Qt Widgets: QGraphicsScene::selectionArea()で選択領域を自在に操作
Qt WidgetsにおけるQGraphicsScene::selectionArea()の解説
QGraphicsScene::selectionArea()は、Qt Widgetsにおける重要な関数の一つです。この関数は、現在選択されている領域を取得するために使用されます。選択された領域は、QPainterPathオブジェクトとして返されます。
使用方法
QGraphicsScene::selectionArea()関数は、以下のコードのように使用できます。
QGraphicsScene scene;
// アイテムを追加
scene.addItem(new QGraphicsRectItem(0, 0, 100, 100));
scene.addItem(new QGraphicsEllipseItem(50, 50, 50, 50));
// 矩形を選択
scene.setSelectionArea(QRectF(25, 25, 75, 75));
// 選択領域を取得
QPainterPath path = scene.selectionArea();
// 選択領域を描画
QPainter painter(&scene);
painter.setPen(QPen(Qt::red));
painter.drawPath(path);
詳細
- QGraphicsScene::selectionArea()関数は、常に現在の選択状態に基づいて選択領域を返します。選択状態は、ユーザーの操作やプログラムコードによって変更されます。
- 選択領域は、QPainterPathオブジェクトとして返されます。QPainterPathオブジェクトは、さまざまな形状を表すために使用できます。
- 選択領域は、Qt::WindingFillルールを使用して描画されます。これは、ポリゴンの内部と外部を決定するために、交点の数を使用するルールです。
- 選択領域は、**QGraphicsScene::setSelectionArea()**関数を使用して設定することもできます。
例
以下の例は、QGraphicsScene::selectionArea()関数を使用して、選択された領域を描画する方法を示しています。
#include <QtWidgets>
int main(int argc, char *argv[])
{
QApplication app(argc, argv);
QGraphicsScene scene;
// アイテムを追加
scene.addItem(new QGraphicsRectItem(0, 0, 100, 100));
scene.addItem(new QGraphicsEllipseItem(50, 50, 50, 50));
// 矩形を選択
scene.setSelectionArea(QRectF(25, 25, 75, 75));
// 選択領域を描画
QPainter painter(&scene);
painter.setPen(QPen(Qt::red));
painter.drawPath(scene.selectionArea());
QGraphicsView view(&scene);
view.show();
return app.exec();
}
この例では、2つのアイテム(矩形と楕円)がシーンに追加されます。次に、矩形を選択するためにsetSelectionArea()関数が使用されます。最後に、選択された領域はpainter.drawPath()を使用して描画されます。
QGraphicsScene::selectionArea() を使ったサンプルコード
#include <QtWidgets>
int main(int argc, char *argv[])
{
QApplication app(argc, argv);
QGraphicsScene scene;
// アイテムを追加
scene.addItem(new QGraphicsRectItem(0, 0, 100, 100));
scene.addItem(new QGraphicsEllipseItem(50, 50, 50, 50));
// 矩形を選択
scene.setSelectionArea(QRectF(25, 25, 75, 75));
// 選択領域を取得
QPainterPath path = scene.selectionArea();
// 選択領域を別の場所にコピー
QGraphicsItem *item = scene.addPath(path, QTransform::fromTranslate(100, 0));
QGraphicsView view(&scene);
view.show();
return app.exec();
}
サンプルコード2:選択された領域を回転させる
#include <QtWidgets>
int main(int argc, char *argv[])
{
QApplication app(argc, argv);
QGraphicsScene scene;
// アイテムを追加
scene.addItem(new QGraphicsRectItem(0, 0, 100, 100));
scene.addItem(new QGraphicsEllipseItem(50, 50, 50, 50));
// 矩形を選択
scene.setSelectionArea(QRectF(25, 25, 75, 75));
// 選択領域を取得
QPainterPath path = scene.selectionArea();
// 選択領域を回転
QTransform transform = QTransform::fromTranslate(50, 50);
transform.rotate(45);
path = path.transformed(transform);
// 選択領域を別の場所にコピー
QGraphicsItem *item = scene.addPath(path);
QGraphicsView view(&scene);
view.show();
return app.exec();
}
サンプルコード3:選択された領域を拡大縮小する
#include <QtWidgets>
int main(int argc, char *argv[])
{
QApplication app(argc, argv);
QGraphicsScene scene;
// アイテムを追加
scene.addItem(new QGraphicsRectItem(0, 0, 100, 100));
scene.addItem(new QGraphicsEllipseItem(50, 50, 50, 50));
// 矩形を選択
scene.setSelectionArea(QRectF(25, 25, 75, 75));
// 選択領域を取得
QPainterPath path = scene.selectionArea();
// 選択領域を拡大縮小
QTransform transform = QTransform::fromScale(2, 2);
path = path.transformed(transform);
// 選択領域を別の場所にコピー
QGraphicsItem *item = scene.addPath(path);
QGraphicsView view(&scene);
view.show();
return app.exec();
}
これらのサンプルコードは、QGraphicsScene::selectionArea()関数を使用して、選択された領域をさまざまな方法で操作する方法を示しています。
QGraphicsScene::selectionArea() 以外の選択領域を取得する方法
QGraphicsItem::selectedRect()
QGraphicsItem::selectedRect() 関数は、選択されたアイテムの矩形領域を取得するために使用されます。この関数は、選択されたアイテムが 1 つのみの場合にのみ使用できます。
例
QGraphicsItem *item = scene.itemAt(QPointF(100, 100));
if (item) {
QRectF rect = item->selectedRect();
// ...
}
QGraphicsItem::boundingRect()
QGraphicsItem::boundingRect() 関数は、アイテムの境界矩形を取得するために使用されます。この関数は、選択状態に関係なく、すべてのアイテムで使用できます。
例
QGraphicsItem *item = scene.itemAt(QPointF(100, 100));
if (item) {
QRectF rect = item->boundingRect();
// ...
}
QGraphicsScene::items()
QGraphicsScene::items() 関数は、シーン内のすべてのアイテムを取得するために使用されます。この関数を使用して、選択されたアイテムをループ処理し、それぞれのアイテムの boundingRect() 関数を呼び出すことで、選択領域を取得できます。
例
QList<QGraphicsItem *> items = scene.items();
foreach (QGraphicsItem *item, items) {
if (item->isSelected()) {
QRectF rect = item->boundingRect();
// ...
}
}
QGraphicsScene::itemAt()
QGraphicsScene::itemAt() 関数は、指定された座標にあるアイテムを取得するために使用されます。この関数を使用して、選択されたアイテムを取得し、そのアイテムの boundingRect() 関数を呼び出すことで、選択領域を取得できます。
例
QGraphicsItem *item = scene.itemAt(QPointF(100, 100));
if (item && item->isSelected()) {
QRectF rect = item->boundingRect();
// ...
}
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