C++ の Strings における std::basic_string::resize の詳細解説
C++ の Strings における std::basic_string::resize の詳細解説
この解説では、以下の内容を詳細に説明します:
- std::basic_string::resize の概要:
- 機能
- 引数
- 戻り値
- 例
- メモリ管理:
- 文字列の拡張と縮小
- デフォルト初期化
- 明示的な初期化
- 例外処理:
- std::length_error
- アロケータ例外
- パフォーマンスのヒント:
- resize と append の比較
- 容量の事前割り当て
- 関連する関数:
- std::basic_string::reserve
- std::basic_string::shrink_to_fit
- std::basic_string::capacity
std::basic_string::resize の概要:
機能:
- 文字列の長さを
count
文字に変更します。 count
が現在の文字列長よりも大きい場合、末尾にchar_t
型のデフォルト値で初期化された新しい文字を追加します。count
が現在の文字列長よりも小さい場合、文字列は最初のcount
文字に切り捨てられます。
引数:
count
: 変更後の文字列長c
: 新しい文字に追加されるデフォルト値 (省略可能、デフォルトはchar_t()
)
戻り値:
- なし
例:
std::string str = "Hello";
// 文字列を5文字に拡張
str.resize(5); // "Hello" -> "Hello"
// 文字列を3文字に縮小
str.resize(3); // "Hello" -> "Hel"
// 文字列を5文字に拡張し、新しい文字を'!'で初期化
str.resize(5, '!'); // "Hel" -> "Hel!!"
メモリ管理:
文字列の拡張:
resize
は必要に応じてメモリを自動的に割り当てます。- デフォルトでは、
std::allocator
が使用されます。 - アロケータは、新しいメモリを動的に割り当てるためのオブジェクトです。
文字列の縮小:
- 不要になったメモリは自動的に解放されます。
- これは、メモリリークを防ぐのに役立ちます。
デフォルト初期化:
resize
によって追加される新しい文字は、デフォルト値で初期化されます。- デフォルト値は、
char_t
型のコンストラクタによって決定されます。 - 例えば、
char_t
がchar
型の場合、デフォルト値はヌル文字 (\0
) となります。
明示的な初期化:
- 2番目の引数
c
を使用して、新しい文字を明示的に初期化することができます。 c
は、文字リテラル、文字変数、または式を指定することができます。
例外処理:
std::length_error:
count
が文字列の最大長よりも大きい場合、std::length_error
例外がスローされます。- 最大長は、
std::basic_string::max_size()
で取得できます。
アロケータ例外:
- メモリの割り当てに失敗した場合、アロケータ例外がスローされます。
パフォーマンスのヒント:
resize と append の比較:
- 文字列の末尾に大量のデータを追加する必要がある場合は、
resize
の方がappend
よりも効率的です。 - これは、
resize
がメモリを一度だけ割り当てるのに対し、append
は必要なたびにメモリを割り当てる必要があるためです。
容量の事前割り当て:
std::basic_string::reserve()
を使用して、将来の拡張に備えてメモリを事前割り当てすることができます。- これは、メモリ割り当てのオーバーヘッドを減らすのに役立ちます。
関連する関数:
- std::basic_string::reserve: 文字列の容量を予約します。
- std::basic_string::shrink_to_fit: 文字列の容量を現在の長さに縮小します。
- std::basic_string::capacity: 文字列の容量を取得します。
std::basic_string::resize
は、
std::basic_string::resize のサンプルコード
std::string str = "Hello";
// 文字列を5文字に拡張
str.resize(5); // "Hello" -> "Hello"
// 末尾に3つの'!'を追加
str.resize(str.size() + 3, '!'); // "Hello" -> "Hello!!!"
文字列の縮小
std::string str = "This is a long string";
// 文字列を10文字に縮小
str.resize(10); // "This is a long string" -> "This is a "
// 先頭の5文字を切り捨て
str.resize(str.size() - 5); // "This is a " -> " is a "
デフォルト値の指定
std::string str = "Hello";
// 文字列を10文字に拡張し、新しい文字を'X'で初期化
str.resize(10, 'X'); // "Hello" -> "HelloXXXXX"
例外処理
std::string str = "Hello";
try {
// 文字列を最大長よりも大きいサイズに拡張
str.resize(std::string::max_size() + 1);
} catch (const std::length_error& e) {
std::cerr << e.what() << std::endl;
}
容量の事前割り当て
std::string str;
// 将来の拡張に備えて100文字分のメモリを予約
str.reserve(100);
// 文字列を50文字に拡張
str.resize(50);
その他の関連関数
std::string str = "This is a long string";
// 文字列の容量を取得
std::size_t capacity = str.capacity();
// 文字列の容量を現在の長さに縮小
str.shrink_to_fit();
これらのサンプルコードは、std::basic_string::resize
のさまざまな使用方法を示しています。
std::basic_string::resize の代替方法
+= 演算子
文字列の末尾に文字列を追加するには、+=
演算子を使用することができます。
std::string str = "Hello";
str += " World!"; // "Hello" -> "Hello World!"
erase 関数
文字列の一部を切り捨てるには、erase
関数を使用することができます。
std::string str = "This is a long string";
str.erase(str.begin() + 5, str.end()); // "This is a long string" -> "This is a "
swap 関数
文字列の内容を入れ替えるには、swap
関数を使用することができます。
std::string str1 = "Hello";
std::string str2 = "World!";
str1.swap(str2); // str1 -> "World!", str2 -> "Hello"
emplace 関数
文字列の特定の位置に文字列を挿入するには、emplace
関数を使用することができます。
std::string str = "This is a string";
str.emplace(str.begin() + 5, "long "); // "This is a string" -> "This is a long string"
これらの方法は、std::basic_string::resize
よりも効率的な場合もあります。
以下は、各方法を選択する際の考慮事項です:
- パフォーマンス:
+=
演算子は通常、resize
よりも効率的です。 - コードの簡潔性:
resize
は、他の方法よりもコードが簡潔になる場合があります。 - 機能:
erase
やemplace
などの関数は、resize
では提供されない機能を提供します。
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