Qt WidgetsにおけるQDoubleSpinBox::decimals解説
Qt WidgetsにおけるQDoubleSpinBox::decimals解説
QDoubleSpinBox
は、Qt Widgets モジュールで提供される、浮動小数点数の値を入力するためのスピンボックスウィジェットです。 decimals
プロパティは、スピンボックスで表示される小数点以下の桁数を制御します。
設定方法
decimals
プロパティは、以下の方法で設定できます。
- コードによる設定
QDoubleSpinBox spinBox;
// 小数点以下の桁数を2桁に設定
spinBox.setDecimals(2);
// 現在の小数点以下の桁数を取得
int decimals = spinBox.decimals();
- Qt Designerによる設定
Qt Designer で QDoubleSpinBox
ウィジェットを選択し、プロパティエディタの decimals
プロパティで値を設定できます。
値の範囲
decimals
プロパティは、0からスピンボックスの最大値までの範囲で設定できます。デフォルト値は0です。
小数点以下の桁数の影響
decimals
プロパティを設定すると、以下の影響があります。
- スピンボックスに表示される値
スピンボックスに表示される値は、設定された小数点以下の桁数で丸められます。
- value() メソッドによる値の取得
value()
メソッドで取得される値は、設定された小数点以下の桁数で丸められます。
- setValue() メソッドによる値の設定
setValue()
メソッドで設定する値は、設定された小数点以下の桁数で丸められます。
例
以下の例は、decimals
プロパティを設定して、小数点以下の桁数を2桁に制限するコードです。
QDoubleSpinBox spinBox;
// 小数点以下の桁数を2桁に設定
spinBox.setDecimals(2);
// 値を1.2345に設定
spinBox.setValue(1.2345);
// スピンボックスに表示される値は1.23
qDebug() << spinBox.value();
補足
decimals
プロパティは、minimum
プロパティとmaximum
プロパティの影響を受けます。decimals
プロパティを設定しても、スピンボックスに入力できる値の範囲は変わりません。
QDoubleSpinBox::decimalsを使用したサンプルコード
QDoubleSpinBox spinBox;
// 小数点以下の桁数を2桁に設定
spinBox.setDecimals(2);
// 値を1.2345に設定
spinBox.setValue(1.2345);
// スピンボックスに表示される値は1.23
qDebug() << spinBox.value();
スピンボックスに入力できる値の範囲を0から100までの範囲で、小数点以下の桁数を2桁に制限する
QDoubleSpinBox spinBox;
// スピンボックスの最小値を0に設定
spinBox.setMinimum(0.0);
// スピンボックスの最大値を100に設定
spinBox.setMaximum(100.0);
// 小数点以下の桁数を2桁に設定
spinBox.setDecimals(2);
// 値を50.12345に設定
spinBox.setValue(50.12345);
// スピンボックスに表示される値は50.12
qDebug() << spinBox.value();
スピンボックスに入力できる値の範囲を0から100までの範囲で、小数点以下の桁数を1桁に制限する
QDoubleSpinBox spinBox;
// スピンボックスの最小値を0に設定
spinBox.setMinimum(0.0);
// スピンボックスの最大値を100に設定
spinBox.setMaximum(100.0);
// 小数点以下の桁数を1桁に設定
spinBox.setDecimals(1);
// 値を50.12345に設定
spinBox.setValue(50.12345);
// スピンボックスに表示される値は50.1
qDebug() << spinBox.value();
スピンボックスに入力できる値を整数に制限する
QDoubleSpinBox spinBox;
// スピンボックスの最小値を0に設定
spinBox.setMinimum(0.0);
// スピンボックスの最大値を100に設定
spinBox.setMaximum(100.0);
// 小数点以下の桁数を0に設定
spinBox.setDecimals(0);
// 値を50.12345に設定
spinBox.setValue(50.12345);
// スピンボックスに表示される値は50
qDebug() << spinBox.value();
スピンボックスに入力できる値を0から100までの範囲で、小数点以下の桁数をユーザーが入力できるようにする
QDoubleSpinBox spinBox;
// スピンボックスの最小値を0に設定
spinBox.setMinimum(0.0);
// スピンボックスの最大値を100に設定
spinBox.setMaximum(100.0);
// 小数点以下の桁数をユーザーが入力できるように設定
spinBox.setDecimals(-1);
// 値を50.12345に設定
spinBox.setValue(50.12345);
// スピンボックスに表示される値は50.12345
qDebug() << spinBox.value();
スピンボックスの値が変化したときにスロットを実行する
QDoubleSpinBox spinBox;
// スピンボックスの値が変化したときに呼び出されるスロット
void onValueChanged(double value)
{
// スピンボックスの現在の値を出力
qDebug() << value;
}
// スピンボックスの値が変化したときにonValueChanged()スロットを実行
QObject::connect(&spinBox, &QDoubleSpinBox::valueChanged, onValueChanged);
// 値を50.12345に設定
spinBox.setValue(50.12345);
これらのサンプルコードは、QDoubleSpinBox::decimals
プロパティの使い方を理解するのに役立ちます。
QDoubleSpinBox::decimals 以外の方法
QDoubleValidator
クラスを使用して、スピンボックスに入力できる値を制限することができます。
QDoubleSpinBox spinBox;
// 小数点以下の桁数を2桁に制限するバリデータを作成
QDoubleValidator validator(0, 100, 2);
// スピンボックスにバリデータを設定
spinBox.setValidator(&validator);
// 値を1.2345に設定
spinBox.setValue(1.2345);
// スピンボックスに表示される値は1.23
qDebug() << spinBox.value();
QLineEdit を使用する
QLineEdit
ウィジェットを使用して、浮動小数点数の値を入力することができます。
QLineEdit lineEdit;
// 入力できる値を0から100までの範囲で、小数点以下の桁数を2桁に制限
lineEdit.setValidator(new QDoubleValidator(0, 100, 2));
// 値を1.2345に設定
lineEdit.setText("1.2345");
// 入力された値を取得
QString text = lineEdit.text();
// 値をdouble型に変換
double value = text.toDouble();
// 値を出力
qDebug() << value;
自身のコードで検証を行う
QDoubleSpinBox::valueChanged()
シグナルを使用して、スピンボックスの値が変化したことを検知し、自身のコードで検証を行うことができます。
QDoubleSpinBox spinBox;
void onValueChanged(double value)
{
// 値が有効かどうかを検証
if (value < 0 || value > 100) {
// 無効な値の場合はスピンボックスの値を元に戻す
spinBox.setValue(m_previousValue);
return;
}
// 有効な値の場合はm_previousValueを更新
m_previousValue = value;
}
// スピンボックスの値が変化したときにonValueChanged()スロットを実行
QObject::connect(&spinBox, &QDoubleSpinBox::valueChanged, onValueChanged);
// 値を50.12345に設定
spinBox.setValue(50.12345);
これらの方法は、QDoubleSpinBox::decimals
プロパティを使用するよりも柔軟な方法で、スピンボックスに入力できる値を制限することができます。
マルチタッチアプリケーションにおける QPointingDeviceUniqueId クラス
QPointingDeviceUniqueId クラスは、以下の機能を提供します。デバイスの識別: 異なるポインティングデバイスを区別するために使用できます。デバイスの一意性の保証: 同じデバイスに対して常に同じ ID を返します。デバイスの追跡: デバイスが接続または切断されたときを追跡できます。
QOpenGLExtraFunctions::glGetActiveUniformBlockiv()の使い方
QOpenGLExtraFunctionsは、Qt GUIにおけるOpenGL機能拡張を提供するクラスです。glGetActiveUniformBlockiv()は、このクラスが提供する関数の一つで、シェーダープログラム中のアクティブなユニフォームブロックに関する情報を取得するために使用されます。
Qt GUIでQPdfWriter::setTitle()を使ってPDFファイルのタイトルと作成者を設定する方法
QPdfWriter::setTitle()は、Qt GUIでPDFファイルを作成する際に、ドキュメントのタイトルを設定するための関数です。タイトルは、PDFファイルのプロパティやメタデータとして表示されます。使い方QPdfWriter::setTitle()関数は、以下の形式で使用します。
Qt GUI 開発者のためのヒント:行列操作に役立つ QGenericMatrix::data() 関数
QGenericMatrix::data() 関数は、Qt GUI ライブラリで提供されるテンプレートクラス QGenericMatrix に属するメンバー関数であり、行列の要素への直接アクセスを提供します。この関数は、行列の要素を個別に操作したり、他のデータ構造とやり取りしたりする際に役立ちます。
QEventPoint::uniqueId の使用方法
QEventPoint::uniqueId の仕組みQEventPoint::uniqueId は、QPointingDeviceUniqueId という構造体で表されます。この構造体は、以下の2つの要素で構成されます。システムID: オペレーティングシステムによって割り当てられるデバイス固有のID
QPixmap::transformed() 関数で画像を回転させる
QPixmap::transformed() 関数は、Qt GUI ライブラリにおいて、QPixmap オブジェクト (画像データ) に対して様々な変換を適用し、その結果を新しい QPixmap オブジェクトとして返す機能を提供します。画像の回転、拡大縮小、移動などの操作を簡潔かつ効率的に実現できます。
Qt WidgetsにおけるQWidget::releaseShortcut()徹底解説
QWidget::releaseShortcut()関数は、ウィジェットが使用しているショートカットキーを解放します。これは、ウィジェットが破棄されたり、もうショートカットキーを使用しなくなった場合に必要です。使用例引数この関数は引数を取らず、現在のウィジェットが使用しているすべてのショートカットキーを解放します。
QAbstractScrollArea::resizeEvent()でスクロールエリア内のウィジェットのサイズ変更イベントを処理する方法
QAbstractScrollArea::resizeEvent()は、スクロールエリアのサイズ変更イベントを処理する仮想関数です。この関数は、スクロールエリアのサイズが変更されたときに呼び出され、必要に応じてスクロールバーやコンテンツのレイアウトを更新します。
Qt GUI プログラミング: QAction::~QAction() デストラクタの詳細解説
概要QAction::~QAction() は、Qt GUIにおける QAction クラスのデストラクタです。このデストラクタは、QAction オブジェクトが破棄されるときに自動的に呼び出され、オブジェクトに関連するすべてのリソースを解放します。
QEventPoint::uniqueId の使用方法
QEventPoint::uniqueId の仕組みQEventPoint::uniqueId は、QPointingDeviceUniqueId という構造体で表されます。この構造体は、以下の2つの要素で構成されます。システムID: オペレーティングシステムによって割り当てられるデバイス固有のID