Qt WidgetsにおけるQWidget::minimumSizeの役割と設定方法

Qt WidgetsにおけるQWidget::minimumSize

QWidget::minimumSizeは、Qt Widgetsにおける重要なプロパティの一つです。これは、ウィジェットが持つ最小限のサイズを指定するために使用されます。ウィジェットはこのサイズよりも小さくすることはできません。

役割

minimumSizeは以下の役割を果たします。

• ウィジェットがユーザーによって意図せず小さくされすぎるのを防ぎます。
• レイアウトシステムがウィジェットを適切に配置できるようにします。
• ウィジェットの内容が常に表示されるようにします。

設定方法

minimumSizeは、以下の方法で設定できます。

• コンストラクタで直接指定する。
• setMinimumSize()関数を使用する。
• Qt Designerを使用する。

例

// コンストラクタで直接指定
QWidget widget(100, 50);

// setMinimumSize()関数を使用
widget.setMinimumSize(200, 100);

// Qt Designerを使用
// ウィジェットを選択して、プロパティエディタでminimumSizeを設定

注意点

• minimumSizeは、ウィジェットのコンテンツによって異なる場合があります。
• minimumSizeは、ウィジェットのサイズポリシーによって影響を受けます。
• minimumSizeは、ウィジェットの親ウィジェットのサイズによって制限される場合があります。

補足

• minimumSizeHint()というプロパティもあります。これは、レイアウトシステムがウィジェットのサイズを計算するために使用するヒントです。minimumSizeとは異なり、ウィジェットの実際のサイズを制限することはありません。
• minimumSizeとminimumSizeHintの両方を設定することで、ウィジェットのサイズをより細かく制御することができます。

この解説が、Qt WidgetsにおけるQWidget::minimumSizeの理解に役立つことを願っています。

• ご質問やご不明な点があれば、お気軽にお問い合わせください。
• より詳細な情報は、Qt公式ドキュメントを参照してください。

QWidget::minimumSize のサンプルコード

コンストラクタで直接指定

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // コンストラクタでminimumSizeを直接指定
  QWidget widget(100, 50);

  widget.show();

  return app.exec();
}

setMinimumSize()関数を使用

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QWidget widget;

  // setMinimumSize()関数を使用してminimumSizeを設定
  widget.setMinimumSize(200, 100);

  widget.show();

  return app.exec();
}

Qt Designerを使用

1. Qt Designerを起動します。
2. 新しいウィジェットフォームを作成します。
3. ウィジェットを選択して、プロパティエディタを開きます。
4. "minimumSize"プロパティを見つけ、希望する値を入力します。
5. ウィジェットを保存して実行します。

その他のサンプルコード

• ウィジェットのコンテンツによってminimumSizeを設定する

#include <QtWidgets>

class MyWidget : public QWidget {
  public:
    MyWidget() {
      // コンテンツに合わせてminimumSizeを設定
      setMinimumSize(contentsRect().size());
    }

  protected:
    void paintEvent(QPaintEvent *event) override {
      // ウィジェット内に何かを描画
      ...
    }
};

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  MyWidget widget;

  widget.show();

  return app.exec();
}

• ウィジェットのサイズポリシーによってminimumSizeを設定する

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QWidget widget;

  // ウィジェットのサイズポリシーを設定
  widget.setSizePolicy(QSizePolicy::Expanding, QSizePolicy::Minimum);

  // minimumSizeを設定
  widget.setMinimumSize(100, 50);

  widget.show();

  return app.exec();
}

QWidget::minimumSizeを設定する他の方法

Qt Designerは、Qt WidgetsアプリケーションのGUIを視覚的に設計するためのツールです。ウィジェットのminimumSizeを設定するには、以下の手順に従います。

QSSスタイルシートを使用して、ウィジェットのminimumSizeを設定することもできます。以下の例では、ウィジェットのminimumSizeを100x50に設定しています。

QWidget {
  minimum-size: 100px 50px;
}

コードで設定する

ウィジェットのminimumSizeをコードで設定するには、以下の方法を使用できます。

QWidget widget(100, 50);

QWidget widget;
widget.setMinimumSize(100, 50);

• sizeHint()関数をオーバーライドする

class MyWidget : public QWidget {
  public:
    MyWidget() {}

  protected:
    QSize sizeHint() const override {
      return QSize(100, 50);
    }
};

ウィジェットのサイズポリシーを使用して、minimumSizeを設定することもできます。以下の例では、ウィジェットの水平方向のサイズポリシーをExpandingに設定し、垂直方向のサイズポリシーをMinimumに設定しています。

QWidget widget;
widget.setSizePolicy(QSizePolicy::Expanding, QSizePolicy::Minimum);