QStyleOptionButton::StyleOptionTypeを使ってできること
Qt WidgetsにおけるQStyleOptionButton::StyleOptionType
QStyleOptionButton::StyleOptionTypeは、以下の11種類の値を持つenumです。
- SO_Button: 標準的なボタン
- SO_DefaultButton: デフォルトボタン
- SO_ExclusiveButton: 排他ボタン
- SO_PushButton: プッシュボタン
- SO_ToolButton: ツールボタン
- SO_RadioButton: ラジオボタン
- SO_CheckBox: チェックボックス
- SO_Flat: フラットボタン
- SO_Menu: メニューボタン
- SO_Tab: タブボタン
それぞれの値は、特定のボタンスタイルを表します。例えば、SO_PushButtonは、クリック可能な標準的なボタンを表します。SO_RadioButtonは、グループ内の他のボタンと排他的に選択できるボタンを表します。
QStyleOptionButton::StyleOptionTypeは、主に以下の2つの方法で使用されます。
- QStyle::drawControl()関数でボタンを描画する際に、ボタンのスタイルオプション型を指定するために使用されます。
- QStyle::subControlRect()関数で、ボタンの特定の部分の矩形を取得するために使用されます。
例えば、以下のコードは、SO_PushButton型のボタンを描画します。
QStyleOptionButton option;
option.initFrom(button);
option.text = "ボタン";
QPainter painter(button);
style()->drawControl(QStyle::CE_PushButton, &option, &painter, button);
QStyleOptionButton::StyleOptionTypeは、Qt Widgetsで様々なスタイルのボタンを作成するために使用できる重要なenumです。このenumを理解することで、より魅力的で使いやすいGUIを作成することができます。
Qt WidgetsにおけるQStyleOptionButton::StyleOptionTypeのサンプルコード
標準的なボタン
QPushButton button("ボタン");
// ボタンを描画
button.show();
デフォルトボタン
QPushButton button("デフォルトボタン");
button.setDefault(true);
// ボタンを描画
button.show();
排他ボタン
QButtonGroup group;
QRadioButton button1("ボタン1");
button1.setChecked(true);
group.addButton(&button1);
QRadioButton button2("ボタン2");
group.addButton(&button2);
// ボタンを描画
button1.show();
button2.show();
プッシュボタン
QPushButton button("プッシュボタン");
// ボタンをクリックした時の処理
QObject::connect(&button, &QPushButton::clicked, []() {
// 何か処理を行う
});
// ボタンを描画
button.show();
ツールボタン
QToolButton button;
button.setIcon(QIcon(":/icon.png"));
// ボタンをクリックした時の処理
QObject::connect(&button, &QToolButton::clicked, []() {
// 何か処理を行う
});
// ボタンを描画
button.show();
ラジオボタン
QRadioButton button("ラジオボタン");
// ボタンの状態を変更
button.setChecked(true);
// ボタンを描画
button.show();
チェックボックス
QCheckBox button("チェックボックス");
// ボタンの状態を変更
button.setChecked(true);
// ボタンを描画
button.show();
フラットボタン
QPushButton button("フラットボタン");
button.setFlat(true);
// ボタンを描画
button.show();
メニューボタン
QMenu menu;
menu.addAction("アクション1");
menu.addAction("アクション2");
QToolButton button;
button.setMenu(&menu);
// ボタンを描画
button.show();
タブボタン
QTabWidget tabWidget;
tabWidget.addTab(new QWidget(), "タブ1");
tabWidget.addTab(new QWidget(), "タブ2");
// タブボタンを描画
tabWidget.show();
補足
カスタムスタイルの作成
QStyleOptionButton::StyleOptionTypeを使用して、独自のスタイルを作成することができます。例えば、以下のコードは、すべてのボタンを角丸にするカスタムスタイルを作成します。
class MyStyle : public QProxyStyle {
public:
void drawControl(ControlElement element, const QStyleOption *option, QPainter *painter, const QWidget *widget) const override {
if (element == CE_PushButton) {
QStyleOptionButton buttonOption;
buttonOption.initFrom(option);
// ボタンを角丸にする
buttonOption.rect.setRoundedCorners(10);
QProxyStyle::drawControl(CE_PushButton, &buttonOption, painter, widget);
} else {
QProxyStyle::drawControl(element, option, painter, widget);
}
}
};
ボタンの状態の取得
QStyleOptionButton::StyleOptionTypeを使用して、ボタンの状態を取得することができます。例えば、以下のコードは、ボタンが押されているかどうかを取得します。
QPushButton button("ボタン");
// ボタンが押されているかどうかを取得
bool isPressed = button.styleOption().state & QStyle::State_Sunken;
ボタンのサブコントロールの矩形を取得
QStyleOptionButton::StyleOptionTypeを使用して、ボタンのサブコントロールの矩形を取得することができます。例えば、以下のコードは、ボタンのテキストラベルの矩形を取得します。
QPushButton button("ボタン");
// ボタンのテキストラベルの矩形を取得
QRect textRect = button.styleOption().subControlRect(QStyle::SC_PushButtonLabel);
QStyleOptionButton::StyleOptionTypeは、Qt Widgetsで様々なスタイルのボタンを作成し、ボタンの状態やサブコントロールの矩形を取得するために使用できる強力なenumです。このenumを理解することで、より魅力的で使いやすいGUIを作成することができます。
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