NumPy einsum サンプルコード集:行列積、転置、ベクトルの内積など

2024-04-02

NumPyの線形代数におけるnumpy.einsum()

Einsum記法の理解

numpy.einsum()を使う前に、アインシュタインの縮約記法を理解する必要があります。

  • テンソルは添字を使って表現されます。
  • 同じ添字を持つ要素同士を足し合わせます。
  • 和を取る添字は省略できます。

例:

import numpy as np

# 行列AとBの行列積
A = np.array([[1, 2], [3, 4]])
B = np.array([[5, 6], [7, 8]])

# einsum記法
C = np.einsum("ij,jk->ik", A, B)

# 従来の記述
C = np.matmul(A, B)

print(C)

出力:

[[19 22]
 [43 50]]

上記の例では、ij,jk->ikというeinsum式が以下の意味を表します。

  • ijはAとBの共通する添字で、和を取る
  • kはBのみに存在する添字
  • ikはCに残る添字

einsum()の使い方

numpy.einsum()は以下の形式で呼び出します。

np.einsum(einsum_string, *operands)
  • einsum_string: 演算を表すeinsum式
  • *operands: 演算対象となるテンソル

einsum()の利点

  • 従来の記述よりも簡潔で分かりやすいコード
  • 複数のテンソルの演算をまとめて記述できる
  • 計算速度の高速化

einsum()の注意点

  • 複雑な演算になると、einsum式が分かりにくくなる
  • 誤ったeinsum式はエラーとなる

NumPyのnumpy.einsum()は、線形代数における様々な操作を簡潔かつ効率的に記述できる強力なツールです。einsum記法を理解し、numpy.einsum()を使いこなすことで、NumPyによる線形代数計算をより高度に活用できます。



NumPy einsum サンプルコード集

行列積

import numpy as np

A = np.array([[1, 2], [3, 4]])
B = np.array([[5, 6], [7, 8]])

# 行列積
C = np.einsum("ij,jk->ik", A, B)

print(C)

転置

A = np.array([[1, 2], [3, 4]])

# 転置
B = np.einsum("ij->ji", A)

print(B)

トレース

A = np.array([[1, 2], [3, 4]])

# トレース
trace = np.einsum("ii->", A)

print(trace)

ベクトルの内積

a = np.array([1, 2, 3])
b = np.array([4, 5, 6])

# 内積
dot = np.einsum("i,i->", a, b)

print(dot)

テンソルの縮約

A = np.array([[1, 2], [3, 4]])
B = np.array([5, 6])

# テンソルの縮約
C = np.einsum("ij,j->i", A, B)

print(C)

その他の演算

  • 外積: np.einsum("ij,jk->ikl", A, B)
  • 行列式: np.einsum("...ii->...", A)
  • 逆行列: np.einsum("ij,jk->ik", A, np.linalg.inv(B))

応用

  • フーリエ変換
  • 統計分析
  • 機械学習

高度なeinsum

  • 省略記号
  • 制御フロー
  • 拡張機能

詳細はNumPy公式ドキュメントを参照: https://numpy.org/doc/stable/reference/generated/numpy.einsum.html

学習リソース

NumPy einsumは、線形代数だけでなく、様々な分野で利用できる強力なツールです。サンプルコードを参考に、einsumを使いこなしてNumPyの機能を最大限に活用しましょう。



NumPy einsum 以外の方法

  • 速度が重要な場合
  • 初心者にとって使いにくい

他の方法の例

  • 従来の記述方法: forループや内包表記を用いて、テンソルの要素を直接操作する方法
  • NumPyの線形代数モジュール: np.matmul()np.dot()np.linalg.inv()などの関数
  • テンソルライブラリ: TensorFlow、PyTorchなどのライブラリ

それぞれの方法の比較

方法利点欠点
einsum簡潔複雑な式は分かりにくい
従来の記述分かりやすい冗長
NumPy線形代数モジュール高速einsumより冗長
テンソルライブラリ高機能学習コストが高い

具体的な例

行列積

# einsum
A = np.array([[1, 2], [3, 4]])
B = np.array([[5, 6], [7, 8]])
C = np.einsum("ij,jk->ik", A, B)

# 従来の記述
C = np.zeros((2, 2))
for i in range(2):
  for j in range(2):
    for k in range(2):
      C[i, j] += A[i, k] * B[k, j]

# NumPy線形代数モジュール
C = np.matmul(A, B)

転置

# einsum
A = np.array([[1, 2], [3, 4]])
B = np.einsum("ij->ji", A)

# 従来の記述
B = np.zeros((2, 2))
for i in range(2):
  for j in range(2):
    B[j, i] = A[i, j]

# NumPy線形代数モジュール
B = A.T

NumPy einsumは強力なツールですが、状況に応じて他の方法も検討しましょう。それぞれの方法の利点と欠点を理解し、最適な方法を選択することが重要です。




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