QLineEdit::placeholderTextとQValidatorで入力制限とプレースホルダーテキストを同時に実現

2024-04-02

Qt WidgetsにおけるQLineEdit::placeholderTextの詳細解説

QLineEdit::placeholderTextは、Qt Widgetsライブラリで提供されるQLineEditクラスの重要なプロパティの一つです。これは、ユーザーがテキストを入力する前に、QLineEdit内に表示されるテキストを設定するために使用されます。日本語では、「プレースホルダーテキスト」または「仮置きテキスト」と呼ばれます。

このプロパティは、ユーザーインターフェースをより直感的で使いやすくするために非常に役立ちます。例えば、ユーザーが名前を入力する必要があるフィールドに、「名前を入力してください」というプレースホルダーテキストを設定することができます。

プロパティの詳細

  • データ型: QString
  • デフォルト値: 空のQString
  • アクセス方法:
    • get(): QString placeholderText() const
    • set(): void setPlaceholderText(const QString &text)

設定例

C++の場合:

QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit;
lineEdit->setPlaceholderText("名前を入力してください");

Pythonの場合:

from PyQt5.QtWidgets import QLineEdit

lineEdit = QLineEdit()
lineEdit.setPlaceholderText("名前を入力してください")

プレースホルダーテキストの書式設定

QLineEdit::placeholderTextプロパティは、テキストの色、フォント、サイズなどの書式設定をカスタマイズすることができます。

書式設定例

C++の場合:

QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit;
lineEdit->setPlaceholderText("名前を入力してください");

// プレースホルダーテキストの色を設定
QPalette palette = lineEdit->palette();
palette.setPlaceholderText(QColor::gray);
lineEdit->setPalette(palette);

// プレースホルダーテキストのフォントを設定
QFont font;
font.setPointSize(12);
lineEdit->setFont(font);

Pythonの場合:

from PyQt5.QtWidgets import QLineEdit, QPalette, QFont

lineEdit = QLineEdit()
lineEdit.setPlaceholderText("名前を入力してください")

# プレースホルダーテキストの色を設定
palette = lineEdit.palette()
palette.setPlaceholderText(QColor.gray)
lineEdit.setPalette(palette)

# プレースホルダーテキストのフォントを設定
font = QFont()
font.setPointSize(12)
lineEdit.setFont(font)

その他の機能

  • プレースホルダーテキストは、QLineEdit::clear() メソッドによってクリアされます。
  • プレースホルダーテキストは、QLineEdit::isEnabled() メソッドによって制御されます。
  • プレースホルダーテキストは、QLineEdit::isReadOnly() メソッドによって影響を受けません。


QLineEdit::placeholderTextを使ったサンプルコード

QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit;
lineEdit->setPlaceholderText("名前を入力してください");

プレースホルダーテキストの色とフォントを変更

QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit;
lineEdit->setPlaceholderText("名前を入力してください");

// プレースホルダーテキストの色を設定
QPalette palette = lineEdit->palette();
palette.setPlaceholderText(QColor::gray);
lineEdit->setPalette(palette);

// プレースホルダーテキストのフォントを設定
QFont font;
font.setPointSize(12);
lineEdit->setFont(font);

プレースホルダーテキストと入力テキストの両方の色を変更

QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit;
lineEdit->setPlaceholderText("名前を入力してください");

// プレースホルダーテキストの色を設定
QPalette palette = lineEdit->palette();
palette.setPlaceholderText(QColor::gray);
lineEdit->setPalette(palette);

// 入力テキストの色を設定
lineEdit->setStyleSheet("color: blue;");

入力に応じてプレースホルダーテキストを変更

QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit;
lineEdit->setPlaceholderText("名前を入力してください");

// テキスト入力時にプレースホルダーテキストを非表示にする
void onTextChanged(const QString &text) {
  if (!text.isEmpty()) {
    lineEdit->setPlaceholderText("");
  } else {
    lineEdit->setPlaceholderText("名前を入力してください");
  }
}

// テキスト変更イベントに接続
QObject::connect(lineEdit, &QLineEdit::textChanged, onTextChanged);

パスワード入力用のプレースホルダーテキスト

QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit;
lineEdit->setPlaceholderText("パスワードを入力してください");

// パスワード入力用に設定
lineEdit->setEchoMode(QLineEdit::Password);

プレースホルダーテキストとアイコン

QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit;
lineEdit->setPlaceholderText("検索キーワードを入力してください");

// 検索アイコンを設定
QIcon icon("search.png");
lineEdit->addAction(QLineEdit::Leading, icon, QLineEdit::NoChaser);

翻訳機能付きプレースホルダーテキスト

QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit;

// 言語コードと翻訳されたプレースホルダーテキストを設定
QMap<QString, QString> translations;
translations["en"] = "Enter your name";
translations["ja"] = "名前を入力してください";

QString language = QLocale::system().language();
lineEdit->setPlaceholderText(translations[language]);

QValidatorを使った入力制限とプレースホルダーテキスト

QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit;
lineEdit->setPlaceholderText("電話番号を入力してください");

// 数値のみ入力可能にする
QIntValidator *validator = new QIntValidator(lineEdit);
lineEdit->setValidator(validator);

// プレースホルダーテキストを灰色にする
QPalette palette = lineEdit->palette();
palette.setPlaceholderText(QColor::gray);
lineEdit->setPalette(palette);

これらのサンプルコードは、QLineEdit::placeholderTextプロパティの様々な使い方を示しています。これらのコードを参考に、ニーズに合ったプレースホルダーテキストを実装することができます。



QLineEdit::placeholderText 以外の方法

QLabel と QLineEdit を組み合わせる

QLabel *label = new QLabel("名前を入力してください");
QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit;

// レイアウトに配置する
QHBoxLayout *layout = new QHBoxLayout;
layout->addWidget(label);
layout->addWidget(lineEdit);

// ウィジェットにレイアウトを設定
QWidget *widget = new QWidget;
widget->setLayout(layout);

QTextEdit を使う

QTextEdit *textEdit = new QTextEdit;
textEdit->setPlaceholderText("名前を入力してください");

カスタムウィジェットを作成する

これらの方法は、QLineEdit::placeholderText プロパティよりも柔軟性がありますが、より多くのコードを書く必要があります。

その他の方法

  • Qt Designer を使ってプレースホルダーテキストを設定する
  • CSS を使ってプレースホルダーテキストを設定する

以下、それぞれの方法の詳細とメリット・デメリットです。

QLabel と QLineEdit を組み合わせる

メリット:

  • レイアウトを自由に調整できる
  • アイコンなどの他のウィジェットを簡単に追加できる

デメリット:

  • コード量が増える
  • プレースホルダーテキストと入力テキストのスタイルを揃えるのが難しい

QTextEdit を使う

メリット:

  • プレースホルダーテキストの書式設定が簡単
  • 複数行のテキスト入力にも対応できる

デメリット:

  • QLineEdit よりも機能が少ない
  • コード量が slightly 増える

カスタムウィジェットを作成する

メリット:

  • 最も自由度が高い
  • 複雑な要件にも対応できる

デメリット:

  • 開発スキルが必要

Qt Designer を使ってプレースホルダーテキストを設定する

メリット:

  • コードを書く必要がない
  • 視覚的にプレースホルダーテキストを設定できる

デメリット:

  • Qt Designer をインストールする必要がある
  • デザインの自由度が制限される

CSS を使ってプレースホルダーテキストを設定する

メリット:

  • コード量が少ない
  • デザインの自由度が高い

デメリット:

  • CSS の知識が必要
  • 古いブラウザでは対応していない可能性がある



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