HSTS ヘッダーを設定するその他の方法:Cloudflare、Web アプリケーションフレームワーク
Strict-Transport-Security ヘッダーの概要
仕組み
- サーバーは HSTS ヘッダーをレスポンスに含めます。
- ブラウザは HSTS ヘッダーを受け取ると、一定期間 (max-age) はそのサイトへのアクセスを HTTPS 接続のみ許可します。
- 期間内であれば、ブラウザは URL が HTTP であっても自動的に HTTPS に変換してアクセスします。
利点
- 中間者攻撃 (MITM) を防ぐ
- 通信の安全性を向上させる
- ユーザーのプライバシーを保護する
設定方法
HSTS ヘッダーは、Web サーバーの設定ファイルで設定できます。設定例は以下の通りです。
Strict-Transport-Security: max-age=31536000; includeSubDomains; preload
max-age
: HSTS ポリシーの有効期限 (秒単位)includeSubDomains
: サブドメインにもポリシーを適用するpreload
: HSTS プリロードリストに登録する
HSTS プリロードリストに登録されたサイトは、ブラウザに事前に登録されているため、HSTS ヘッダーがなくても HTTPS 接続でアクセスされます。
注意点
- HSTS ポリシーを設定すると、ユーザーは HTTP でサイトにアクセスできなくなります。
- ポリシーの有効期限が切れた後、ユーザーは再び HTTP でサイトにアクセスできるようになります。
- HSTS ポリシーを誤って設定すると、サイトへのアクセスができなくなる可能性があります。
Strict-Transport-Security ヘッダーは、HTTPS 接続を強制することで、ウェブサイトを中間者攻撃から保護する有効な手段です。設定方法や注意点などを理解した上で、適切に設定することが重要です。
Strict-Transport-Security ヘッダーのサンプルコード
Nginx
server {
listen 443 ssl;
server_name example.com;
ssl_certificate /etc/letsencrypt/live/example.com/fullchain.pem;
ssl_certificate_key /etc/letsencrypt/live/example.com/privkey.pem;
add_header Strict-Transport-Security "max-age=31536000; includeSubDomains; preload";
...
}
Apache
<VirtualHost *:443>
SSLEngine on
SSLCertificateFile /etc/letsencrypt/live/example.com/fullchain.pem
SSLCertificateKeyFile /etc/letsencrypt/live/example.com/privkey.pem
Header add Strict-Transport-Security "max-age=31536000; includeSubDomains; preload"
...
</VirtualHost>
Python (Flask)
from flask import Flask
app = Flask(__name__)
@app.route("/")
def index():
return "Hello, World!"
app.run(ssl_context=("cert.pem", "key.pem"),
headers={"Strict-Transport-Security": "max-age=31536000; includeSubDomains; preload"})
Java (Spring Boot)
@SpringBootApplication
public class Application {
public static void main(String[] args) {
SpringApplication.run(Application.class, args);
}
}
@Configuration
public class SecurityConfig {
@Bean
public WebServerFactoryCustomizer<ConfigurableWebServerFactory> webServerFactoryCustomizer() {
return new WebServerFactoryCustomizer<ConfigurableWebServerFactory>() {
@Override
public void customize(ConfigurableWebServerFactory factory) {
factory.setSslContext(SslUtils.createSslContext("cert.pem", "key.pem"));
factory.addHeaders(new HttpHeaders() {{
set("Strict-Transport-Security", "max-age=31536000; includeSubDomains; preload");
}});
}
};
}
}
Strict-Transport-Security ヘッダーを設定するその他の方法
上記で紹介した方法以外にも、Web サーバーの設定ファイルで HSTS ヘッダーを設定することができます。
- Nginx
server {
listen 443 ssl;
server_name example.com;
ssl_certificate /etc/letsencrypt/live/example.com/fullchain.pem;
ssl_certificate_key /etc/letsencrypt/live/example.com/privkey.pem;
ssl_stapling on;
ssl_stapling_verify on;
add_header Strict-Transport-Security "max-age=31536000; includeSubDomains; preload";
...
}
- Apache
<VirtualHost *:443>
SSLEngine on
SSLCertificateFile /etc/letsencrypt/live/example.com/fullchain.pem
SSLCertificateKeyFile /etc/letsencrypt/live/example.com/privkey.pem
SSLStapling on
SSLStaplingVerify on
Header add Strict-Transport-Security "max-age=31536000; includeSubDomains; preload"
...
</VirtualHost>
Cloudflare を使用している場合は、Cloudflare のダッシュボードから HSTS ヘッダーを設定することができます。
- Cloudflare にログインします。
- 該当するドメインを選択します。
- SSL/TLS タブをクリックします。
- HSTS セクションで Strict Transport Security (HSTS) を 有効 にします。
- 必要に応じて、最大有効期限 や サブドメインを含める などの設定を変更します。
- 変更を保存 をクリックします。
Web アプリケーションフレームワーク
一部の Web アプリケーションフレームワークでは、HSTS ヘッダーを簡単に設定できる機能が提供されています。
- Python (Flask)
from flask import Flask
app = Flask(__name__)
@app.route("/")
def index():
return "Hello, World!"
app.run(ssl_context=("cert.pem", "key.pem"),
headers={"Strict-Transport-Security": "max-age=31536000; includeSubDomains; preload"})
- Java (Spring Boot)
@SpringBootApplication
public class Application {
public static void main(String[] args) {
SpringApplication.run(Application.class, args);
}
}
@Configuration
public class SecurityConfig {
@Bean
public WebServerFactoryCustomizer<ConfigurableWebServerFactory> webServerFactoryCustomizer() {
return new WebServerFactoryCustomizer<ConfigurableWebServerFactory>() {
@Override
public void customize(ConfigurableWebServerFactory factory) {
factory.setSslContext(SslUtils.createSslContext("cert.pem", "key.pem"));
factory.addHeaders(new HttpHeaders() {{
set("Strict-Transport-Security", "max-age=31536000; includeSubDomains; preload");
}});
}
};
}
}
これらの方法のいずれを選択するかは、環境や要件によって異なります。
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