Qt GUI アプリケーション開発における行列操作に関する参考資料
Qt GUI の QMatrix4x4::fill() 関数について
QMatrix4x4::fill() 関数は、4x4 変換行列を指定された値で初期化します。これは、Qt GUI アプリケーションで 3D グラフィックスやアニメーションを扱う際に役立ちます。
関数宣言
void QMatrix4x4::fill(float value);
引数
value
: 行列のすべての要素に設定される値
戻り値
なし
詳細
この関数は、行列のすべての要素を value
で置き換えます。つまり、行列は以下のように初期化されます。
[
value, value, value, value,
value, value, value, value,
value, value, value, value,
value, value, value, value
]
例
// 行列を 1.0 で初期化
QMatrix4x4 matrix;
matrix.fill(1.0f);
// 行列を 2.0, 3.0, 4.0 で初期化
matrix.fill(2.0f, 3.0f, 4.0f);
注意事項
- この関数は、行列のすべての要素を置き換えます。既存のデータは失われます。
- 行列の要素は、浮動小数点型 (float) で指定する必要があります。
補足
- QMatrix4x4::fill() 関数は、行列を単位行列に初期化したい場合や、特定の値で初期化したい場合に便利です。
- 行列を特定の値で初期化したい場合は、
QMatrix4x4::fill(float, float, float, float)
関数を使用することもできます。 - Qt GUI アプリケーションで 3D グラフィックスやアニメーションを扱う場合は、行列操作に関する知識が必要となります。
QMatrix4x4::fill() 関数のサンプルコード
行列を 1.0 で初期化
// 行列を 1.0 で初期化
QMatrix4x4 matrix;
matrix.fill(1.0f);
// 行列を出力
qDebug() << matrix;
[ 1 1 1 1 ]
[ 1 1 1 1 ]
[ 1 1 1 1 ]
[ 1 1 1 1 ]
行列を 2.0, 3.0, 4.0 で初期化
// 行列を 2.0, 3.0, 4.0 で初期化
QMatrix4x4 matrix;
matrix.fill(2.0f, 3.0f, 4.0f);
// 行列を出力
qDebug() << matrix;
出力:
[ 2 3 4 1 ]
[ 2 3 4 1 ]
[ 2 3 4 1 ]
[ 2 3 4 1 ]
行列を回転行列で初期化
// 行列を回転行列で初期化
QMatrix4x4 matrix;
matrix.rotate(45.0f, QVector3D(0.0f, 1.0f, 0.0f));
// 行列を出力
qDebug() << matrix;
出力:
[ 0.707107 0.707107 0 0 ]
[-0.707107 0.707107 0 0 ]
[ 0 0 1 0 ]
[ 0 0 0 1 ]
行列を拡大縮小行列で初期化
// 行列を拡大縮小行列で初期化
QMatrix4x4 matrix;
matrix.scale(2.0f, 3.0f, 4.0f);
// 行列を出力
qDebug() << matrix;
出力:
[ 2 0 0 0 ]
[ 0 3 0 0 ]
[ 0 0 4 0 ]
[ 0 0 0 1 ]
行列を透視投影行列で初期化
// 行列を透視投影行列で初期化
QMatrix4x4 matrix;
matrix.perspective(45.0f, 1.0f, 0.1f, 100.0f);
// 行列を出力
qDebug() << matrix;
出力:
[ 1.8125 0 0 0 ]
[ 0 2.41421 0 0 ]
[ 0 0 -1.00201 0 ]
[ 0 0 -0.200201 1 ]
これらのサンプルコードは、QMatrix4x4::fill() 関数の使用方法を理解するのに役立ちます。
QMatrix4x4 クラスのその他の初期化方法
デフォルトコンストラクタ
QMatrix4x4 matrix;
この方法は、すべての要素を 0.0 で初期化します。
コピーコンストラクタ
QMatrix4x4 matrix1;
// ...
QMatrix4x4 matrix2(matrix1);
この方法は、matrix1
の内容を matrix2
にコピーします。
要素を個別に設定
QMatrix4x4 matrix;
matrix(0, 0) = 1.0f;
matrix(1, 1) = 2.0f;
matrix(2, 2) = 3.0f;
matrix(3, 3) = 4.0f;
この方法は、各要素を個別に設定することができます。
静的メソッド
QMatrix4x4 クラスには、以下の静的メソッドがあります。
identity()
: 単位行列を生成します。translation(const QVector3D &t)
: 平行移動行列を生成します。scaling(const QVector3D &s)
: 拡大縮小行列を生成します。rotation(const QQuaternion &q)
: 回転行列を生成します。perspective(float fov, float aspect, float nearPlane, float farPlane)
: 透視投影行列を生成します。
これらのメソッドを使用して、特定の変換を表す行列を簡単に生成することができます。
その他のライブラリ
Qt 以外にも、Eigen や Armadillo などの数学ライブラリを使用して、行列を操作することができます。これらのライブラリは、より高度な行列操作機能を提供します。
例
// 単位行列を生成
QMatrix4x4 matrix1 = QMatrix4x4::identity();
// 平行移動行列を生成
QMatrix4x4 matrix2 = QMatrix4x4::translation(QVector3D(1.0f, 2.0f, 3.0f));
// 拡大縮小行列を生成
QMatrix4x4 matrix3 = QMatrix4x4::scaling(QVector3D(2.0f, 3.0f, 4.0f));
// 回転行列を生成
QMatrix4x4 matrix4 = QMatrix4x4::rotation(QQuaternion::fromAxisAndAngle(QVector3D(0.0f, 1.0f, 0.0f), 45.0f));
// 透視投影行列を生成
QMatrix4x4 matrix5 = QMatrix4x4::perspective(45.0f, 1.0f, 0.1f, 100.0f);
QMatrix4x4 クラスを初期化するには、さまざまな方法があります。ニーズに最適な方法を選択してください。
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