PDOStatement::nextRowset以外の方法
PDOStatement::nextRowset 解説
PDOStatement::nextRowset
は、複数の結果セットを返す SQL クエリを実行する際に、次の結果セットに移動するためのメソッドです。これは、ストアドプロシージャなど、複数の結果セットを返すことができるデータベース操作で特に役立ちます。
仕組み
PDOStatement::nextRowset
を呼び出すと、現在の結果セットを処理し、次の結果セットが存在するかどうかを確認します。次の結果セットが存在する場合は、その結果セットの最初の行にカーソルを移動します。次の結果セットが存在しない場合は、FALSE
を返します。
例
<?php
$pdo = new PDO('mysql:host=localhost;dbname=test', 'root', '');
$sql = "CALL my_procedure();";
$stmt = $pdo->query($sql);
// 最初の結果セットを取得
$rows1 = $stmt->fetchAll();
// 次の結果セットに移動
$stmt->nextRowset();
// 2番目の結果セットを取得
$rows2 = $stmt->fetchAll();
// ...
?>
上記の例では、my_procedure
というストアドプロシージャが呼び出され、2つの結果セットが返されます。最初の結果セットは $rows1
に格納され、2番目の結果セットは $rows2
に格納されます。
注意点
PDOStatement::nextRowset
は、すべての PDO ドライバーでサポートされているわけではありません。使用前に、使用しているドライバーがPDOStatement::nextRowset
をサポートしているかどうかを確認してください。PDOStatement::nextRowset
を呼び出す前に、現在の結果セットを処理し終えている必要があります。処理が完了していない状態でPDOStatement::nextRowset
を呼び出すと、予期しない動作が発生する可能性があります。
PDOStatement::nextRowset
は、複雑な操作です。使用前に、上記の注意点や参考資料をよく理解することをおすすめします。- 複数の結果セットを処理する必要がある場合は、
PDOStatement::nextRowset
以外にも、PDO::FETCH_ASSOC
やPDO::FETCH_NUM
などのフェッチモードを使用する方法もあります。
PDOStatement::nextRowset サンプルコード
複数の結果セットを返すストアドプロシージャ
<?php
$pdo = new PDO('mysql:host=localhost;dbname=test', 'root', '');
$sql = "CALL my_procedure();";
$stmt = $pdo->query($sql);
// 最初の結果セットを取得
while ($row = $stmt->fetch()) {
// ...
}
// 次の結果セットに移動
$stmt->nextRowset();
// 2番目の結果セットを取得
while ($row = $stmt->fetch()) {
// ...
}
?>
結果セットの種類を判定する
<?php
$pdo = new PDO('mysql:host=localhost;dbname=test', 'root', '');
$sql = "SELECT * FROM users;
CALL my_procedure();";
$stmt = $pdo->query($sql);
do {
// 結果セットの種類を取得
$resultSetType = $stmt->fetchColumn(PDO::FETCH_COLUMN_TYPE, 0);
switch ($resultSetType) {
case PDO::FETCH_ASSOC:
// 結果セットが連想配列の場合
while ($row = $stmt->fetch()) {
// ...
}
break;
case PDO::FETCH_NUM:
// 結果セットが数値配列の場合
while ($row = $stmt->fetch()) {
// ...
}
break;
default:
// その他の場合
// ...
}
// 次の結果セットに移動
} while ($stmt->nextRowset());
?>
この例では、SELECT
クエリとストアドプロシージャが1つのクエリとして実行されます。fetchColumn
メソッドを使用して、結果セットの種類を判定し、結果セットの種類に応じて処理を分岐します。
エラー処理
<?php
$pdo = new PDO('mysql:host=localhost;dbname=test', 'root', '');
$sql = "CALL my_procedure();";
try {
$stmt = $pdo->query($sql);
// 最初の結果セットを取得
while ($row = $stmt->fetch()) {
// ...
}
// 次の結果セットに移動
$stmt->nextRowset();
// 2番目の結果セットを取得
while ($row = $stmt->fetch()) {
// ...
}
} catch (PDOException $e) {
// エラー処理
echo $e->getMessage();
}
?>
この例では、try-catch
ブロックを使用して、PDOStatement::nextRowset
メソッド実行時のエラーを処理します。
上記のサンプルコードはあくまでも参考です。実際のコードは、要件に合わせて変更する必要があります。
PDOStatement::nextRowset 以外の方法
複数のクエリを実行する
<?php
$pdo = new PDO('mysql:host=localhost;dbname=test', 'root', '');
// 最初の結果セットを取得
$stmt1 = $pdo->query('SELECT * FROM users;');
$rows1 = $stmt1->fetchAll();
// 2番目の結果セットを取得
$stmt2 = $pdo->query('CALL my_procedure();');
$rows2 = $stmt2->fetchAll();
// ...
?>
この方法は、最もシンプルですが、複数のクエリを実行する必要があるため、処理が重くなります。
PDO::FETCH_BOTH を使用する
<?php
$pdo = new PDO('mysql:host=localhost;dbname=test', 'root', '');
$sql = "SELECT * FROM users;
CALL my_procedure();";
$stmt = $pdo->query($sql);
$stmt->setFetchMode(PDO::FETCH_BOTH);
while ($row = $stmt->fetch()) {
// 結果セットの種類を判定
if ($row[0] === NULL) {
// 2番目の結果セット
// ...
} else {
// 最初の結果セット
// ...
}
}
?>
この方法は、PDO::FETCH_BOTH
フェッチモードを使用することで、1つのループで複数の結果セットを処理することができます。ただし、結果セットの種類を判定する処理が必要になります。
PDO::FETCH_OBJ を使用する
<?php
$pdo = new PDO('mysql:host=localhost;dbname=test', 'root', '');
$sql = "SELECT * FROM users;
CALL my_procedure();";
$stmt = $pdo->query($sql);
$stmt->setFetchMode(PDO::FETCH_OBJ);
while ($row = $stmt->fetch()) {
// 結果セットの種類を判定
if ($row->id === NULL) {
// 2番目の結果セット
// ...
} else {
// 最初の結果セット
// ...
}
}
?>
この方法は、PDO::FETCH_OBJ
フェッチモードを使用することで、オブジェクトとして結果セットを取得することができます。オブジェクトのプロパティ名を使用して、結果セットの種類を判定することができます。
自作のクラスを使用する
<?php
class ResultSet {
private $pdo;
private $stmt;
private $resultSetType;
public function __construct(PDO $pdo, PDOStatement $stmt) {
$this->pdo = $pdo;
$this->stmt = $stmt;
$this->resultSetType = $stmt->fetchColumn(PDO::FETCH_COLUMN_TYPE, 0);
}
public function fetch() {
switch ($this->resultSetType) {
case PDO::FETCH_ASSOC:
return $this->stmt->fetch();
case PDO::FETCH_NUM:
return $this->stmt->fetch();
default:
return null;
}
}
public function nextRowset() {
if ($this->stmt->nextRowset()) {
$this->resultSetType = $this->stmt->fetchColumn(PDO::FETCH_COLUMN_TYPE, 0);
return true;
} else {
return false;
}
}
}
?>
この方法は、自作のクラスを使用して、複数の結果セットを処理することができます。
上記の方法はあくまでも参考です。実際のコードは、要件に合わせて変更する必要があります。
PDOStatement::nextRowset
は、複数の結果セットを処理する便利なメソッドですが、いくつかの制限があります。上記の他の方法を理解することで、より柔軟に複数の結果セットを処理することができます。
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