MariaDB トランザクションに関するトラブルシューティング
MariaDB の "START TRANSACTION" の解説
概要:
- 構文:
START TRANSACTION;
- オプション:
START TRANSACTION [ISOLATION LEVEL isolation_level];
isolation_level
は、トランザクションの分離レベルを指定します。デフォルトは READ COMMITTED
です。
-
実行結果:
-
トランザクションが開始されます。
-
その後、発行された SQL ステートメントは、トランザクションの一部として実行されます。
-
トランザクションは、
COMMIT
またはROLLBACK
ステートメントによって終了されます。
例:
START TRANSACTION;
UPDATE users SET name = 'John Doe' WHERE id = 1;
UPDATE orders SET status = 'shipped' WHERE id = 10;
COMMIT;
この例では、2 つの UPDATE
ステートメントがトランザクションの一部として実行されます。どちらのステートメントも成功した場合、トランザクションは COMMIT
ステートメントによってコミットされ、変更がデータベースに永続的に保存されます。いずれかのステートメントが失敗した場合、トランザクションは ROLLBACK
ステートメントによってロールバックされ、変更は取り消されます。
補足:
- MariaDB では、デフォルトでオートコミットモードが有効になっています。オートコミットモードでは、各 SQL ステートメントは自動的にコミットされます。トランザクションを使用するには、オートコミットモードを無効にする必要があります。
- トランザクションは、データベースの整合性を保つために重要です。複数のユーザーが同時にデータベースにアクセスしている場合、トランザクションを使用することで、データの競合を防ぐことができます。
MariaDB の "START TRANSACTION" を使ったサンプルコード
単純なトランザクション
START TRANSACTION;
UPDATE users SET name = 'John Doe' WHERE id = 1;
COMMIT;
エラー処理付きトランザクション
START TRANSACTION;
BEGIN
UPDATE users SET name = 'John Doe' WHERE id = 1;
UPDATE orders SET status = 'shipped' WHERE id = 10;
EXCEPTION
ROLLBACK;
END;
このコードは、users
テーブルと orders
テーブルを同時に更新します。どちらかの更新が失敗した場合、トランザクションはロールバックされ、変更は取り消されます。
分離レベルの指定
START TRANSACTION ISOLATION LEVEL READ COMMITTED;
SELECT * FROM users;
COMMIT;
このコードは、READ COMMITTED
分離レベルでトランザクションを開始します。この分離レベルでは、トランザクション開始後にコミットされた変更のみが見えるようになります。
SAVEPOINT の使用
START TRANSACTION;
SAVEPOINT my_savepoint;
UPDATE users SET name = 'John Doe' WHERE id = 1;
IF some_condition THEN
ROLLBACK TO my_savepoint;
ELSE
COMMIT;
END IF;
このコードは、SAVEPOINT
を使ってトランザクションの中間ポイントを作成します。some_condition
が真の場合、トランザクションは my_savepoint
までロールバックされます。そうでない場合は、トランザクションはコミットされます。
XA トランザクション
START TRANSACTION WITH XA;
...
XA PREPARE my_xa_transaction;
...
XA COMMIT my_xa_transaction;
このコードは、XA トランザクションを開始します。XA トランザクションは、複数のリソースマネージャーにまたがるトランザクションを管理するために使用されます。
MariaDB でトランザクションを開始する他の方法
BEGIN;
...
COMMIT;
BEGIN
キーワードは、START TRANSACTION
と同じようにトランザクションを開始します。
mysql --autocommit=0
...
COMMIT;
--autocommit=0
オプションを指定して MySQL クライアントを起動すると、オートコミットモードが無効になり、トランザクションを使用できるようになります。
プログラミング言語の API:
MariaDB に接続するプログラミング言語の API は、トランザクションを開始するためのメソッドを提供しています。
例:
- Python の
mysqlclient
ライブラリ:
import mysqlclient
connection = mysqlclient.connect(...)
cursor = connection.cursor()
cursor.execute("START TRANSACTION")
...
cursor.execute("COMMIT")
- Java の
com.mysql.jdbc
ドライバー:
import java.sql.Connection;
import java.sql.DriverManager;
import java.sql.Statement;
Connection connection = DriverManager.getConnection(...);
Statement statement = connection.createStatement();
statement.execute("START TRANSACTION");
...
statement.execute("COMMIT");
MariaDB でトランザクションを開始するには、START TRANSACTION
ステートメント、BEGIN
キーワード、--autocommit=0
オプション、またはプログラミング言語の API を使用できます。
どの方法を使用するかは、開発環境や要件によって異なります。
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