Qt Widgets: QGraphicsScene::selectionArea()で選択領域を自在に操作

2024-04-03

Qt WidgetsにおけるQGraphicsScene::selectionArea()の解説

QGraphicsScene::selectionArea()は、Qt Widgetsにおける重要な関数の一つです。この関数は、現在選択されている領域を取得するために使用されます。選択された領域は、QPainterPathオブジェクトとして返されます。

使用方法

QGraphicsScene::selectionArea()関数は、以下のコードのように使用できます。

QGraphicsScene scene;

// アイテムを追加
scene.addItem(new QGraphicsRectItem(0, 0, 100, 100));
scene.addItem(new QGraphicsEllipseItem(50, 50, 50, 50));

// 矩形を選択
scene.setSelectionArea(QRectF(25, 25, 75, 75));

// 選択領域を取得
QPainterPath path = scene.selectionArea();

// 選択領域を描画
QPainter painter(&scene);
painter.setPen(QPen(Qt::red));
painter.drawPath(path);

詳細

  • QGraphicsScene::selectionArea()関数は、常に現在の選択状態に基づいて選択領域を返します。選択状態は、ユーザーの操作やプログラムコードによって変更されます。
  • 選択領域は、QPainterPathオブジェクトとして返されます。QPainterPathオブジェクトは、さまざまな形状を表すために使用できます。
  • 選択領域は、Qt::WindingFillルールを使用して描画されます。これは、ポリゴンの内部と外部を決定するために、交点の数を使用するルールです。
  • 選択領域は、**QGraphicsScene::setSelectionArea()**関数を使用して設定することもできます。

以下の例は、QGraphicsScene::selectionArea()関数を使用して、選択された領域を描画する方法を示しています。

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);

    QGraphicsScene scene;

    // アイテムを追加
    scene.addItem(new QGraphicsRectItem(0, 0, 100, 100));
    scene.addItem(new QGraphicsEllipseItem(50, 50, 50, 50));

    // 矩形を選択
    scene.setSelectionArea(QRectF(25, 25, 75, 75));

    // 選択領域を描画
    QPainter painter(&scene);
    painter.setPen(QPen(Qt::red));
    painter.drawPath(scene.selectionArea());

    QGraphicsView view(&scene);
    view.show();

    return app.exec();
}

この例では、2つのアイテム(矩形と楕円)がシーンに追加されます。次に、矩形を選択するためにsetSelectionArea()関数が使用されます。最後に、選択された領域はpainter.drawPath()を使用して描画されます。



QGraphicsScene::selectionArea() を使ったサンプルコード

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);

    QGraphicsScene scene;

    // アイテムを追加
    scene.addItem(new QGraphicsRectItem(0, 0, 100, 100));
    scene.addItem(new QGraphicsEllipseItem(50, 50, 50, 50));

    // 矩形を選択
    scene.setSelectionArea(QRectF(25, 25, 75, 75));

    // 選択領域を取得
    QPainterPath path = scene.selectionArea();

    // 選択領域を別の場所にコピー
    QGraphicsItem *item = scene.addPath(path, QTransform::fromTranslate(100, 0));

    QGraphicsView view(&scene);
    view.show();

    return app.exec();
}

サンプルコード2:選択された領域を回転させる

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);

    QGraphicsScene scene;

    // アイテムを追加
    scene.addItem(new QGraphicsRectItem(0, 0, 100, 100));
    scene.addItem(new QGraphicsEllipseItem(50, 50, 50, 50));

    // 矩形を選択
    scene.setSelectionArea(QRectF(25, 25, 75, 75));

    // 選択領域を取得
    QPainterPath path = scene.selectionArea();

    // 選択領域を回転
    QTransform transform = QTransform::fromTranslate(50, 50);
    transform.rotate(45);
    path = path.transformed(transform);

    // 選択領域を別の場所にコピー
    QGraphicsItem *item = scene.addPath(path);

    QGraphicsView view(&scene);
    view.show();

    return app.exec();
}

サンプルコード3:選択された領域を拡大縮小する

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);

    QGraphicsScene scene;

    // アイテムを追加
    scene.addItem(new QGraphicsRectItem(0, 0, 100, 100));
    scene.addItem(new QGraphicsEllipseItem(50, 50, 50, 50));

    // 矩形を選択
    scene.setSelectionArea(QRectF(25, 25, 75, 75));

    // 選択領域を取得
    QPainterPath path = scene.selectionArea();

    // 選択領域を拡大縮小
    QTransform transform = QTransform::fromScale(2, 2);
    path = path.transformed(transform);

    // 選択領域を別の場所にコピー
    QGraphicsItem *item = scene.addPath(path);

    QGraphicsView view(&scene);
    view.show();

    return app.exec();
}

これらのサンプルコードは、QGraphicsScene::selectionArea()関数を使用して、選択された領域をさまざまな方法で操作する方法を示しています。



QGraphicsScene::selectionArea() 以外の選択領域を取得する方法

QGraphicsItem::selectedRect()

QGraphicsItem::selectedRect() 関数は、選択されたアイテムの矩形領域を取得するために使用されます。この関数は、選択されたアイテムが 1 つのみの場合にのみ使用できます。

QGraphicsItem *item = scene.itemAt(QPointF(100, 100));
if (item) {
    QRectF rect = item->selectedRect();
    // ...
}

QGraphicsItem::boundingRect()

QGraphicsItem::boundingRect() 関数は、アイテムの境界矩形を取得するために使用されます。この関数は、選択状態に関係なく、すべてのアイテムで使用できます。

QGraphicsItem *item = scene.itemAt(QPointF(100, 100));
if (item) {
    QRectF rect = item->boundingRect();
    // ...
}

QGraphicsScene::items()

QGraphicsScene::items() 関数は、シーン内のすべてのアイテムを取得するために使用されます。この関数を使用して、選択されたアイテムをループ処理し、それぞれのアイテムの boundingRect() 関数を呼び出すことで、選択領域を取得できます。

QList<QGraphicsItem *> items = scene.items();
foreach (QGraphicsItem *item, items) {
    if (item->isSelected()) {
        QRectF rect = item->boundingRect();
        // ...
    }
}

QGraphicsScene::itemAt()

QGraphicsScene::itemAt() 関数は、指定された座標にあるアイテムを取得するために使用されます。この関数を使用して、選択されたアイテムを取得し、そのアイテムの boundingRect() 関数を呼び出すことで、選択領域を取得できます。

QGraphicsItem *item = scene.itemAt(QPointF(100, 100));
if (item && item->isSelected()) {
    QRectF rect = item->boundingRect();
    // ...
}

これらの方法は、それぞれ異なる利点と欠点があります。使用する方法は、具体的な状況によって異なります。




Qt GUIプログラミングの必須スキル!QImageReader::device()で画像データを読み込み、操作する

QImageReader::device() は、Qt GUI における画像読み込みクラス QImageReader に備わるメソッドの一つであり、現在設定されている画像データのソースとなるデバイスオブジェクトを取得します。このメソッドは、画像ファイルの読み込みや、ネットワーク経由での画像取得などの際に、データソースの特定と制御に役立ちます。



Qt GUI - QStandardItem::isEnabled() 関数とモデルアイテムの有効状態

概要QStandardItem::isEnabled()は、Qt GUIにおけるモデルアイテムの有効状態を確認するための関数です。アイテムが有効な場合、ユーザーはアイテムと対話することができます。対話の種類は、isEditable()やisSelectable()などの他のアイテムフラグによって指定されます。デフォルトでは、アイテムは有効です。


Qt GUIにおけるQStandardItem::isAutoTristate():チェックボックス付きアイテムの三状態モードを理解する

三状態モードとは、チェックボックスがオン、オフ、中間の3つの状態を持つことができるモードです。中間状態は、アイテムの状態がまだ決まっていない場合や、部分的に選択されている場合などに使用されます。**QStandardItem::isAutoTristate()**は、以下の状況で役立ちます。


Qt GUI アプリ開発:カーソル移動を制する者はテキスト編集を制す!QTextLayout::nextCursorPosition() 関数の使い方

引数oldPos: カーソルの現在の位置mode: カーソル移動モード戻り値カーソルの次の位置CursorModeSkipCharacters: 文字単位で移動SkipWords: 単語単位で移動この例では、text 変数の内容に基づいてテキストレイアウトを作成し、カーソルを最初的位置に設定します。その後、nextCursorPosition 関数を使用してカーソルを次の位置に移動し、その位置で処理を行います。この処理は、カーソルがテキストレイアウトの最後まで達するまで繰り返されます。


Qt GUI:デバイスの機能を判定して適切なUIを提供する方法:QInputDevice::hasCapability()のサンプルコード集

この解説では、以下の内容を分かりやすく説明します。QInputDevice::hasCapability() の概要関数シグネチャと引数利用可能な機能具体的な使用例補足情報QInputDevice::hasCapability() は、QInputDeviceクラスによって提供される関数です。この関数は、デバイスが特定の機能をサポートしているかどうかを判断し、その結果を bool 型で返します。



Qt GUIで修飾キー (Ctrl, Shift, Altなど) を考慮したキーシーケンスのマッチング

QKeySequence::matches() は、Qt GUI におけるキーボードショートカットの処理に不可欠な関数です。この関数は、指定されたキーシーケンスと現在のキーボードイベントが一致するかどうかを判断します。具体的には、以下の機能を提供します。


Qt GUI の QStandardItem::flags() 関数とは何か?

QStandardItem::flags() 関数は、QStandardItem クラスのインスタンスが持つ項目フラグを取得します。項目フラグは、項目の編集可能性、選択可能性、チェックボックス状態など、項目のさまざまなプロパティを制御します。


QPinchGesture::~QPinchGesture()デストラクタのサンプルコード

QPinchGestureクラスは、Qt Widgetsモジュールで提供されるジェスチャー認識機能の一つであり、ユーザーによるピンチ操作を検出するためのクラスです。QPinchGesture::~QPinchGesture()は、このクラスのデストラクタであり、オブジェクトが破棄される際に自動的に呼び出されます。


Qt Widgets モジュールの QGraphicsItem::setEnabled() 関数とは?

QGraphicsItem::setEnabled() 関数は、Qt Widgets モジュールの QGraphicsItem クラスに属する関数で、グラフィックスアイテムの有効・無効状態を設定するために使用します。機能アイテムの有効・無効状態を設定します。


Qt GUIでベクターグラフィックスを描画する:QPainterPathクラス入門

QPainterPathは、いくつかの基本的な要素で構成されています。ポイント: パス上の単一の座標を表します。線: 2つのポイントを結ぶ直線です。曲線: 複数のポイントを滑らかに繋ぐ曲線です。形状: 閉じたパスで、塗りつぶすことができます。