QScrollerProperties::FrameRatesのサンプルコード

2024-04-02

Qt WidgetsにおけるQScrollerProperties::FrameRates (enum)の詳細解説

QScrollerProperties::FrameRatesは、Qt Widgetsモジュールでスクロールアニメーションのフレームレートを制御するために使用される列挙型です。スクロールの滑らかさやパフォーマンスに影響を与える重要なプロパティです。

解説

QScrollerProperties::FrameRatesは、以下の5つの値を持つ列挙型です。

  • Fps60: 60 FPSでスクロールアニメーションを実行します。最も滑らかなスクロールを実現しますが、最も多くのCPUリソースを消費します。
  • Fps30: 30 FPSでスクロールアニメーションを実行します。Fps60よりも滑らかさは劣りますが、CPUリソースの消費量は少なくなります。
  • LowPower: バッテリー駆動などの低電力環境で最適なフレームレートを選択します。滑らかさは犠牲になりますが、電力消費を抑えられます。
  • Fastest: 可能な限り高速でスクロールアニメーションを実行します。最も滑らかなスクロールを実現できますが、CPUリソースの消費量は最も多くなります。

設定方法

QScrollerProperties::FrameRatesは、QScroller::setScrollRate()関数を使用して設定できます。

QScroller *scroller = new QScroller(this);
scroller->setScrollRate(QScrollerProperties::Fps30);

使用例

  • スクロールビューで滑らかなスクロールを実現したい場合は、Fps60またはFps30を使用します。
  • バッテリー駆動のデバイスでスクロールビューを使用する場合は、LowPowerを使用します。
  • スクロール速度を可能な限り速くしたい場合は、Fastestを使用します。

注意事項

  • 使用するフレームレートは、デバイスの性能や電力状況によって異なります。
  • 高いフレームレートを設定すると、CPUリソースの消費量が増加し、他の処理に影響を与える可能性があります。
  • QScrollerProperties::FrameRates以外にも、スクロールアニメーションの滑らかさを制御するプロパティがあります。詳細は、Qt WidgetsドキュメントのQScrollerPropertiesクラスを参照してください。


Qt WidgetsにおけるQScrollerProperties::FrameRatesの使用例

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ウィジェットの作成
  QWidget window;
  QVBoxLayout layout(&window);

  // スクロールビューの作成
  QScrollArea scrollArea;
  QWidget *widget = new QWidget; // スクロールビュー内に表示するウィジェット
  scrollArea.setWidget(widget);

  // スクロールアニメーションのフレームレートの設定
  QScroller::setScrollRate(QScrollerProperties::Fps60);

  // レイアウトへの追加
  layout.addWidget(&scrollArea);

  // ウィンドウの表示
  window.show();

  return app.exec();
}

バッテリー駆動のデバイスでスクロールビューを使用する

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ウィジェットの作成
  QWidget window;
  QVBoxLayout layout(&window);

  // スクロールビューの作成
  QScrollArea scrollArea;
  QWidget *widget = new QWidget; // スクロールビュー内に表示するウィジェット
  scrollArea.setWidget(widget);

  // スクロールアニメーションのフレームレートの設定
  QScroller::setScrollRate(QScrollerProperties::LowPower);

  // レイアウトへの追加
  layout.addWidget(&scrollArea);

  // ウィンドウの表示
  window.show();

  return app.exec();
}

スクロール速度を可能な限り速くする

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ウィジェットの作成
  QWidget window;
  QVBoxLayout layout(&window);

  // スクロールビューの作成
  QScrollArea scrollArea;
  QWidget *widget = new QWidget; // スクロールビュー内に表示するウィジェット
  scrollArea.setWidget(widget);

  // スクロールアニメーションのフレームレートの設定
  QScroller::setScrollRate(QScrollerProperties::Fastest);

  // レイアウトへの追加
  layout.addWidget(&scrollArea);

  // ウィンドウの表示
  window.show();

  return app.exec();
}

スクロールアニメーションの開始と停止

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ウィジェットの作成
  QWidget window;
  QVBoxLayout layout(&window);

  // スクロールビューの作成
  QScrollArea scrollArea;
  QWidget *widget = new QWidget; // スクロールビュー内に表示するウィジェット
  scrollArea.setWidget(widget);

  // スクロールアニメーションの開始
  QScroller::start();

  // ...

  // スクロールアニメーションの停止
  QScroller::stop();

  // レイアウトへの追加
  layout.addWidget(&scrollArea);

  // ウィンドウの表示
  window.show();

  return app.exec();
}

スクロールアニメーションの速度変更

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ウィジェットの作成
  QWidget window;
  QVBoxLayout layout(&window);

  // スクロールビューの作成
  QScrollArea scrollArea;
  QWidget *widget = new QWidget; // スクロールビュー内に表示するウィジェット
  scrollArea.setWidget(widget);

  // スクロールアニメーションの開始
  QScroller::start();

  // ...

  // スクロールアニメーションの速度変更
  QScroller::setSpeed(100); // 速度は0から100までの範囲で設定できます

  // ...

  // スクロールアニメーションの停止
  QScroller::stop();

  // レイアウトへの追加
  layout.addWidget(&scrollArea);

  // ウィンドウの表示
  window.show();

  return app.exec();
}


Qt WidgetsにおけるQScrollerProperties::FrameRates以外の方法

QAbstractScrollArea::setScrollRate()関数は、スクロールバーの動きを制御するために使用できます。QScrollerProperties::FrameRatesよりも細かい制御が可能ですが、フレームレートを直接設定することはできません。

QScroller::setEasingCurve()関数は、スクロールアニメーションの緩急を制御するために使用できます。デフォルトでは、QEasingCurve::Linearを使用していますが、他のイージングカーブを設定することで、スクロールの開始と終了を滑らかにすることができます。

カスタムスクロールアニメーションの実装

QScrollerクラスを使用せずに、カスタムスクロールアニメーションを実装することもできます。これにより、フレームレートやイージングカーブなど、スクロールアニメーションのあらゆる側面を完全に制御できます。

各方法の詳細

QAbstractScrollArea::setScrollRate()関数は、以下の2つの引数を受け取ります。

  • scrollBar: スクロールバーの種類 (Qt::HorizontalまたはQt::Vertical)
  • rate: スクロール速度 (ピクセル/秒)
scrollArea->setScrollRate(Qt::Horizontal, 100);
scrollArea->setScrollRate(Qt::Vertical, 200);

QScroller::setEasingCurve()関数は、QEasingCurveクラスのインスタンスを受け取ります。

QEasingCurve curve = QEasingCurve::OutCubic;
scroller->setEasingCurve(curve);

カスタムスクロールアニメーションを実装するには、以下の手順が必要です。

  • QTimerオブジェクトを作成します。
  • QTimer::timeout()シグナルにスロットを接続します。
  • スロット内で、スクロール位置を更新します。
  • QTimer::start()関数を呼び出して、タイマーを開始します。
QTimer timer;

void updateScrollPosition() {
  // スクロール位置を更新するコード
}

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ...

  timer.setInterval(10); // 10ミリ秒ごとにupdateScrollPosition()スロットを呼び出す
  timer.start();

  // ...

  return app.exec();
}

各方法の比較

方法利点欠点
QScrollerProperties::FrameRates簡単制御が細かい
QAbstractScrollArea::setScrollRate()細かい制御が可能フレームレートを直接設定できない
QScroller::setEasingCurve()スクロールアニメーションの緩急を制御できる複雑
カスタムスクロールアニメーション完全に制御できる複雑

QScrollerProperties::FrameRatesは、スクロールアニメーションのフレームレートを簡単に設定する方法です。より細かい制御が必要な場合は、QAbstractScrollArea::setScrollRate()関数やQScroller::setEasingCurve()関数を使用することができます。完全に制御したい場合は、カスタムスクロールアニメーションを実装することができます。




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