能を使うことで、フレームバッファの一部のみを更新することができます。
最適な方法を選択
最適な方法は、アプリケーションの要件によって異なります。パフォーマンスを向上させるためには、さまざまな方法を試して、最適な方法を見つけることが重要です。
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