QPainter::end() vs QPainter::setRenderHint()

Qt GUIにおけるQPainter::end()の解説

QPainter::end()は、以下の役割を果たします。

• 描画処理の終了: QPainter::begin()で開始された描画処理を終了します。
• リソースの解放: QPainterによって使用されていたリソースを解放します。
• 描画結果の反映: 描画結果をペイントデバイスに反映します。

QPainter::end()は、以下の状況で使用します。

• 描画処理が完了した時: すべての描画処理が完了したら、QPainter::end()を呼び出して描画処理を終了する必要があります。
• QPainterオブジェクトを破棄する時: QPainterオブジェクトを破棄する前に、QPainter::end()を呼び出してリソースを解放する必要があります。

QPainter::end()の例

QPainter painter(widget);

// 描画処理

painter.end();

上記の例では、QPainterオブジェクトを作成してウィジェットに関連付け、描画処理を行った後に、QPainter::end()を呼び出して描画処理を終了しています。

QPainter::end()に関する注意点

• QPainter::end()を呼び出す前に、すべての描画処理が完了していることを確認する必要があります。
• QPainter::end()を呼び出した後、QPainterオブジェクトは無効になります。
• QPainterオブジェクトを破棄する前に、必ずQPainter::end()を呼び出す必要があります。

QPainter::end()は、Qt GUIにおける描画処理を終了するための重要な関数です。QPainter::end()の役割、使い所、例、注意点などを理解し、正しく使用することが重要です。

Qt GUIにおけるQPainter::end()のサンプルコード

基本的な例

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QWidget>
#include <QtWidgets/QPainter>

class MyWidget : public QWidget {
public:
  MyWidget() {
    // ウィジェットのサイズを設定
    setFixedSize(200, 200);
  }

protected:
  void paintEvent(QPaintEvent *event) override {
    // QPainterオブジェクトを作成
    QPainter painter(this);

    // 矩形を描画
    painter.drawRect(10, 10, 100, 100);

    // 円を描画
    painter.drawEllipse(50, 50, 50, 50);

    // 線を描画
    painter.drawLine(0, 0, 200, 200);

    // 描画処理を終了
    painter.end();
  }
};

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // MyWidgetオブジェクトを作成
  MyWidget widget;

  // ウィジェットを表示
  widget.show();

  return app.exec();
}

複数の描画処理を行う例

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QWidget>
#include <QtWidgets/QPainter>

class MyWidget : public QWidget {
public:
  MyWidget() {
    // ウィジェットのサイズを設定
    setFixedSize(200, 200);
  }

protected:
  void paintEvent(QPaintEvent *event) override {
    // QPainterオブジェクトを作成
    QPainter painter(this);

    // 矩形を描画
    painter.drawRect(10, 10, 100, 100);

    // 描画処理を終了
    painter.end();

    // 新しいQPainterオブジェクトを作成
    QPainter painter2(this);

    // 円を描画
    painter2.drawEllipse(50, 50, 50, 50);

    // 描画処理を終了
    painter2.end();
  }
};

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // MyWidgetオブジェクトを作成
  MyWidget widget;

  // ウィジェットを表示
  widget.show();

  return app.exec();
}

このコードは、複数のQPainterオブジェクトを使用して、異なる描画処理を行う例です。

QPainter::end()を呼び忘れた場合

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QWidget>
#include <QtWidgets/QPainter>

class MyWidget : public QWidget {
public:
  MyWidget() {
    // ウィジェットのサイズを設定
    setFixedSize(200, 200);
  }

protected:
  void paintEvent(QPaintEvent *event) override {
    // QPainterオブジェクトを作成
    QPainter painter(this);

    // 矩形を描画
    painter.drawRect(10, 10, 100, 100);

    // 描画処理を終了**しない**

  }
};

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // MyWidgetオブジェクトを作成
  MyWidget widget;

  // ウィジェットを表示
  widget.show();

  return app.exec();
}

このコードは、QPainter::end()を呼び忘れた場合の例です。このコードを実行すると、プログラムはクラッシュします。

これらのサンプルコードは、QPainter::end()の使い方を理解するのに役立ちます。

QPainter::end()の代替方法

QPainter::setRenderHint()を使用して、Qtに描画処理の終了を自動的に行わせるように設定できます。

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QWidget>
#include <QtWidgets/QPainter>

class MyWidget : public QWidget {
public:
  MyWidget() {
    // ウィジェットのサイズを設定
    setFixedSize(200, 200);
  }

protected:
  void paintEvent(QPaintEvent *event) override {
    // QPainterオブジェクトを作成
    QPainter painter(this);

    // 描画処理を自動的に終了するように設定
    painter.setRenderHint(QPainter::RenderHint::Antialiasing, true);

    // 矩形を描画
    painter.drawRect(10, 10, 100, 100);
  }
};

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // MyWidgetオブジェクトを作成
  MyWidget widget;

  // ウィジェットを表示
  widget.show();

  return app.exec();
}

このコードは、QPainter::setRenderHint()を使用して、描画処理を自動的に終了するように設定する例です。

QScopedPointerを使用して、QPainterオブジェクトをスコープ内で自動的に破棄することができます。

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QWidget>
#include <QtWidgets/QPainter>
#include <QtGlobal>

class MyWidget : public QWidget {
public:
  MyWidget() {
    // ウィジェットのサイズを設定
    setFixedSize(200, 200);
  }

protected:
  void paintEvent(QPaintEvent *event) override {
    // QScopedPointerを使用してQPainterオブジェクトを作成
    QScopedPointer<QPainter> painter(new QPainter(this));

    // 矩形を描画
    painter->drawRect(10, 10, 100, 100);
  }
};

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // MyWidgetオブジェクトを作成
  MyWidget widget;

  // ウィジェットを表示
  widget.show();

  return app.exec();
}

このコードは、QScopedPointerを使用して、QPainterオブジェクトをスコープ内で自動的に破棄する例です。

QPainter::end()以外にも、QPainter::setRenderHint()やQScopedPointerを使用して、Qt GUIにおける描画処理を終了することができます。これらの方法の使い分けは、状況によって異なります。