Qt WidgetsにおけるQListWidget::currentItemChanged()シグナルの徹底解説

Qt WidgetsにおけるQListWidget::currentItemChanged()の解説

QListWidget::currentItemChanged() は、Qt Widgets モジュールの QListWidget クラスで提供されるシグナルです。このシグナルは、リスト内の現在選択されているアイテムが変更されたときに発生します。

シグナルの仕組み

QListWidget::currentItemChanged() シグナルは、2つの引数を受け取ります。

• current：現在選択されているアイテムへのポインタ
• previous：以前選択されていたアイテムへのポインタ

これらの引数を使用して、現在のアイテムと以前のアイテムに関する情報を取得できます。

シグナルの使用例

QListWidget::currentItemChanged() シグナルは、さまざまな目的に使用できます。以下は、いくつかの例です。

• アイテムの変更を処理する

currentItemChanged() シグナルを使用して、ユーザーがリスト内のアイテムを変更したときに処理を実行できます。たとえば、ユーザーが新しいアイテムを選択したときに、そのアイテムの詳細情報を表示するコードを実行できます。

• リストの選択状態を維持する

currentItemChanged() シグナルを使用して、リストの選択状態を維持できます。たとえば、ユーザーが別のアイテムを選択しても、特定のアイテムを選択状態に保つことができます。

• 複数のリストを同期する

currentItemChanged() シグナルを使用して、複数のリストを同期できます。たとえば、ユーザーが1つのリストでアイテムを選択すると、他のリストでも同じアイテムが選択されます。

シグナルの接続

QListWidget::currentItemChanged() シグナルは、QObject::connect() 関数を使用して、スロットと呼ばれる関数を接続できます。スロットは、シグナルが発生したときに呼び出される関数です。

コード例

以下のコード例は、QListWidget::currentItemChanged() シグナルの使用例を示しています。

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[])
{
  QApplication app(argc, argv);

  // リストウィジェットを作成
  QListWidget listWidget;

  // アイテムを追加
  listWidget.addItem("アイテム1");
  listWidget.addItem("アイテム2");
  listWidget.addItem("アイテム3");

  // シグナルとスロットを接続
  QObject::connect(&listWidget, &QListWidget::currentItemChanged,
                   [](QListWidgetItem *current, QListWidgetItem *previous) {
                     // 現在選択されているアイテムのテキストを取得
                     QString text = current->text();

                     // テキストを表示
                     qDebug() << "現在選択されているアイテム：" << text;
                   });

  // ウィジェットを表示
  listWidget.show();

  return app.exec();
}

このコード例では、currentItemChanged() シグナルがスロットに接続されています。スロットは、現在選択されているアイテムのテキストを取得し、コンソールに表示します。

Qt WidgetsにおけるQListWidget::currentItemChanged()のサンプルコード

アイテムの変更を処理する

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[])
{
  QApplication app(argc, argv);

  // リストウィジェットを作成
  QListWidget listWidget;

  // アイテムを追加
  listWidget.addItem("アイテム1");
  listWidget.addItem("アイテム2");
  listWidget.addItem("アイテム3");

  // シグナルとスロットを接続
  QObject::connect(&listWidget, &QListWidget::currentItemChanged,
                   [](QListWidgetItem *current) {
                     // 現在選択されているアイテムのテキストを取得
                     QString text = current->text();

                     // アイテムの詳細情報を表示する
                     qDebug() << "選択されたアイテムの詳細情報：" << text;
                   });

  // ウィジェットを表示
  listWidget.show();

  return app.exec();
}

リストの選択状態を維持する

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[])
{
  QApplication app(argc, argv);

  // リストウィジェットを作成
  QListWidget listWidget;

  // アイテムを追加
  listWidget.addItem("アイテム1");
  listWidget.addItem("アイテム2");
  listWidget.addItem("アイテム3");

  // 最初のアイテムを選択状態にする
  listWidget.setCurrentItem(listWidget.itemAt(0));

  // シグナルとスロットを接続
  QObject::connect(&listWidget, &QListWidget::currentItemChanged,
                   [](QListWidgetItem *current) {
                     // 現在のアイテムが最初のアイテムでない場合は、
                     // 最初のアイテムを選択状態にする
                     if (current != listWidget.itemAt(0)) {
                       listWidget.setCurrentItem(listWidget.itemAt(0));
                     }
                   });

  // ウィジェットを表示
  listWidget.show();

  return app.exec();
}

このコード例では、ユーザーが別のアイテムを選択しても、最初のアイテムが常に選択状態になります。

複数のリストを同期する

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[])
{
  QApplication app(argc, argv);

  // リストウィジェットを作成
  QListWidget listWidget1;
  QListWidget listWidget2;

  // アイテムを追加
  listWidget1.addItem("アイテム1");
  listWidget1.addItem("アイテム2");
  listWidget1.addItem("アイテム3");

  listWidget2.addItem("アイテム1");
  listWidget2.addItem("アイテム2");
  listWidget2.addItem("アイテム3");

  // シグナルとスロットを接続
  QObject::connect(&listWidget1, &QListWidget::currentItemChanged,
                   &listWidget2, &QListWidget::setCurrentItem);

  QObject::connect(&listWidget2, &QListWidget::currentItemChanged,
                   &listWidget1, &QListWidget::setCurrentItem);

  // ウィジェットを表示
  listWidget1.show();
  listWidget2.show();

  return app.exec();
}

このコード例では、2つのリストウィジェットを同期します。ユーザーが1つのリストウィジェットでアイテムを選択すると、もう1つのリストウィジェットでも同じアイテムが選択されます。

• アイテムの編集を許可する
• アイテムをドラッグアンドドロップする
• アイテムをフィルタリングする
• アイテムをソートする

これらのサンプルコードは、Qt Widgets ドキュメントやチュートリアルで参照できます。

QListWidget::currentItemChanged() 以外の方法

QListWidget::currentItem() メソッドは、現在選択されているアイテムへのポインタを返します。この方法は、currentItemChanged() シグナルよりも軽量です。

QListWidgetItem *currentItem = listWidget.currentItem();

// アイテムの処理

QAbstractItemView::selectionModel() メソッドは、現在の選択モデルへのポインタを返します。選択モデルを使用して、現在選択されているアイテムを含む、選択されたアイテムのリストを取得できます。

QItemSelectionModel *selectionModel = listWidget.selectionModel();

// 選択されたアイテムのリストを取得
QModelIndexList selectedIndexes = selectionModel.selectedIndexes();

// アイテムの処理

QModelIndex::data() メソッドは、モデルインデックスに関連付けられたデータを返します。この方法を使用して、現在選択されているアイテムのテキストなどのデータを取得できます。

QModelIndex currentIndex = listWidget.currentIndex();

// アイテムのテキストを取得
QString text = currentIndex.data(Qt::DisplayRole).toString();

// アイテムの処理

• 現在のアイテムが変更されたときに処理を実行したい場合は、currentItemChanged() シグナルを使用するのが最善です。
• 現在のアイテムを単に取得したい場合は、currentItem() メソッドを使用するのが最善です。
• 選択されたアイテムのリストを取得したい場合は、selectionModel() メソッドを使用するのが最善です。
• アイテムのデータを取得したい場合は、data() メソッドを使用するのが最善です。