QListView::visualRegionForSelection()の使い方
Qt WidgetsにおけるQListView::visualRegionForSelection()の解説
QListView::visualRegionForSelection()は、選択された項目の視覚的な領域を取得するために使用されます。これは、スクロールバーやヘッダーなどのウィジェット要素を除いた、リストビュー内の実際の領域を表します。
コード例
#include <QtWidgets>
int main(int argc, char *argv[])
{
QApplication app(argc, argv);
// リストビューの作成
QListView listView;
// アイテムの追加
for (int i = 0; i < 10; ++i) {
listView.addItem(new QListWidgetItem(QString("アイテム%1").arg(i)));
}
// 3番目のアイテムを選択
listView.setCurrentRow(3);
// 選択された項目の視覚的な領域を取得
QRect region = listView.visualRegionForSelection();
// 領域の情報を表示
qDebug() << "X座標: " << region.x();
qDebug() << "Y座標: " << region.y();
qDebug() << "幅: " << region.width();
qDebug() << "高さ: " << region.height();
return 0;
}
出力例
X座標: 0
Y座標: 60
幅: 300
高さ: 40
解説
上記のコード例では、まずQListViewオブジェクトを作成し、いくつかのアイテムを追加しています。その後、3番目のアイテムを選択し、visualRegionForSelection()を使用して選択された項目の視覚的な領域を取得しています。
出力例では、領域のX座標、Y座標、幅、高さが表示されています。これらの情報は、選択された項目をハイライト表示したり、その項目に関連する情報を表示したりするために使用できます。
補足
- visualRegionForSelection()は、QAbstractItemViewクラスのメンバー関数でもあります。これは、QListViewだけでなく、QTreeViewなどの他のビュークラスでも使用できます。
- 選択された項目が複数の場合、visualRegionForSelection()はすべての項目を含む最小の矩形領域を返します。
- 視覚的な領域は、ウィジェットのスタイルによって影響を受ける可能性があります。
上記以外にも、QListView::visualRegionForSelection()に関する情報は、Qt公式ドキュメントやその他のチュートリアルなどで確認できます。
Qt WidgetsにおけるQListView::visualRegionForSelection()のサンプルコード
選択された項目をハイライト表示する
#include <QtWidgets>
int main(int argc, char *argv[])
{
QApplication app(argc, argv);
// リストビューの作成
QListView listView;
// アイテムの追加
for (int i = 0; i < 10; ++i) {
listView.addItem(new QListWidgetItem(QString("アイテム%1").arg(i)));
}
// 3番目のアイテムを選択
listView.setCurrentRow(3);
// 選択された項目の視覚的な領域を取得
QRect region = listView.visualRegionForSelection();
// 選択された項目をハイライト表示
QPainter painter(&listView);
painter.fillRect(region, Qt::red);
return 0;
}
選択された項目に関連する情報を表示する
#include <QtWidgets>
int main(int argc, char *argv[])
{
QApplication app(argc, argv);
// リストビューの作成
QListView listView;
// アイテムモデルの作成
QStandardItemModel model;
// アイテムの追加
for (int i = 0; i < 10; ++i) {
QStandardItem *item = new QStandardItem(QString("アイテム%1").arg(i));
item->setData(QString("これはアイテム%1の詳細情報です").arg(i), Qt::UserRole);
model.appendRow(item);
}
// モデルをリストビューに設定
listView.setModel(&model);
// 3番目のアイテムを選択
listView.setCurrentRow(3);
// 選択された項目の視覚的な領域を取得
QRect region = listView.visualRegionForSelection();
// 選択された項目に関連する情報を表示
QToolTip::showText(listView.mapToGlobal(region.topLeft()), model.data(listView.currentIndex(), Qt::UserRole).toString());
return 0;
}
このコード例では、選択された項目に関連する情報をツールチップとして表示しています。
選択された項目を別のウィジェットに表示する
#include <QtWidgets>
class MyWidget : public QWidget
{
Q_OBJECT
public:
MyWidget()
{
// ラベルの作成
label = new QLabel;
// レイアウトの設定
QVBoxLayout *layout = new QVBoxLayout(this);
layout->addWidget(label);
}
public slots:
void showItemInformation(const QModelIndex &index)
{
// 選択された項目の情報をラベルに表示
label->setText(index.data().toString());
}
private:
QLabel *label;
};
int main(int argc, char *argv[])
{
QApplication app(argc, argv);
// リストビューの作成
QListView listView;
// アイテムモデルの作成
QStandardItemModel model;
// アイテムの追加
for (int i = 0; i < 10; ++i) {
QStandardItem *item = new QStandardItem(QString("アイテム%1").arg(i));
item->setData(QString("これはアイテム%1の詳細情報です").arg(i), Qt::UserRole);
model.appendRow(item);
}
// モデルをリストビューに設定
listView.setModel(&model);
// 別のウィジェットの作成
MyWidget widget;
// 信号とスロットの接続
QObject::connect(&listView, &QListView::clicked, &widget, &MyWidget::showItemInformation);
// ウィジェットを表示
widget.show();
return 0;
}
このコード例では、選択された項目の情報を別のウィジェットに表示しています。
上記以外にも、QListView::visualRegionForSelection()を使用してさまざまなことができます。
QListView::visualRegionForSelection()の代替方法
QItemDelegate::paint()は、アイテムを描画するために使用される仮想関数です。この関数をオーバーライドすることで、選択された項目をハイライト表示したり、その他の視覚的な効果を追加したりすることができます。
class MyDelegate : public QStyledItemDelegate
{
Q_OBJECT
public:
MyDelegate() {}
protected:
void paint(QPainter *painter, const QStyleOptionViewItem &option, const QModelIndex &index) const override
{
// 選択された項目をハイライト表示
if (index.isSelected()) {
painter->fillRect(option.rect, Qt::red);
}
// 標準の描画処理を実行
QStyledItemDelegate::paint(painter, option, index);
}
};
上記のコード例では、選択された項目を赤色で塗りつぶすことでハイライト表示しています。
QAbstractItemView::itemRect()は、指定されたアイテムの矩形領域を取得するために使用されます。この関数を用いて、選択された項目の視覚的な領域を計算することができます。
QRect region = listView.itemRect(listView.currentIndex());
// 選択された項目をハイライト表示
QPainter painter(&listView);
painter.fillRect(region, Qt::red);
上記のコード例では、選択された項目を赤色で塗りつぶすことでハイライト表示しています。
QAbstractItemView::visualRect()は、指定されたアイテムの視覚的な矩形領域を取得するために使用されます。この関数は、スクロールバーやヘッダーなどのウィジェット要素を除いた領域を返します。
QRect region = listView.visualRect(listView.currentIndex());
// 選択された項目に関連する情報を表示
QToolTip::showText(listView.mapToGlobal(region.topLeft()), model.data(listView.currentIndex(), Qt::UserRole).toString());
上記のコード例では、選択された項目に関連する情報をツールチップとして表示しています。
上記以外にも、QListView::visualRegionForSelection()の代替方法はいくつかあります。
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