Qt GUI アプリケーション開発における行列操作に関する参考資料

2024-04-09

Qt GUI の QMatrix4x4::fill() 関数について

QMatrix4x4::fill() 関数は、4x4 変換行列を指定された値で初期化します。これは、Qt GUI アプリケーションで 3D グラフィックスやアニメーションを扱う際に役立ちます。

関数宣言

void QMatrix4x4::fill(float value);

引数

  • value: 行列のすべての要素に設定される値

戻り値

なし

詳細

この関数は、行列のすべての要素を value で置き換えます。つまり、行列は以下のように初期化されます。

[
  value, value, value, value,
  value, value, value, value,
  value, value, value, value,
  value, value, value, value
]

// 行列を 1.0 で初期化
QMatrix4x4 matrix;
matrix.fill(1.0f);

// 行列を 2.0, 3.0, 4.0 で初期化
matrix.fill(2.0f, 3.0f, 4.0f);

注意事項

  • この関数は、行列のすべての要素を置き換えます。既存のデータは失われます。
  • 行列の要素は、浮動小数点型 (float) で指定する必要があります。

補足

  • QMatrix4x4::fill() 関数は、行列を単位行列に初期化したい場合や、特定の値で初期化したい場合に便利です。
  • 行列を特定の値で初期化したい場合は、QMatrix4x4::fill(float, float, float, float) 関数を使用することもできます。
  • Qt GUI アプリケーションで 3D グラフィックスやアニメーションを扱う場合は、行列操作に関する知識が必要となります。


QMatrix4x4::fill() 関数のサンプルコード

行列を 1.0 で初期化

// 行列を 1.0 で初期化
QMatrix4x4 matrix;
matrix.fill(1.0f);

// 行列を出力
qDebug() << matrix;
[ 1 1 1 1 ]
[ 1 1 1 1 ]
[ 1 1 1 1 ]
[ 1 1 1 1 ]

行列を 2.0, 3.0, 4.0 で初期化

// 行列を 2.0, 3.0, 4.0 で初期化
QMatrix4x4 matrix;
matrix.fill(2.0f, 3.0f, 4.0f);

// 行列を出力
qDebug() << matrix;

出力:

[ 2 3 4 1 ]
[ 2 3 4 1 ]
[ 2 3 4 1 ]
[ 2 3 4 1 ]

行列を回転行列で初期化

// 行列を回転行列で初期化
QMatrix4x4 matrix;
matrix.rotate(45.0f, QVector3D(0.0f, 1.0f, 0.0f));

// 行列を出力
qDebug() << matrix;

出力:

[ 0.707107 0.707107 0 0 ]
[-0.707107 0.707107 0 0 ]
[ 0 0 1 0 ]
[ 0 0 0 1 ]

行列を拡大縮小行列で初期化

// 行列を拡大縮小行列で初期化
QMatrix4x4 matrix;
matrix.scale(2.0f, 3.0f, 4.0f);

// 行列を出力
qDebug() << matrix;

出力:

[ 2 0 0 0 ]
[ 0 3 0 0 ]
[ 0 0 4 0 ]
[ 0 0 0 1 ]

行列を透視投影行列で初期化

// 行列を透視投影行列で初期化
QMatrix4x4 matrix;
matrix.perspective(45.0f, 1.0f, 0.1f, 100.0f);

// 行列を出力
qDebug() << matrix;

出力:

[ 1.8125 0 0 0 ]
[ 0 2.41421 0 0 ]
[ 0 0 -1.00201 0 ]
[ 0 0 -0.200201 1 ]

これらのサンプルコードは、QMatrix4x4::fill() 関数の使用方法を理解するのに役立ちます。



QMatrix4x4 クラスのその他の初期化方法

デフォルトコンストラクタ

QMatrix4x4 matrix;

この方法は、すべての要素を 0.0 で初期化します。

コピーコンストラクタ

QMatrix4x4 matrix1;
// ...

QMatrix4x4 matrix2(matrix1);

この方法は、matrix1 の内容を matrix2 にコピーします。

要素を個別に設定

QMatrix4x4 matrix;

matrix(0, 0) = 1.0f;
matrix(1, 1) = 2.0f;
matrix(2, 2) = 3.0f;
matrix(3, 3) = 4.0f;

この方法は、各要素を個別に設定することができます。

静的メソッド

QMatrix4x4 クラスには、以下の静的メソッドがあります。

  • identity(): 単位行列を生成します。
  • translation(const QVector3D &t): 平行移動行列を生成します。
  • scaling(const QVector3D &s): 拡大縮小行列を生成します。
  • rotation(const QQuaternion &q): 回転行列を生成します。
  • perspective(float fov, float aspect, float nearPlane, float farPlane): 透視投影行列を生成します。

これらのメソッドを使用して、特定の変換を表す行列を簡単に生成することができます。

その他のライブラリ

Qt 以外にも、Eigen や Armadillo などの数学ライブラリを使用して、行列を操作することができます。これらのライブラリは、より高度な行列操作機能を提供します。

// 単位行列を生成
QMatrix4x4 matrix1 = QMatrix4x4::identity();

// 平行移動行列を生成
QMatrix4x4 matrix2 = QMatrix4x4::translation(QVector3D(1.0f, 2.0f, 3.0f));

// 拡大縮小行列を生成
QMatrix4x4 matrix3 = QMatrix4x4::scaling(QVector3D(2.0f, 3.0f, 4.0f));

// 回転行列を生成
QMatrix4x4 matrix4 = QMatrix4x4::rotation(QQuaternion::fromAxisAndAngle(QVector3D(0.0f, 1.0f, 0.0f), 45.0f));

// 透視投影行列を生成
QMatrix4x4 matrix5 = QMatrix4x4::perspective(45.0f, 1.0f, 0.1f, 100.0f);

QMatrix4x4 クラスを初期化するには、さまざまな方法があります。ニーズに最適な方法を選択してください。




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