NumPy C-API: 演算結果のデータ型を決定する PyArray_ResultType() 関数
NumPy C-API: PyArray_ResultType() 関数の詳細解説
PyArray_ResultType()
は、NumPy C-API の重要な関数の一つであり、2つの入力データ型に基づいて、最適な出力データ型を計算します。これは、演算や関数呼び出しの結果として生成されるデータ型を決定する際に使用されます。
機能
この関数は、以下の情報を考慮して出力データ型を決定します。
- 入力データ型1 (
type1
) - オプションの型 (
mintype
) - 演算の種類 (
op
)
入力データ型
type1
と type2
は、NumPy のデータ型オブジェクト (PyArray_Descr
) です。これらのオブジェクトは、データ型に関する情報 (サイズ、バイトオーダー、符号など) を格納します。
オプションの型
mintype
は、出力データ型が少なくともこの型である必要があることを指定するオプションの引数です。これは、データ型変換の精度を制御するために使用できます。
演算の種類
op
は、演算の種類を表す整数です。以下の値が使用可能です。
NPY_MAX
:最大値NPY_MIN
:最小値NPY_SUM
:合計NPY_PRODUCT
:積NPY_AND
:論理積NPY_OR
:論理和NPY_XOR
:排他的論理和
出力データ型
PyArray_ResultType()
は、上記の情報を考慮して、最適な出力データ型を計算します。出力データ型は、入力データ型と同じ型、またはそれらの共通の祖先型となります。
例
以下の例は、PyArray_ResultType()
関数の使用方法を示しています。
#include <numpy/arrayobject.h>
int main() {
PyArray_Descr *type1 = PyArray_DescrFromType(NPY_INT32);
PyArray_Descr *type2 = PyArray_DescrFromType(NPY_FLOAT64);
// 加算の結果は float64 型
PyArray_Descr *result_type = PyArray_ResultType(type1, type2, NPY_SUM);
if (result_type == NULL) {
// エラー処理
}
// 最小値は int32 型
PyArray_Descr *min_type = PyArray_ResultType(type1, type2, NPY_MIN, NPY_INT32);
if (min_type == NULL) {
// エラー処理
}
PyArray_Descr_DECREF(type1);
PyArray_Descr_DECREF(type2);
PyArray_Descr_DECREF(result_type);
PyArray_Descr_DECREF(min_type);
return 0;
}
補足
PyArray_ResultType()
は、NumPy 1.7 以降で使用可能です。- 出力データ型は、入力データ型のバイトオーダーと同じバイトオーダーになります。
- 浮動小数点数の演算結果は、常に
NPY_FLOAT64
型になります。
NumPy C-API は、NumPy の機能を C 言語から利用するための API です。PyArray_ResultType()
は、C-API の重要な関数の一つであり、演算や関数呼び出しの結果として生成されるデータ型を決定する際に使用されます。
NumPy C-API: PyArray_ResultType() 関数のサンプルコード
基本的な使用例
#include <numpy/arrayobject.h>
int main() {
// データ型の定義
PyArray_Descr *type1 = PyArray_DescrFromType(NPY_INT32);
PyArray_Descr *type2 = PyArray_DescrFromType(NPY_FLOAT64);
// 加算の結果
PyArray_Descr *result_type = PyArray_ResultType(type1, type2, NPY_SUM);
if (result_type == NULL) {
// エラー処理
}
// 最小値
PyArray_Descr *min_type = PyArray_ResultType(type1, type2, NPY_MIN, NPY_INT32);
if (min_type == NULL) {
// エラー処理
}
// 型情報の解放
PyArray_Descr_DECREF(type1);
PyArray_Descr_DECREF(type2);
PyArray_Descr_DECREF(result_type);
PyArray_Descr_DECREF(min_type);
return 0;
}
型変換の例
#include <numpy/arrayobject.h>
int main() {
// データ型の定義
PyArray_Descr *type1 = PyArray_DescrFromType(NPY_INT8);
PyArray_Descr *type2 = PyArray_DescrFromType(NPY_UINT16);
// 型変換の結果
PyArray_Descr *result_type = PyArray_ResultType(type1, type2, NPY_SUM);
if (result_type == NULL) {
// エラー処理
}
// 出力データ型は uint16 型
if (PyArray_EquivTypes(result_type, PyArray_DescrFromType(NPY_UINT16)) != 1) {
// エラー処理
}
// 型情報の解放
PyArray_Descr_DECREF(type1);
PyArray_Descr_DECREF(type2);
PyArray_Descr_DECREF(result_type);
return 0;
}
オプション型 mintype の使用例
#include <numpy/arrayobject.h>
int main() {
// データ型の定義
PyArray_Descr *type1 = PyArray_DescrFromType(NPY_INT8);
PyArray_Descr *type2 = PyArray_DescrFromType(NPY_UINT8);
// 最小値 (型変換あり)
PyArray_Descr *min_type = PyArray_ResultType(type1, type2, NPY_MIN, NPY_INT16);
if (min_type == NULL) {
NumPy C-API: 演算結果のデータ型を決定するその他の方法
PyArray_PromoteTypes()
関数は、2つの入力データ型に基づいて、最も一般的な出力データ型を計算します。これは、PyArray_ResultType()
関数よりも保守的な方法であり、常に同じ型を出力します。
#include <numpy/arrayobject.h>
int main() {
// データ型の定義
PyArray_Descr *type1 = PyArray_DescrFromType(NPY_INT32);
PyArray_Descr *type2 = PyArray_DescrFromType(NPY_FLOAT64);
// 最も一般的な出力データ型
PyArray_Descr *promoted_type = PyArray_PromoteTypes(type1, type2);
if (promoted_type == NULL) {
// エラー処理
}
// 出力データ型は float64 型
if (PyArray_EquivTypes(promoted_type, PyArray_DescrFromType(NPY_FLOAT64)) != 1) {
// エラー処理
}
// 型情報の解放
PyArray_Descr_DECREF(type1);
PyArray_Descr_DECREF(type2);
PyArray_Descr_DECREF(promoted_type);
return 0;
}
手動でデータ型を指定する
演算結果のデータ型を事前にわかっている場合は、手動で指定することもできます。
#include <numpy/arrayobject.h>
int main() {
// データ型の定義
PyArray_Descr *type1 = PyArray_DescrFromType(NPY_INT32);
PyArray_Descr *type2 = PyArray_DescrFromType(NPY_FLOAT64);
// 出力データ型を float64 型に手動で指定
PyArray_Descr *result_type = PyArray_DescrNewFromType(NPY_FLOAT64);
// ...
// 型情報の解放
PyArray_Descr_DECREF(type1);
PyArray_Descr_DECREF(type2);
PyArray_
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