Qt GUIにおけるQTextCursor::verticalMovementX()解説

2024-04-02

Qt GUIにおけるQTextCursor::verticalMovementX()解説

この関数の詳細

  • 戻り値: 整数値。カーソルが垂直方向に移動したピクセル数。正の値は下方向への移動、負の値は上方向への移動を表します。
  • 引数:
    • direction: カーソルの移動方向を表す Qt::VerticalMovement フラグ。以下のいずれか。
      • Qt::MoveUp: 上方向に移動
      • Qt::MoveDown: 下方向に移動
      • Qt::MoveLeft: 左方向に移動 (垂直方向の移動量を取得しない)
    • m: カーソル移動の基準となる QTextCursor::MoveMode フラグ。以下のいずれか。
      • QTextCursor::MoveAnchor: アンカー位置を基準に移動
      • QTextCursor::KeepAnchor: アンカー位置を固定して移動

使用例

QTextCursor cursor = ...; // テキストカーソルを取得

// カーソルを1行下へ移動
int yOffset = cursor.verticalMovementX(Qt::MoveDown);

// カーソルを移動後の位置に設定
cursor.movePosition(QTextCursor::MoveDown, yOffset);

// テキストを挿入
cursor.insertText("一行分のテキスト");

補足

  • QTextCursor::verticalMovementX() は、Qt 5.14以降で導入された関数です。
  • 垂直方向の移動量は、行間隔やフォントサイズなどの影響を受けます。
  • カーソルが行頭または行末にある場合、この関数は0を返します。


QTextCursor::verticalMovementX() のサンプルコード

QTextCursor cursor = textEdit->textCursor();

// カーソルを1行下へ移動
int yOffset = cursor.verticalMovementX(Qt::MoveDown);

// カーソルを移動後の位置に設定
cursor.movePosition(QTextCursor::MoveDown, yOffset);

// テキストを挿入
cursor.insertText("一行分のテキスト");

カーソルを上下に移動し、移動量を表示する

void MainWindow::on_upButton_clicked()
{
  QTextCursor cursor = textEdit->textCursor();

  // カーソルを1行上へ移動
  int yOffset = cursor.verticalMovementX(Qt::MoveUp);

  // カーソルを移動後の位置に設定
  cursor.movePosition(QTextCursor::MoveUp, yOffset);

  // 移動量を表示
  statusBar->showMessage(QString("Y軸移動量: %1").arg(yOffset));
}

void MainWindow::on_downButton_clicked()
{
  QTextCursor cursor = textEdit->textCursor();

  // カーソルを1行下へ移動
  int yOffset = cursor.verticalMovementX(Qt::MoveDown);

  // カーソルを移動後の位置に設定
  cursor.movePosition(QTextCursor::MoveDown, yOffset);

  // 移動量を表示
  statusBar->showMessage(QString("Y軸移動量: %1").arg(yOffset));
}

カーソルを上下に移動し、選択範囲を調整する

void MainWindow::on_upButton_clicked()
{
  QTextCursor cursor = textEdit->textCursor();

  // カーソルを1行上へ移動
  int yOffset = cursor.verticalMovementX(Qt::MoveUp);

  // 選択範囲の開始位置を移動後の位置に設定
  cursor.setPosition(cursor.selectionStart() + yOffset);

  // テキストを選択
  textEdit->setTextCursor(cursor);
}

void MainWindow::on_downButton_clicked()
{
  QTextCursor cursor = textEdit->textCursor();

  // カーソルを1行下へ移動
  int yOffset = cursor.verticalMovementX(Qt::MoveDown);

  // 選択範囲の終了位置を移動後の位置に設定
  cursor.setPosition(cursor.selectionEnd() + yOffset);

  // テキストを選択
  textEdit->setTextCursor(cursor);
}

これらのサンプルコードは、QTextCursor::verticalMovementX() 関数の使い方を理解するのに役立ちます。

  • カーソルを指定された行へ移動する
  • カーソルを画面の可視範囲内に収める
  • カーソルを単語の始めまたは終わりに移動する

これらのサンプルコードは、Qt公式ドキュメントやチュートリアルなどで見つけることができます。



QTextCursor::verticalMovementX() 以外の方法

QTextLayout::boundingRect() 関数は、テキストの境界矩形を取得します。この矩形の高さから、カーソルが移動した行数を知ることができます。

QTextLayout layout = ...; // テキストレイアウトを取得

// カーソル位置の行数
int lineIndex = cursor.blockNumber();

// カーソル位置の矩形
QRectF rect = layout.boundingRect(lineIndex);

// 垂直方向の移動量
int yOffset = rect.height() * (cursor.position() - layout.position(lineIndex));

QTextBlock::height() 関数は、テキストブロックの高さ




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