Qt GUI プログラミング:QStandardItem::takeRow() 関数の詳細解説

2024-04-02

QStandardItem::takeRow() は、Qt GUI フレームワークの QStandardItemModel クラスで使用される関数です。これは、モデル内の指定された行を削除し、削除された行のアイテムへのポインターのリストを返します。モデルはアイテムの所有権を解放します。

機能

  • 指定された行をモデルから削除します。
  • 削除された行のアイテムへのポインターのリストを返します。
  • モデルは削除されたアイテムの所有権を解放します。

引数

  • row: 削除する行のインデックス。

コード例

#include <QStandardItemModel>
#include <QStandardItem>

int main() {
  // モデルの作成
  QStandardItemModel model;

  // アイテムの作成とモデルへの追加
  for (int i = 0; i < 5; ++i) {
    QStandardItem* item = new QStandardItem(QString("Item %1").arg(i));
    model.appendRow(item);
  }

  // 2行目の削除
  QList<QStandardItem*> items = model.takeRow(2);

  // 削除されたアイテムの処理
  for (QStandardItem* item : items) {
    // ...
  }

  return 0;
}

注意事項

  • takeRow() は、モデル内の行を直接削除します。ビューに表示されている行を削除したい場合は、removeRow() 関数を使用する必要があります。
  • takeRow() は、削除された行のアイテムへのポインターを返します。これらのアイテムを再利用する場合は、明示的に所有権を引き継ぐ必要があります。

補足

  • QStandardItem::takeRow() は、ネストされた行を削除するためにも使用できます。ネストされた行を削除するには、親アイテムに対して takeRow() を呼び出す必要があります。
  • QStandardItem::takeRow() は、モデル内の行を効率的に削除する方法です。ただし、モデル内のデータの整合性を維持するために、注意して使用する必要があります。


QStandardItem::takeRow() 関数のサンプルコード

行の削除とアイテムの再利用

#include <QStandardItemModel>
#include <QStandardItem>
#include <QListView>

int main() {
  // モデルの作成
  QStandardItemModel model;

  // アイテムの作成とモデルへの追加
  for (int i = 0; i < 5; ++i) {
    QStandardItem* item = new QStandardItem(QString("Item %1").arg(i));
    model.appendRow(item);
  }

  // 2行目の削除
  QList<QStandardItem*> items = model.takeRow(2);

  // 削除されたアイテムを別のモデルに追加
  QStandardItemModel otherModel;
  for (QStandardItem* item : items) {
    otherModel.appendRow(item);
  }

  // リストビューの作成とモデルの設定
  QListView listView;
  listView.setModel(&model);

  // リストビューの表示
  listView.show();

  return 0;
}

ネストされた行の削除

#include <QStandardItemModel>
#include <QStandardItem>
#include <QTreeView>

int main() {
  // モデルの作成
  QStandardItemModel model;

  // 親アイテムの作成とモデルへの追加
  QStandardItem* parentItem = new QStandardItem("Parent Item");
  model.appendRow(parentItem);

  // 子アイテムの作成と親アイテムへの追加
  for (int i = 0; i < 5; ++i) {
    QStandardItem* childItem = new QStandardItem(QString("Child Item %1").arg(i));
    parentItem->appendRow(childItem);
  }

  // 2番目の子アイテムの削除
  QList<QStandardItem*> items = parentItem->takeRow(2);

  // 削除されたアイテムの処理
  for (QStandardItem* item : items) {
    // ...
  }

  // ツリービューの作成とモデルの設定
  QTreeView treeView;
  treeView.setModel(&model);

  // ツリービューの表示
  treeView.show();

  return 0;
}

モデル内のデータの整合性維持

#include <QStandardItemModel>
#include <QStandardItem>
#include <QHeaderView>

int main() {
  // モデルの作成
  QStandardItemModel model;

  // アイテムの作成とモデルへの追加
  for (int i = 0; i < 5; ++i) {
    QStandardItem* item = new QStandardItem(QString("Item %1").arg(i));
    model.appendRow(item);
  }

  // 2行目の削除
  model.takeRow(2);

  // ヘッダービューのカラム数の更新
  QHeaderView* headerView = model.horizontalHeader();
  headerView->setColumnCount(headerView->columnCount() - 1);

  return 0;
}

補足

  • 上記のサンプルコードは、あくまでも参考です。ご自身のアプリケーションに合わせてコードを修正する必要があります。


QStandardItem::takeRow() 関数の代替方法

removeRow() 関数

QStandardItemModel クラスには、removeRow() という別の関数も用意されています。removeRow() 関数は、モデル内の指定された行を削除し、ビューからその行を非表示にします。

#include <QStandardItemModel>
#include <QStandardItem>

int main() {
  // モデルの作成
  QStandardItemModel model;

  // アイテムの作成とモデルへの追加
  for (int i = 0; i < 5; ++i) {
    QStandardItem* item = new QStandardItem(QString("Item %1").arg(i));
    model.appendRow(item);
  }

  // 2行目の削除
  model.removeRow(2);

  return 0;
}

removeRow() 関数は、takeRow() 関数よりも軽量な関数です。ただし、removeRow() 関数は、削除された行のアイテムへのポインターを返しません。

clear() 関数

QStandardItemModel クラスには、clear() という関数も用意されています。clear() 関数は、モデル内のすべての行を削除します。

#include <QStandardItemModel>
#include <QStandardItem>

int main() {
  // モデルの作成
  QStandardItemModel model;

  // アイテムの作成とモデルへの追加
  for (int i = 0; i < 5; ++i) {
    QStandardItem* item = new QStandardItem(QString("Item %1").arg(i));
    model.appendRow(item);
  }

  // モデル内のすべての行を削除
  model.clear();

  return 0;
}

clear() 関数は、モデル内のすべての行を削除する必要がある場合に便利です。

自作関数

上記のいずれの方法もニーズに合わない場合は、自作関数を作成することもできます。自作関数を作成する場合は、モデル内のデータの整合性を維持するために注意する必要があります。

どの方法を選択するべきかは、状況によって異なります。以下の点を考慮する必要があります。

  • 削除する行の数
  • 削除された行のアイテムへのポインターが必要かどうか
  • モデル内のデータの整合性
  • 上記の方法は、Qt GUI フレームワークの QStandardItemModel クラスで使用できます。
  • その他のモデルクラスでは、異なる方法でモデル内の行を削除する必要がある場合があります。



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