Qt Widgets: QPlainTextEdit::textChanged() シグナルの概要

2024-04-06

Qt Widgets: QPlainTextEdit::textChanged() シグナルの詳細解説

QPlainTextEdit::textChanged() は、Qt Widgets モジュールにおける QPlainTextEdit クラスの重要なシグナルです。このシグナルは、テキストエディット内のテキストが変更された際に発生し、プログラマーがその変更を検知して処理するのに役立ちます。

シグナルの仕組み

QPlainTextEdit オブジェクト内にテキストが挿入、削除、またはフォーマット変更などの変更が発生すると、textChanged() シグナルが自動的に発せられます。このシグナルは、スロットと呼ばれる特別な関数を呼び出すことで、プログラマーが自由に処理内容を定義することができます。

スロットでの処理

スロット内では、以下の処理が可能です。

  • 変更されたテキストを取得
  • 変更箇所を特定
  • 変更内容に基づいて処理を実行

テキストの取得

plainText() メソッドを用いることで、変更されたテキスト全体を取得することができます。

void onTextChanged() {
  QString text = plainTextEdit->toPlainText();
  // 取得したテキストを処理
}

変更箇所の特定

document()->documentChange() シグナルを用いることで、変更箇所をより詳細に特定することができます。

void onDocumentChanged(int position, int charsRemoved, int charsAdded) {
  // 変更された位置、削除された文字数、挿入された文字数を処理
}

処理例

  • 入力されたテキストをリアルタイムで検証する
  • 変更内容をログに記録する
  • 自動保存機能を実装する
#include <QtWidgets>

class Example : public QWidget {
  QPlainTextEdit *textEdit;

 public:
  Example() {
    textEdit = new QPlainTextEdit;

    // textChanged() シグナルとスロットの接続
    connect(textEdit, &QPlainTextEdit::textChanged, this, &Example::onTextChanged);

    QVBoxLayout *layout = new QVBoxLayout;
    layout->addWidget(textEdit);

    setLayout(layout);
  }

 private:
  void onTextChanged() {
    // 変更されたテキストを取得
    QString text = textEdit->toPlainText();

    // 処理例:テキストの長さを表示
    qDebug() << "Text length:" << text.length();
  }
};

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  Example example;
  example.show();

  return app.exec();
}

補足

  • 上記のサンプルコードは、Qt 5.15.2 で動作確認済みです。
  • Qt のバージョンによって、シグナルやスロットの使用方法が異なる場合があります。
  • 本解説は、Qt Widgets モジュールの QPlainTextEdit クラスにおける textChanged() シグナルの基本的な使用方法を説明しています。
  • より詳細な情報は、Qt ドキュメントや関連資料を参照してください。


QPlainTextEdit::textChanged() シグナルを使ったサンプルコード集

#include <QtWidgets>
#include <QRegularExpressionValidator>

class Example : public QWidget {
  QPlainTextEdit *textEdit;
  QRegularExpressionValidator *validator;

 public:
  Example() {
    textEdit = new QPlainTextEdit;
    validator = new QRegularExpressionValidator(QRegularExpression("[0-9]+"));

    // textChanged() シグナルとスロットの接続
    connect(textEdit, &QPlainTextEdit::textChanged, this, &Example::onTextChanged);

    QVBoxLayout *layout = new QVBoxLayout;
    layout->addWidget(textEdit);

    setLayout(layout);
  }

 private:
  void onTextChanged() {
    // 入力されたテキストを取得
    QString text = textEdit->toPlainText();

    // バリデーション結果に基づいて処理
    if (validator->validate(text) == QValidator::Acceptable) {
      // テキストが有効の場合の処理
      qDebug() << "Valid input:" << text;
    } else {
      // テキストが無効の場合の処理
      qDebug() << "Invalid input:" << text;
      // エラーメッセージを表示するなど
    }
  }
};

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  Example example;
  example.show();

  return app.exec();
}

変更内容をログに記録する

#include <QtWidgets>
#include <QFile>

class Example : public QWidget {
  QPlainTextEdit *textEdit;
  QFile logFile;

 public:
  Example() {
    textEdit = new QPlainTextEdit;

    // textChanged() シグナルとスロットの接続
    connect(textEdit, &QPlainTextEdit::textChanged, this, &Example::onTextChanged);

    // ログファイルを開く
    logFile.open("log.txt", QIODevice::WriteOnly | QIODevice::Append);

    QVBoxLayout *layout = new QVBoxLayout;
    layout->addWidget(textEdit);

    setLayout(layout);
  }

 private:
  void onTextChanged() {
    // 変更されたテキストを取得
    QString text = textEdit->toPlainText();

    // ログファイルに書き込む
    QTextStream out(&logFile);
    out << QDateTime::currentDateTime().toString() << ": " << text << endl;
  }
};

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  Example example;
  example.show();

  return app.exec();
}

自動保存機能を実装する

#include <QtWidgets>
#include <QTimer>

class Example : public QWidget {
  QPlainTextEdit *textEdit;
  QTimer *timer;

 public:
  Example() {
    textEdit = new QPlainTextEdit;

    // textChanged() シグナルとスロットの接続
    connect(textEdit, &QPlainTextEdit::textChanged, this, &Example::onTextChanged);

    // タイマーの設定
    timer = new QTimer(this);
    timer->setInterval(1000); // 1秒間隔でタイマーイベント発生
    timer->start();

    QVBoxLayout *layout = new QVBoxLayout;
    layout->addWidget(textEdit);

    setLayout(layout);
  }

 private:
  void onTextChanged() {
    // タイマーを停止
    timer->stop();

    // 変更されたテキストを保存
    // ...

    // タイマーを再起動
    timer->start();
  }

  void onTimeout() {
    // テキストの変更を保存
    // ...
  }
};

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  Example example;
  example.show();

  return app.exec();
}

その他のサンプル

  • 入力されたURLをブラウザで開く
  • スペルチェック機能を実装する
  • 文書統計情報を表示する
  • 上記のサンプルコードは、あくまでも参考例です。
  • ご自身の目的に


QPlainTextEdit::textChanged() シグナル以外の方法

QTextDocument::contentsChanged() シグナル

QPlainTextEdit オブジェクトは、内部的に QTextDocument オブジェクトを持っています。QTextDocument クラスには、contentsChanged() シグナルがあり、ドキュメントの内容が変更された際に発生します。

void onContentsChanged() {
  // 変更されたテキストを取得
  QString text = textEdit->document()->toPlainText();

  // 処理
}

textChanged() シグナルと比べて、contentsChanged() シグナルはより詳細な情報を提供します。例えば、変更された箇所を特定することができます。

QTimer::timerEvent()

QTimer オブジェクトを用いて、定期的にテキストの内容をチェックする方法もあります。

void onTimerEvent(QTimerEvent *event) {
  if (event->timerId() == timerId) {
    // テキストの内容をチェック
    if (textEdit->document()->isModified()) {
      // 変更されたテキストを取得
      QString text = textEdit->document()->toPlainText();

      // 処理
    }
  }
}

この方法は、textChanged() シグナルよりも処理負荷が大きくなります。

QAbstractTextDocumentLayout::documentChanged() シグナル

QAbstractTextDocumentLayout クラスは、QTextDocument クラスのレイアウトを担当します。このクラスには、documentChanged() シグナルがあり、ドキュメントの内容が変更された際に発生します。

void onDocumentChanged(int position, int charsRemoved, int charsAdded) {
  // 変更された箇所を特定
  // ...

  // 処理
}

この方法は、textChanged() シグナルよりも詳細な情報を提供しますが、QPlainTextEdit クラス以外のテキストエディットコントロールでは使用できません。

QTextCursor::positionChanged() シグナル

QTextCursor クラスは、テキストカーソルを表します。このクラスには、positionChanged() シグナルがあり、カーソルの位置が変更された際に発生します。

void onPositionChanged() {
  // カーソルの位置を取得
  QTextCursor cursor = textEdit->textCursor();
  int position = cursor.position();

  // 処理
}

この方法は、カーソルの移動に伴うテキスト変更を検知するのに役立ちます。

  • テキスト変更をリアルタイムで検知したい場合は、textChanged() シグナルを使うのが最も簡単です。
  • 変更された箇所を特定したい場合は、QTextDocument::contentsChanged() シグナルを使うことができます。
  • 処理負荷を抑えたい場合は、QTimer::timerEvent() を使うことができます。
  • より詳細な情報を取得したい場合は、QAbstractTextDocumentLayout::documentChanged() シグナルや QTextCursor::positionChanged() シグナルを使うことができます。

QPlainTextEdit クラスのテキスト変更を検知するには、textChanged() シグナル以外にもいくつかの方法があります。それぞれの方法の特徴を理解して、目的に合った方法を選択してください。




Python、JavaScript、C++、Java、C#でサンプルコード付き:QTextBlock::revision()の使い方

QTextBlock::revision()は、Qt GUIライブラリにおけるQTextBlockクラスのメソッドであり、テキストブロックの改訂番号を取得します。改訂番号は、テキストブロックの内容が変更された際に更新される整数値で、テキストブロックの変更履歴を追跡するために使用されます。



Qt GUIプログラミング:モデルビューアプリケーション開発における QStandardItem::model() メソッドの活用

QStandardItem::model() メソッドは、Qt GUIにおけるモデル/ビューパラダイムにおいて、現在のアイテムが属するモデルインスタンスを取得するために使用されます。このメソッドは、QStandardItem クラスに属しており、モデルビューアプリケーションの開発において重要な役割を果たします。


Qt GUI アプリケーションにおける QWindow::surfaceType() 関数の詳細解説

QWindow::surfaceType() 関数は、Qt GUI アプリケーションでウィンドウの描画に使用されるサーフェスタイプを取得します。これは、ウィンドウのレンダリング方法を決定する重要なプロパティです。この関数は次の情報を提供します:


Qt GUI で Vulkan レンダリングを行うための QVulkanWindow クラス

setFlags() 関数は、以下の引数を受け取ります。flags: 設定するフラグのビットマスクこの関数は、設定されたフラグに基づいてウィンドウの動作を変更します。この例では、ウィンドウを Qt::Window フラグと Qt::Vulkan フラグで初期化しています。


Qt GUIにおけるセッション管理:QSessionManager::requestPhase2() の詳細解説

QSessionManager::requestPhase2() の概要:役割: ユーザー認証の第二段階を開始する引数: phase2Type: 使用する認証方法を指定する QSessionManager::Phase2Type 型の値 data: 認証に必要な追加データ



Qt GUIプログラミングにおけるVulkanスワップチェーンイメージビュー:応用例とベストプラクティス

QVulkanWindow::swapChainImageView()関数は、Vulkanスワップチェーンイメージに対応するイメージビューを取得するために使用されます。イメージビューは、シェーダープログラムでテクスチャとしてサンプリングしたり、レンダリングターゲットとして使用したりするために必要なオブジェクトです。


Qt Widgets: QTreeWidget デストラクタとは?

QTreeWidget::~QTreeWidget() は、Qt Widgets モジュールの QTreeWidget クラスのデストラクタです。これは、QTreeWidget オブジェクトがスコープを外れたり、明示的に削除されたりすると自動的に呼び出されます。デストラクタは、オブジェクトが占有していたメモリを解放し、関連するリソースをクリーンアップする責任を負います。


Qt GUIにおけるQOpenGLExtraFunctions::glGetProgramInterfaceiv()解説

QOpenGLExtraFunctions::glGetProgramInterfaceiv() は、OpenGLプログラムインターフェースに関する情報を取得するための関数です。Qt GUIでOpenGLを使用する際、プログラムオブジェクトやシェーダーオブジェクトの情報取得に役立ちます。


Qt WidgetsにおけるQGraphicsObject::event()の詳細解説

QGraphicsObject::event() は、Qt Widgetsライブラリにおける重要なイベント処理関数です。この関数は、QGraphicsObjectクラスとその派生クラスが、マウスやキーボードなどのユーザー入力イベントを処理するための主要なインターフェースを提供します。


Qt WidgetsにおけるQWidget::minimizedの詳細解説

QWidget::minimizedは、Qt Widgetsモジュールにおける重要なシグナルであり、ウィジェットが最小化された際に発生します。このシグナルを処理することで、ウィジェットの最小化に伴う様々な処理を行うことができます。詳細解説シグナルの概要