Qtチュートリアル：QWidget::setDisabled() 関数

QWidget::setDisabled() 関数は、Qt ウィジェットを無効または有効にします。無効化されたウィジェットは、ユーザー入力を受け付けなくなり、視覚的にグレーアウトされます。

関数宣言

void QWidget::setDisabled(bool disabled);

引数

• disabled: ウィジェットを無効にする場合は true、有効にする場合は false を指定します。

戻り値

なし

動作

• ウィジェットが無効化されると、以下のようになります。
  • ユーザー入力を受け付けません。
  • マウスイベント、キーボードイベントなどのイベントを受け付けません。
  • 視覚的にグレーアウトされます。
• ウィジェットが有効化されると、以下のようになります。
  • ユーザー入力を受け付けられるようになります。
  • マウスイベント、キーボードイベントなどのイベントを受け付けられるようになります。
  • 視覚的に元の状態に戻ります。

注意事項

• 子ウィジェットも親ウィジェットと一緒に無効化されます。
• 無効化されたウィジェットは、QWidget::isEnabled() 関数でチェックできます。
• 無効化されたウィジェットにフォーカスがある場合、フォーカスは別のウィジェットに移動されます。

コード例

// ウィジェットを無効化する
QPushButton* button = new QPushButton("Button");
button->setDisabled(true);

// ウィジェットを有効化する
button->setDisabled(false);

補足

• QWidget::setEnabled() 関数は、QWidget::setDisabled() 関数のエイリアスです。
• ウィジェットの状態を変更するには、QWidget::show()、QWidget::hide()、QWidget::raise()、QWidget::lower() などの関数も使用できます。

• 上記の説明で不明な点や、さらに詳しく知りたい点があれば、遠慮なく質問してください。

QWidget::setDisabled() 関数のサンプルコード

QPushButton* button = new QPushButton("Button");

// ボタンをクリックすると、自身を無効化する
connect(button, &QPushButton::clicked, [button]() {
  button->setDisabled(true);
});

// ボタンを無効にする
button->setDisabled(true);

// ウィジェットを表示する
QWidget window;
window.show();

チェックボックスの状態に応じてウィジェットを無効化する

QCheckBox* checkBox = new QCheckBox("Enable Widget");
QWidget* widget = new QWidget();

// チェックボックスの状態が変化した時に、ウィジェットを有効/無効化する
connect(checkBox, &QCheckBox::stateChanged, [widget](int state) {
  widget->setDisabled(state == Qt::Unchecked);
});

// ウィジェットを無効にする
widget->setDisabled(true);

// ウィジェットを表示する
QVBoxLayout layout;
layout.addWidget(checkBox);
layout.addWidget(widget);

QWidget window;
window.setLayout(&layout);
window.show();

グループボックス内のすべてのウィジェットを無効化する

QGroupBox* groupBox = new QGroupBox("Group Box");
QPushButton* button1 = new QPushButton("Button 1");
QPushButton* button2 = new QPushButton("Button 2");

// グループボックス内のすべてのウィジェットを無効化する
connect(groupBox, &QGroupBox::toggled, [button1, button2](bool checked) {
  button1->setDisabled(!checked);
  button2->setDisabled(!checked);
});

// グループボックス内にウィジェットを追加する
QVBoxLayout layout;
layout.addWidget(button1);
layout.addWidget(button2);
groupBox->setLayout(&layout);

// ウィジェットを表示する
QWidget window;
window.show();

タイマーを使用してウィジェットを一定時間無効化する

QPushButton* button = new QPushButton("Button");
QTimer* timer = new QTimer();

// タイマーがタイムアウトした時に、ボタンを有効化する
connect(timer, &QTimer::timeout, [button]() {
  button->setEnabled(true);
});

// ボタンをクリックすると、自身を一定時間無効化する
connect(button, &QPushButton::clicked, [button, timer]() {
  button->setDisabled(true);
  timer->start(1000); // 1秒後にボタンを有効化する
});

// ウィジェットを表示する
QWidget window;
window.show();

スレッドを使用してウィジェットを無効化する

QPushButton* button = new QPushButton("Button");

// 別スレッドでウィジェットを無効化する
void workerThread() {
  button->setDisabled(true);
  // 長時間実行する処理
  button->setDisabled(false);
}

// ボタンをクリックすると、別スレッドでウィジェットを無効化する
connect(button, &QPushButton::clicked, []() {
  std::thread t(workerThread);
  t.detach();
});

// ウィジェットを表示する
QWidget window;
window.show();

QWidget::setDisabled() 関数の代替方法

ウィジェットを隠す

QWidget::hide() 関数を使用してウィジェットを隠すことで、ユーザー入力を受け付けないようにすることができます。ただし、ウィジェットは視覚的に消えてしまうため、ユーザーが操作できないことを明確に示したい場合は適していません。

ウィジェットの透明度を変更する

QWidget::setWindowOpacity() 関数を使用してウィジェットの透明度を変更することで、ユーザー入力を受け付けないようにすることができます。ただし、ウィジェットは完全に消えないため、ユーザーが操作できないことを明確に示したい場合は適していません。

イベントフィルターを使用する

QWidget::installEventFilter() 関数を使用してイベントフィルターをインストールすることで、ウィジェットに送信されるイベントを処理することができます。イベントフィルターを使用して、特定のイベントを無視することで、ウィジェットを無効にすることができます。

カスタムウィジェットを作成する

QWidget クラスを継承してカスタムウィジェットを作成し、paintEvent() メソッドをオーバーライドすることで、無効化されたときの外観をカスタマイズすることができます。

• ウィジェットを一時的に無効化したい場合は、QWidget::setDisabled() 関数を使用するのが最も簡単です。
• ウィジェットを完全にユーザーから見えないようにしたい場合は、QWidget::hide() 関数を使用するのが最適です。
• ウィジェットを半透明にして、ユーザーが操作できないことを示したい場合は、QWidget::setWindowOpacity() 関数を使用するのが最適です。
• 特定のイベントのみを無効化したい場合は、イベントフィルターを使用するのが最適です。
• 無効化されたときの外観をカスタマイズしたい場合は、カスタムウィジェットを作成する必要があります。

以下は、それぞれの方法のサンプルコードです。

ウィジェットを隠す

QPushButton* button = new QPushButton("Button");

// ボタンをクリックすると、自身を隠す
connect(button, &QPushButton::clicked, [button]() {
  button->hide();
});

// ウィジェットを表示する
QWidget window;
window.show();

ウィジェットの透明度を変更する

QPushButton* button = new QPushButton("Button");

// ボタンをクリックすると、自身の透明度を変更する
connect(button, &QPushButton::clicked, [button]() {
  button->setWindowOpacity(0.5);
});

// ウィジェットを表示する
QWidget window;
window.show();

イベントフィルターを使用する

class MyEventFilter : public QObject {
public:
  bool eventFilter(QObject* object, QEvent* event) override {
    if (event->type() == QEvent::MouseButtonPress) {
      return true; // マウスボタン押下イベントを無視する
    }
    return false;
  }
};

QPushButton* button = new QPushButton("Button");

// イベントフィルターをインストールする
MyEventFilter* filter = new MyEventFilter();
button->installEventFilter(filter);

// ウィジェットを表示する
QWidget window;
window.show();

カスタムウィジェットを作成する

class MyWidget : public QWidget {
public:
  MyWidget() {
    // 無効化されたときの背景色を設定する
    QPalette palette;
    palette.setColor(QPalette::Window, Qt::gray);
    setPalette(palette);
  }

protected:
  void paintEvent(QPaintEvent* event) override {
    QWidget::paintEvent(event);

    if (isEnabled()) {
      // 有効化されたときの描画処理
    } else {
      // 無効化されたときの描画処理
    }
  }
};

// ウィジェットを表示する
QWidget window;
MyWidget* widget = new MyWidget();
window.setCentralWidget(widget);
window.show();

これらのサンプルコードを参考に、状況に合わせて適切な方法を選択してください。