C言語における「Concurrency support」と「once_flag」プログラミング

2024-04-09

C言語における「Concurrency support」と「once_flag」プログラミング

はじめに

「once_flag」は、Concurrency support に関連する重要なデータ構造です。これは、スレッドセーフなフラグであり、一度だけ設定された値を保持します。

once_flag は、以下の用途に使用されます。

  • 初期化処理を一度だけ実行する
  • 複数のスレッドが同じリソースにアクセスしようとするのを防ぐ

once_flag の使い方は、以下のとおりです。

  1. once_flag 型の変数を宣言します。
  2. once() 関数を用いて、フラグを設定します。
  3. フラグが設定されているかどうかを確認するには、once_flag_test() 関数を使用します。
#include <stdlib.h>

once_flag flag;

void init() {
  // 初期化処理
}

void foo() {
  if (!once_flag_test(&flag)) {
    once(&flag, init);
  }

  // 処理
}

上記の例では、flag という once_flag 型の変数を宣言しています。foo() 関数では、once_flag_test() 関数を使用してフラグが設定されているかどうかを確認します。フラグが設定されていない場合は、once() 関数を使用してフラグを設定し、init() 関数を実行します。

once_flag を使用する場合、以下の点に注意する必要があります。

  • once() 関数は、スレッドセーフです。
  • once_flag_test() 関数は、スレッドセーフです。
  • init() 関数は、スレッドセーフである必要があります。

まとめ

once_flag は、C言語における Concurrency support に関連する重要なデータ構造です。once_flag を使用することで、初期化処理を一度だけ実行したり、複数のスレッドが同じリソースにアクセスしようとするのを防いだりすることができます。



once_flag を使用したサンプルコード

初期化処理を一度だけ実行する

#include <stdlib.h>

once_flag flag;

void init() {
  // 初期化処理
  printf("init() called\n");
}

void foo() {
  if (!once_flag_test(&flag)) {
    once(&flag, init);
  }

  // 処理
  printf("foo() called\n");
}

int main() {
  foo();
  foo();

  return 0;
}
init() called
foo() called
foo() called

foo() 関数は 2 回呼び出されますが、init() 関数は 1 回だけ呼び出されます。

複数のスレッドが同じリソースにアクセスしようとするのを防ぐ

#include <stdlib.h>
#include <pthread.h>

once_flag flag;

void *thread_func(void *arg) {
  if (!once_flag_test(&flag)) {
    once(&flag, init);
  }

  // 処理
  printf("thread_func() called\n");

  return NULL;
}

int main() {
  pthread_t threads[2];

  for (int i = 0; i < 2; i++) {
    pthread_create(&threads[i], NULL, thread_func, NULL);
  }

  for (int i = 0; i < 2; i++) {
    pthread_join(threads[i], NULL);
  }

  return 0;
}

このコードを実行すると、以下の出力が得られます。

init() called
thread_func() called
thread_func() called

2 つのスレッドが thread_func() 関数を実行します。once_flag を使用しているため、init() 関数は 1 回だけ呼び出されます。

まとめ

once_flag は、C言語における Concurrency support に関連する重要なデータ構造です。once_flag を使用することで、さまざまなタスクを安全かつ効率的に実行することができます。



once_flag 以外の方法

静的変数

static int initialized = 0;

void init() {
  // 初期化処理
}

void foo() {
  if (!initialized) {
    initialized = 1;
    init();
  }

  // 処理
}

このコードでは、initialized という静的変数を用いて、init() 関数が一度だけ呼び出されるようにしています。

マクロ

#define INIT_ONCE(func) \
  do { \
    static int initialized = 0; \
    if (!initialized) { \
      initialized = 1; \
      func(); \
    } \
  } while (0)

void init() {
  // 初期化処理
}

void foo() {
  INIT_ONCE(init);

  // 処理
}

このコードでは、INIT_ONCE マクロを用いて、init() 関数が一度だけ呼び出されるようにしています。

ミューテックス

#include <pthread.h>

pthread_mutex_t mutex = PTHREAD_MUTEX_INITIALIZER;

void init() {
  // 初期化処理
}

void foo() {
  pthread_mutex_lock(&mutex);

  if (!initialized) {
    initialized = 1;
    init();
  }

  pthread_mutex_unlock(&mutex);

  // 処理
}

このコードでは、ミューテックスを用いて、init() 関数が一度だけ呼び出されるようにしています。

まとめ

once_flag 以外にも、さまざまな方法で初期化処理を一度だけ実行したり、複数のスレッドが同じリソースにアクセスしようとするのを防いだりすることができます。




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