Qt GUI で 2D 図形を表現する: QRegion クラスの詳細

Qt GUI の QRegion::QRegion() の詳細解説

コンストラクタの種類

QRegion::QRegion() には、以下の 5 つのオーバーロードされたコンストラクタが存在します。

1. デフォルトコンストラクタ: 空の領域を作成します。
2. 矩形から作成: 指定された矩形に基づいて領域を作成します。
3. 別の領域から作成: 指定された領域のコピーを作成します。
4. 移動コンストラクタ: 別の領域を移動して新しい領域を作成します。

各コンストラクタの詳細

デフォルトコンストラクタ

QRegion();

このコンストラクタは、何も描画されない空の領域 を作成します。

矩形から作成

QRegion(const QRect &rect);

このコンストラクタは、指定された QRect オブジェクトに基づいて領域を作成します。

多角形から作成

QRegion(const QPolygon &polygon, Qt::FillRule fillRule = Qt::OddEvenFill);

このコンストラクタは、指定された QPolygon オブジェクトと塗りつぶし規則に基づいて領域を作成します。

別の領域から作成

QRegion(const QRegion &region);

このコンストラクタは、指定された QRegion オブジェクトのコピーを作成します。

移動コンストラクタ

QRegion(QRegion &&other);

このコンストラクタは、別の QRegion オブジェクトを 移動 して新しい領域を作成します。

使用例

// 空の領域を作成
QRegion region1;

// 矩形から領域を作成
QRegion region2(QRect(10, 20, 30, 40));

// 多角形から領域を作成
QPolygon polygon;
polygon << QPoint(10, 10) << QPoint(50, 50) << QPoint(90, 10);
QRegion region3(polygon, Qt::WindingFill);

// 別の領域から領域を作成
QRegion region4(region2);

// 移動コンストラクタを使用して領域を作成
QRegion region5(std::move(region2));

QRegion::QRegion() は、Qt GUI で 2D 図形を表現するために使用される QRegion クラスのコンストラクタです。5 つのオーバーロードされたコンストラクタがあり、それぞれ異なる引数を受け取り、さまざまな種類の領域を作成できます。

QRegion::QRegion() のサンプルコード

QRegion region(QRect(10, 20, 30, 40));

QPainter painter;
painter.begin(this);

painter.setBrush(Qt::red);
painter.drawRegion(region);

painter.end();

このコードは、10x20 から 30x40 までの矩形領域を作成し、赤色で塗りつぶします。

多角形領域の塗りつぶし

QPolygon polygon;
polygon << QPoint(10, 10) << QPoint(50, 50) << QPoint(90, 10);
QRegion region(polygon, Qt::WindingFill);

QPainter painter;
painter.begin(this);

painter.setBrush(Qt::green);
painter.drawRegion(region);

painter.end();

このコードは、3 つの点で構成される多角形領域を作成し、緑色で塗りつぶします。

領域の交差

QRegion region1(QRect(10, 20, 30, 40));
QRegion region2(QRect(30, 40, 50, 60));

QRegion intersection = region1 & region2;

QPainter painter;
painter.begin(this);

painter.setBrush(Qt::blue);
painter.drawRegion(intersection);

painter.end();

このコードは、2 つの矩形領域を作成し、それらの交差部分を描画します。

領域の結合

QRegion region1(QRect(10, 20, 30, 40));
QRegion region2(QRect(30, 40, 50, 60));

QRegion unionRegion = region1 | region2;

QPainter painter;
painter.begin(this);

painter.setBrush(Qt::yellow);
painter.drawRegion(unionRegion);

painter.end();

このコードは、2 つの矩形領域を作成し、それらの結合部分を黄色で描画します。

領域の差

QRegion region1(QRect(10, 20, 30, 40));
QRegion region2(QRect(20, 30, 40, 50));

QRegion difference = region1 - region2;

QPainter painter;
painter.begin(this);

painter.setBrush(Qt::magenta);
painter.drawRegion(difference);

painter.end();

このコードは、2 つの矩形領域を作成し、region1 から region2 を除いた部分をマゼンタ色で描画します。

これらのコードは、QRegion::QRegion() コンストラクタのさまざまな使用方法を示しています。これらのコードを参考に、さまざまな形の領域を作成し、さまざまな方法で操作することができます。

QRegion::QRegion() 以外の方法

• QPainter::drawPath() を使用:

QPainter painter;
painter.begin(this);

QPainterPath path;
path.addRect(QRect(10, 20, 30, 40));

painter.fillPath(path, Qt::red);

painter.end();

このコードは、QPainterPath オブジェクトを使用して矩形領域を作成し、赤色で塗りつぶします。

• QRegion::setRect() を使用:

QRegion region;
region.setRect(QRect(10, 20, 30, 40));

QPainter painter;
painter.begin(this);

painter.setBrush(Qt::green);
painter.drawRegion(region);

painter.end();

このコードは、QRegion オブジェクトに矩形を設定し、緑色で塗りつぶします。

• QRegion::setPolygon() を使用:

QRegion region;
QPolygon polygon;
polygon << QPoint(10, 10) << QPoint(50, 50) << QPoint(90, 10);
region.setPolygon(polygon, Qt::WindingFill);

QPainter painter;
painter.begin(this);

painter.setBrush(Qt::blue);
painter.drawRegion(region);

painter.end();

このコードは、QRegion オブジェクトに多角形を設定し、青色で塗りつぶします。

これらの方法は、QRegion::QRegion() コンストラクタよりも柔軟性が高く、より複雑な形状の領域を作成することができます。