パフォーマンス向上:PyTorch Dataset と DataLoader でデータローディングを最適化する
PyTorchのDatasetとDataLoader:torch.utils.data解説
Datasetは、データセットを表す抽象クラスです。データセットは、画像、テキスト、音声など、機械学習モデルの学習に使用できるデータのコレクションです。Datasetクラスは、データセットを読み込み、処理するための基本的なインターフェースを提供します。
DataLoaderは、Datasetからデータを効率的に読み込むためのクラスです。DataLoaderは、データセットをバッチに分割し、マルチスレッド処理をサポートし、データのシャッフルやサンプリングを行うことができます。
Datasetクラスは、以下の2つのメソッドを実装する必要があります。
- len:データセット内のデータの数を返すメソッド
- getitem:インデックスを受け取り、そのインデックスのデータポイントを返すメソッド
class MyDataset(torch.utils.data.Dataset):
def __init__(self):
# データセットの読み込み
...
def __len__(self):
# データセット内のデータの数を返す
return len(self.data)
def __getitem__(self, idx):
# インデックスを受け取り、そのインデックスのデータポイントを返す
return self.data[idx]
DataLoaderクラスは、Datasetクラスを受け取り、データセットを効率的に読み込むためのイテレータを提供します。
dataset = MyDataset()
# DataLoaderの作成
dataloader = torch.utils.data.DataLoader(
dataset,
batch_size=16,
shuffle=True,
num_workers=4
)
# DataLoaderをイテレート
for batch in dataloader:
# バッチ処理
...
PyTorchのtorch.utils.data
モジュールは、データセットの読み込みと処理を効率的に行うためのツールを提供します。DatasetクラスとDataLoaderクラスを理解することで、PyTorchで効率的に機械学習モデルを学習することができます。
PyTorch Dataset と DataLoader サンプルコード
MNIST データセット
import torch
from torchvision import datasets, transforms
# MNIST データセットの読み込み
train_dataset = datasets.MNIST(
root='./data',
train=True,
download=True,
transform=transforms.ToTensor()
)
test_dataset = datasets.MNIST(
root='./data',
train=False,
download=True,
transform=transforms.ToTensor()
)
# DataLoaderの作成
train_dataloader = torch.utils.data.DataLoader(
train_dataset,
batch_size=64,
shuffle=True
)
test_dataloader = torch.utils.data.DataLoader(
test_dataset,
batch_size=64,
shuffle=False
)
# モデルの定義
model = torch.nn.Sequential(
torch.nn.Flatten(),
torch.nn.Linear(784, 128),
torch.nn.ReLU(),
torch.nn.Linear(128, 10),
torch.nn.LogSoftmax(dim=1)
)
# 損失関数の定義
criterion = torch.nn.CrossEntropyLoss()
# オプティマイザの定義
optimizer = torch.optim.SGD(model.parameters(), lr=0.01)
# 学習
for epoch in range(10):
for batch in train_dataloader:
# データの取得
images, labels = batch
# 予測
outputs = model(images)
# 損失の計算
loss = criterion(outputs, labels)
# オプティマイザによる更新
optimizer.zero_grad()
loss.backward()
optimizer.step()
# 評価
with torch.no_grad():
correct = 0
total = 0
for batch in test_dataloader:
images, labels = batch
outputs = model(images)
_, predicted = torch.max(outputs.data, 1)
total += labels.size(0)
correct += (predicted == labels).sum().item()
print(f'Accuracy: {100 * correct / total:.2f}%')
画像データセット
このサンプルコードでは、画像データセットを読み込み、DataLoader を使用してバッチ処理を行います。
import torch
from torchvision import datasets, transforms
# 画像データセットの読み込み
dataset = datasets.ImageFolder(
root='./data',
transform=transforms.Compose([
transforms.Resize((256, 256)),
transforms.ToTensor()
])
)
# DataLoaderの作成
dataloader = torch.utils.data.DataLoader(
dataset,
batch_size=32,
shuffle=True
)
# モデルの定義
model = torch.nn.Sequential(
torch.nn.Conv2d(3, 64, kernel_size=3, padding=1),
torch.nn.ReLU(),
torch.nn.MaxPool2d(2, stride=2),
torch.nn.Conv2d(64, 128, kernel_size=3, padding=1),
torch.nn.ReLU(),
torch.nn.MaxPool2d(2, stride=2),
torch.nn.Flatten(),
torch.nn.Linear(128 * 64 * 64, 10),
torch.nn.LogSoftmax(dim=1)
)
# 損失関数の定義
criterion = torch.nn.CrossEntropyLoss()
# オプティマイザの定義
optimizer = torch.optim.SGD(model.parameters(), lr=0.01)
# 学習
for epoch in range(10):
for batch in dataloader:
# データの取得
images, labels = batch
# 予測
outputs = model(images)
# 損失の計算
loss = criterion(outputs, labels)
# オプティマイザによる更新
optimizer.zero_grad()
loss.backward()
optimizer.step()
# 評価
with torch.no_grad():
correct = 0
total = 0
for batch in
PyTorch Dataset と DataLoader のその他の方法
サンプリング
- ランダムサンプリング:
shuffle=True
を設定すると、データがランダムにサンプリングされます。 - 順序サンプリング:
shuffle=False
を設定すると、データが順序通りにサンプリングされます。 - ウェイト付きサンプリング:
sampler
オプションを使用して、データポイントに重みを割り当てることができます。
マルチスレッド処理
DataLoader は、マルチスレッド処理を使用してデータの読み込みを高速化することができます。
num_workers
オプションを使用して、データを読み込むためのワーカーの数
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