Concurrency supportとatomic_flag_test_and_set:知っておくべき代替方法
C言語における「Concurrency support」と「atomic_flag_test_and_set」
「atomic_flag_test_and_set」は、「Concurrency support」で使用される関数の一つです。これは、フラグ変数の値をテストし、同時にその値をセットするために使用されます。
フラグ変数は、プログラムの状態を表すために使用される変数です。通常、フラグ変数は0または1の値を持ち、プログラムの状態を表します。例えば、フラグ変数が0であれば、プログラムは「停止状態」、1であれば「実行状態」を表すことができます。
atomic_flag_test_and_set
関数は、以下の2つの操作を同時に実行します。
- フラグ変数の値をテストする
- フラグ変数の値を1にセットする
この関数は、以下のプロトタイプを持ちます。
#include <stdatomic.h>
int atomic_flag_test_and_set(atomic_flag *flag);
flag
: テストおよびセットするフラグ変数へのポインタ
この関数は、以下の値を返します。
- 0: フラグ変数の値が0だった場合
atomic_flag_test_and_set 関数の例
以下の例は、atomic_flag_test_and_set
関数の使用方法を示しています。
#include <stdatomic.h>
atomic_flag flag = ATOMIC_FLAG_INIT;
void thread_1() {
while (atomic_flag_test_and_set(&flag) == 1) {
// フラグ変数が1の場合は、スピン待ちを行う
}
// フラグ変数が0だったため、処理を実行する
}
void thread_2() {
// フラグ変数を1にセットする
atomic_flag_test_and_set(&flag);
}
この例では、2つのスレッドが flag
というフラグ変数を共有しています。
-
スレッド1は、
atomic_flag_test_and_set
関数を使用してフラグ変数の値をテストします。 -
フラグ変数の値が1であれば、スレッド1はスピン待ちを行います。
-
フラグ変数の値が0であれば、スレッド1は処理を実行します。
この例のように、atomic_flag_test_and_set
関数は、複数のスレッド間で共有される変数を安全に操作するために使用できます。
まとめ
- C言語における「Concurrency support」は、複数のスレッドが同時にコードを実行できる機能です。
- 「atomic_flag_test_and_set」は、「Concurrency support」で使用される関数の一つです。
atomic_flag_test_and_set
関数は、フラグ変数の値をテストし、同時にその値を1にセットするために使用されます。atomic_flag_test_and_set
関数は、複数のスレッド間で共有される変数を安全に操作するために使用できます。
C言語における atomic_flag_test_and_set 関数のサンプルコード
排他制御
#include <stdatomic.h>
#include <pthread.h>
atomic_flag flag = ATOMIC_FLAG_INIT;
void *thread_func(void *arg) {
while (atomic_flag_test_and_set(&flag) == 1) {
// スピン待ち
}
// クリティカルセクション
// ...
atomic_flag_clear(&flag);
return NULL;
}
int main() {
pthread_t thread1, thread2;
pthread_create(&thread1, NULL, thread_func, NULL);
pthread_create(&thread2, NULL, thread_func, NULL);
pthread_join(thread1, NULL);
pthread_join(thread2, NULL);
return 0;
}
- フラグ変数の値が0であれば、スレッドはクリティカルセクションに入り、処理を実行します。
- 処理が完了したら、スレッドは
atomic_flag_clear
関数を使用してフラグ変数を0にクリアします。
リソースの取得
#include <stdatomic.h>
#include <pthread.h>
atomic_flag flag = ATOMIC_FLAG_INIT;
struct resource *resource;
void *thread_func(void *arg) {
while (atomic_flag_test_and_set(&flag) == 1) {
// スピン待ち
}
// リソースを取得
resource = acquire_resource();
// リソースを使用
// ...
// リソースを解放
release_resource(resource);
atomic_flag_clear(&flag);
return NULL;
}
int main() {
pthread_t thread1, thread2;
pthread_create(&thread1, NULL, thread_func, NULL);
pthread_create(&thread2, NULL, thread_func, NULL);
pthread_join(thread1, NULL);
pthread_join(thread2, NULL);
return 0;
}
このコードは、2つのスレッドが resource
というリソースを取得するために atomic_flag_test_and_set
関数を使用する例です。
- フラグ変数の値が0であれば、スレッドはリソースを取得します。
- リソースの利用が完了したら、スレッドはリソースを解放し、フラグ変数を0にクリアします。
状態フラグの更新
#include <stdatomic.h>
#include <pthread.h>
atomic_flag flag = ATOMIC_FLAG_INIT;
void *thread_func(void *arg) {
while (atomic_flag_test_and_set(&flag) == 1) {
// スピン待ち
}
// 状態フラグを更新
// ...
atomic_flag_clear(&flag);
return NULL;
}
int main() {
pthread_t thread1, thread2;
pthread_create(&thread1, NULL, thread_func, NULL);
pthread_create(&thread2, NULL, thread_func, NULL);
pthread_join(thread1, NULL);
pthread_join(thread2, NULL);
return 0;
}
このコードは、2つのスレッドが flag
という状態フラグを更新するために atomic_flag_test_and_set
関数を使用する例です。
- フラグ変数の値が0であれば、スレッドは状態フラグを更新します。
- 状態フラグの更新が完了したら、スレッドはフラグ変数を0
atomic_flag_test_and_set 関数の代替方法
ミューテックスは、複数のスレッドが同時に同じリソースにアクセスすることを防ぐためのロック機構です。
#include <pthread.h>
pthread_mutex_t mutex = PTHREAD_MUTEX_INITIALIZER;
void *thread_func(void *arg) {
pthread_mutex_lock(&mutex);
// クリティカルセクション
// ...
pthread_mutex_unlock(&mutex);
return NULL;
}
int main() {
pthread_t thread1, thread2;
pthread_create(&thread1, NULL, thread_func, NULL);
pthread_create(&thread2, NULL, thread_func, NULL);
pthread_join(thread1, NULL);
pthread_join(thread2, NULL);
return 0;
}
このコードは、2つのスレッドが mutex
というミューテックスを使用して排他制御を行う例です。
- スレッドは、
pthread_mutex_lock
関数を使用してミューテックスを獲得します。 - ミューテックスを獲得したスレッドは、クリティカルセクションに入り、処理を実行します。
- 処理が完了したら、スレッドは
pthread_mutex_unlock
関数を使用してミューテックスを解放します。
セマフォアは、共有リソースの利用可能数を管理するためのロック機構です。
#include <semaphore.h>
sem_t sem = SEM_INITIALIZER(1);
void *thread_func(void *arg) {
sem_wait(&sem);
// リソースを使用
// ...
sem_post(&sem);
return NULL;
}
int main() {
pthread_t thread1, thread2;
pthread_create(&thread1, NULL, thread_func, NULL);
pthread_create(&thread2, NULL, thread_func, NULL);
pthread_join(thread1, NULL);
pthread_join(thread2, NULL);
return 0;
}
このコードは、2つのスレッドが sem
というセマフォアを使用してリソースの利用を制御する例です。
- スレッドは、
sem_wait
関数を使用してセマフォアを獲得します。 - セマフォアを獲得したスレッドは、リソースを利用します。
- リソースの利用が完了したら、スレッドは
sem_post
関数を使用してセマフォアを解放します。
原子操作
C11規格では、atomic_int
や atomic_flag
などの原子型データ型が導入されています。これらのデータ型は、複数のスレッドから同時にアクセスされても、データの破損を防ぐことができます。
#include <stdatomic.h>
atomic_int counter = 0;
void *thread_func(void *arg) {
atomic_fetch_add(&counter, 1);
return NULL;
}
int main() {
pthread_t thread1, thread2;
pthread_create(&thread1, NULL, thread_func, NULL);
pthread_create(&thread2, NULL, thread_func, NULL);
pthread_join(thread1, NULL);
pthread_join(thread2, NULL);
printf("counter = %d\n", counter);
return 0;
}
このコードは、2つのスレッドが counter
という原子変数を用いてカウンタを増加させる例です。
- スレッドは、
atomic_fetch_add
関数を使用して原子変数の値を増加させます。 - 2つのスレッドが同時に
atomic_fetch_add
関数を呼び出しても、カウンタの値は正しく増加します。
比較と交換
compare_exchange
関数は、変数の値を比較し、一致した場合のみ新しい値に交換するための関数です。
#include <stdatomic.h>
int
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