QGridLayout::setRowMinimumHeight() and QGridLayout::setColumnMinimumWidth()の使い方

2024-04-06

Qt WidgetsにおけるQGridLayout::minimumHeightForWidth()の解説

QGridLayout::minimumHeightForWidth()は、Qt WidgetsのQGridLayoutクラスで提供される関数で、指定された幅に対してグリッドレイアウトの最小限必要な高さを計算します。ウィジェットのサイズ調整やレイアウトの最適化などに役立ちます。

使い方

この関数は以下の形式で呼び出します。

int minimumHeightForWidth(int width) const;
  • width: グリッドレイアウトの幅(ピクセル単位)

戻り値

  • 指定された幅に対してグリッドレイアウトの最小限必要な高さ(ピクセル単位)

詳細解説

minimumHeightForWidth()は、グリッドレイアウト内のすべてのウィジェットの最小サイズを考慮して、レイアウトに必要な最小限の高さを計算します。具体的には、以下の要素を考慮します。

  • 各ウィジェットのminimumSize()
  • 各ウィジェットのmargin
  • 行間の余白
  • 列間の余白

以下のコード例は、minimumHeightForWidth()を使用して、ウィンドウサイズに合わせてグリッドレイアウトを自動的に調整する方法を示します。

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ウィンドウとグリッドレイアウトを作成
  QWidget window;
  QGridLayout layout;
  window.setLayout(&layout);

  // いくつかのウィジェットを追加
  for (int i = 0; i < 10; ++i) {
    QPushButton *button = new QPushButton(QString("Button %1").arg(i));
    layout.addWidget(button, i / 5, i % 5);
  }

  // ウィンドウサイズ変更時の処理
  QObject::connect(&window, &QWidget::sizeChanged, [&](const QSize &size) {
    // グリッドレイアウトの幅を取得
    int width = layout.contentsRect().width();

    // 最小限必要な高さを計算
    int height = layout.minimumHeightForWidth(width);

    // ウィンドウの高さを設定
    window.resize(size.width(), height);
  });

  window.show();

  return app.exec();
}

このコードを実行すると、ウィンドウサイズを変更すると、グリッドレイアウトが自動的に調整されます。

補足

  • minimumHeightForWidth()は、ウィジェットのサイズヒントも考慮します。
  • グリッドレイアウト内に伸縮可能なウィジェットがある場合、minimumHeightForWidth()は正確な高さを返さない場合があります。
  • より高度なレイアウト制御には、QGridLayout::setRowMinimumHeight()QGridLayout::setColumnMinimumWidth()などの関数を組み合わせることもできます。


Qt WidgetsにおけるQGridLayout::minimumHeightForWidth()のサンプルコード

ウィンドウサイズに合わせてグリッドレイアウトを自動的に調整する

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ウィンドウとグリッドレイアウトを作成
  QWidget window;
  QGridLayout layout;
  window.setLayout(&layout);

  // いくつかのウィジェットを追加
  for (int i = 0; i < 10; ++i) {
    QPushButton *button = new QPushButton(QString("Button %1").arg(i));
    layout.addWidget(button, i / 5, i % 5);
  }

  // ウィンドウサイズ変更時の処理
  QObject::connect(&window, &QWidget::sizeChanged, [&](const QSize &size) {
    // グリッドレイアウトの幅を取得
    int width = layout.contentsRect().width();

    // 最小限必要な高さを計算
    int height = layout.minimumHeightForWidth(width);

    // ウィンドウの高さを設定
    window.resize(size.width(), height);
  });

  window.show();

  return app.exec();
}

最小限必要な高さを固定する

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ウィンドウとグリッドレイアウトを作成
  QWidget window;
  QGridLayout layout;
  window.setLayout(&layout);

  // いくつかのウィジェットを追加
  for (int i = 0; i < 10; ++i) {
    QPushButton *button = new QPushButton(QString("Button %1").arg(i));
    layout.addWidget(button, i / 5, i % 5);
  }

  // 最小限必要な高さを固定
  layout.setMinimumHeight(200);

  window.show();

  return app.exec();
}

行間の余白を設定する

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ウィンドウとグリッドレイアウトを作成
  QWidget window;
  QGridLayout layout;
  window.setLayout(&layout);

  // いくつかのウィジェットを追加
  for (int i = 0; i < 10; ++i) {
    QPushButton *button = new QPushButton(QString("Button %1").arg(i));
    layout.addWidget(button, i / 5, i % 5);
  }

  // 行間の余白を設定
  layout.setRowSpacing(10);

  window.show();

  return app.exec();
}

列間の余白を設定する

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ウィンドウとグリッドレイアウトを作成
  QWidget window;
  QGridLayout layout;
  window.setLayout(&layout);

  // いくつかのウィジェットを追加
  for (int i = 0; i < 10; ++i) {
    QPushButton *button = new QPushButton(QString("Button %1").arg(i));
    layout.addWidget(button, i / 5, i % 5);
  }

  // 列間の余白を設定
  layout.setColumnSpacing(10);

  window.show();

  return app.exec();
}

伸縮可能なウィジェットを使用する

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ウィンドウとグリッドレイアウトを作成
  QWidget window;
  QGridLayout layout;
  window.setLayout(&layout);

  // 伸縮可能なウィジェットを追加
  QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit;
  layout.addWidget(lineEdit, 0, 0);

  // 最小限必要な高さを固定
  layout.setMinimumHeight(200);

  window.show();

  return app.exec();
}


QGridLayout::minimumHeightForWidth()の代替方法

各ウィジェットのサイズヒントを使用する

int minimumHeight = 0;
for (int i = 0; i < layout.count(); ++i) {
  QWidget *widget = layout.itemAt(i)->widget();
  minimumHeight += widget->sizeHint().height() + layout.spacing();
}

この方法は、各ウィジェットのサイズヒントを合計することで、グリッドレイアウトに必要な最小限の高さを計算します。ただし、ウィジェットのサイズヒントが正確ではない場合、計算結果も不正確になる可能性があります。

QSizePolicy::Minimum を使用する

for (int i = 0; i < layout.count(); ++i) {
  QWidget *widget = layout.itemAt(i)->widget();
  widget->setSizePolicy(QSizePolicy::Minimum, QSizePolicy::Minimum);
}

layout.activate();
int minimumHeight = layout.contentsRect().height();

この方法は、各ウィジェットのサイズポリシーを QSizePolicy::Minimum に設定することで、ウィジェットを最小限のサイズに収めます。その後、layout.contentsRect().height() を使用して、グリッドレイアウトに必要な最小限の高さを取得します。

for (int i = 0; i < layout.rowCount(); ++i) {
  layout.setRowMinimumHeight(i, 100);
}

for (int i = 0; i < layout.columnCount(); ++i) {
  layout.setColumnMinimumWidth(i, 100);
}

この方法は、QGridLayout::setRowMinimumHeight() and QGridLayout::setColumnMinimumWidth() を使用して、各行と各列の最小限のサイズを設定することで、グリッドレイアウトの最小限必要な高さを調整します。

カスタムレイアウトを実装する

上記の方法でニーズを満たせない場合は、カスタムレイアウトを実装することができます。カスタムレイアウトでは、ウィジェットの配置とサイズを完全に制御できます。

  • シンプルなレイアウトで、正確な高さが重要ではない場合は、minimumHeightForWidth() を使用するのが最も簡単です。
  • より精度の高い高さを計算したい場合は、各ウィジェットのサイズヒントを使用するか、QSizePolicy::Minimum を使用します。
  • より高度なレイアウト制御が必要な場合は、setRowMinimumHeight() and setColumnMinimumWidth() を使用するか、カスタムレイアウトを実装します。



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