QGraphicsItem::setTransform()、QGraphicsItem::scale()、QGraphicsItem::setScale():それぞれの違いと使い分け

2024-04-09

Qt WidgetsにおけるQGraphicsScale::origin解説

原点のデフォルト値

デフォルトでは、原点はアイテムの左上隅になります。しかし、originプロパティを使用することで、原点を任意の座標に変更することができます。

原点を変更するメリット

原点を変更することで、以下のようなメリットがあります。

  • アイテムを特定の点を中心にスケーリングすることができます。
  • アイテムを回転させた後にスケーリングする場合、原点を調整することで、意図した通りの結果を得ることができます。
  • アイテムの一部のみを拡大・縮小したい場合、原点を調整することで、拡大・縮小したい部分を中心に操作することができます。

originプロパティは、QPointF型で設定します。QPointF型の引数には、原点となる座標のx座標とy座標を指定します。

// アイテムの原点を(100, 100)に設定
QGraphicsScale *scale = new QGraphicsScale();
scale->setOrigin(QPointF(100, 100));

// アイテムをスケーリング
scale->scale(2, 2);

// アイテムをシーンに追加
scene->addItem(scale);

以下のサンプルコードは、QGraphicsScale::originプロパティを使用して、アイテムを原点を中心に2倍に拡大する例です。

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QGraphicsView>
#include <QtWidgets/QGraphicsScene>
#include <QtWidgets/QGraphicsItem>
#include <QtWidgets/QGraphicsScale>

int main(int argc, char *argv[])
{
  QApplication app(argc, argv);

  // シーンを作成
  QGraphicsScene scene;

  // アイテムを作成
  QGraphicsRectItem *item = new QGraphicsRectItem();
  item->setRect(0, 0, 100, 100);

  // アイテムをシーンに追加
  scene->addItem(item);

  // スケールを作成
  QGraphicsScale *scale = new QGraphicsScale();

  // 原点をアイテムの中心に設定
  scale->setOrigin(item->boundingRect().center());

  // アイテムを2倍に拡大
  scale->scale(2, 2);

  // アイテムをシーンに追加
  scene->addItem(scale);

  // ビューを作成
  QGraphicsView view(&scene);
  view.show();

  return app.exec();
}

このコードを実行すると、アイテムが原点を中心に2倍に拡大された状態で表示されます。

その他

QGraphicsScale::originプロパティは、グラフィックアイテムを柔軟にスケーリングするために非常に便利な機能です。原点を調整することで、さまざまなスケーリング効果を実現することができます。



Qt WidgetsにおけるQGraphicsScale::originプロパティのサンプルコード

アイテムを原点を中心に拡大・縮小する

// アイテムを原点を中心に2倍に拡大
scale->scale(2, 2);

// アイテムを原点を中心に半分に縮小
scale->scale(0.5, 0.5);

アイテムを特定の点を中心に拡大・縮小する

// アイテムを(100, 100)を中心に2倍に拡大
scale->setOrigin(QPointF(100, 100));
scale->scale(2, 2);

// アイテムを(50, 50)を中心に半分に縮小
scale->setOrigin(QPointF(50, 50));
scale->scale(0.5, 0.5);

アイテムを回転させた後にスケーリングする

// アイテムを45度回転
item->setRotation(45);

// アイテムを原点を中心に2倍に拡大
scale->setOrigin(item->boundingRect().center());
scale->scale(2, 2);

アイテムの一部のみを拡大・縮小する

// アイテムの左半分のみを2倍に拡大
scale->setOrigin(item->boundingRect().topLeft());
scale->scale(2, 1);

// アイテムの上半分のみを2倍に拡大
scale->setOrigin(item->boundingRect().topLeft());
scale->scale(1, 2);

アニメーションを使ってアイテムをスケーリングする

// アニメーションを作成
QGraphicsItemAnimation *animation = new QGraphicsItemAnimation();

// アニメーションのターゲットをスケールに設定
animation->setItem(scale);

// スケールの原点を設定
animation->setOrigin(item->boundingRect().center());

// スケールの値を2倍に変化させる
animation->setTimeLine(new QTimeLine(1000));
animation->setEndValue(QPointF(2, 2));

// アニメーションを開始
animation->start();


QGraphicsScale::originプロパティ以外の方法

QGraphicsItem::setTransform() メソッドを使用して、アイテムの変換行列を設定することができます。変換行列には、スケーリング、回転、移動などの操作を記述することができます。

// アイテムを原点を中心に2倍に拡大
item->setTransform(QTransform::fromScale(2, 2));

// アイテムを(100, 100)を中心に2倍に拡大
item->setTransform(QTransform::fromScale(2, 2).translate(100, 100));

// アイテムを45度回転
item->setTransform(QTransform::fromRotate(45));

QGraphicsItem::scale() メソッドを使用して、アイテムをスケーリングすることができます。このメソッドは、原点をアイテムの中心とします。

// アイテムを2倍に拡大
item->scale(2, 2);

// アイテムを半分に縮小
item->scale(0.5, 0.5);

QGraphicsItem::setScale() メソッドを使用して、アイテムのスケーリング係数を設定することができます。

// アイテムをx方向に2倍、y方向に3倍に拡大
item->setScale(2, 3);

// アイテムを元のサイズに戻す
item->setScale(1, 1);

これらの方法は、QGraphicsScale::originプロパティよりも柔軟なスケーリング操作を実現することができます。




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