Qt GUIチュートリアル:QPainterPath::moveTo()で線や曲線を描画
Qt GUIにおけるQPainterPath::moveTo()解説
本解説では、以下の内容を分かりやすく説明します。
- QPainterPath::moveTo()の概要
- 関数の使い方
- 具体的なコード例
- 補足情報
QPainterPath::moveTo()の概要
QPainterPath::moveTo()は、ペイントパスにおける現在の位置を (x, y) 座標に移動します。この関数は、線や曲線などの描画を開始する前に呼び出す必要があります。
主な機能:
- ペイントパスにおける現在の位置を指定
- 線や曲線などの描画開始前に呼び出し
- 複数の形状を連続して描画する場合に有効
引数:
- x: 移動先のX座標
- y: 移動先のY座標
戻り値:
なし
関数の使い方
QPainterPath::moveTo()は、QPainterPathオブジェクトに対して呼び出します。以下のコード例のように、引数に移動先のX座標とY座標を指定します。
// QPainterPathオブジェクトを作成
QPainterPath path;
// 現在の位置を(10, 20)に移動
path.moveTo(10, 20);
// そこから(50, 50)まで直線を描画
path.lineTo(50, 50);
// QPainterオブジェクトを作成
QPainter painter(this);
// ペイントパスを描画
painter.drawPath(path);
このコードを実行すると、(10, 20)から(50, 50)までの直線が描画されます。
具体的なコード例
以下のコード例は、QPainterPath::moveTo()を使用して、三角形を描画する例です。
QPainterPath path;
// 現在の位置を(10, 20)に移動
path.moveTo(10, 20);
// (50, 50)まで線を描画
path.lineTo(50, 50);
// (90, 20)まで線を描画
path.lineTo(90, 20);
// 最初の点まで線を描画して閉じて三角形を作る
path.lineTo(10, 20);
// QPainterオブジェクトを作成
QPainter painter(this);
// ペイントパスを描画
painter.drawPath(path);
このコードを実行すると、(10, 20)、(50, 50)、(90, 20)の3点を通る三角形が描画されます。
補足情報
- QPainterPath::moveTo()は、複数の形状を連続して描画する場合に有効です。
- 現在の位置を移動した後は、lineTo()、cubicTo()などの関数を使用して、線や曲線を描画することができます。
- QPainterPath::currentPosition()関数を使用して、現在の位置を取得することができます。
QPainterPath::moveTo()を使ったサンプルコード集
QPainterPath path;
// 現在の位置を(10, 20)に移動
path.moveTo(10, 20);
// (50, 50)まで直線を描画
path.lineTo(50, 50);
// (90, 80)まで二次曲線を描画
path.quadTo(70, 120, 90, 80);
// (130, 50)まで三次曲線を描画
path.cubicTo(110, 100, 120, 30, 130, 50);
// QPainterオブジェクトを作成
QPainter painter(this);
// ペイントパスを描画
painter.drawPath(path);
このコードを実行すると、(10, 20)から(50, 50)までの直線、(50, 50)から(90, 80)までの二次曲線、(90, 80)から(130, 50)までの三次曲線が描画されます。
閉じた形状を描画する
QPainterPath path;
// 現在の位置を(10, 20)に移動
path.moveTo(10, 20);
// (50, 50)まで線を描画
path.lineTo(50, 50);
// (90, 20)まで線を描画
path.lineTo(90, 20);
// 最初の点まで線を描画して閉じて三角形を作る
path.lineTo(10, 20);
// 塗りつぶしの色を設定
path.setFillRule(Qt::OddEvenFill);
path.setFillColor(Qt::red);
// QPainterオブジェクトを作成
QPainter painter(this);
// ペイントパスを描画
painter.drawPath(path);
このコードを実行すると、(10, 20)、(50, 50)、(90, 20)の3点を通る赤い三角形が描画されます。
円弧を描画する
QPainterPath path;
// 現在の位置を(50, 50)に移動
path.moveTo(50, 50);
// 中心座標(50, 50)、半径30、開始角度0、描画角度90の円弧を描画
path.arcTo(50, 50, 30, 0, 90);
// QPainterオブジェクトを作成
QPainter painter(this);
// ペイントパスを描画
painter.drawPath(path);
このコードを実行すると、中心座標(50, 50)、半径30、開始角度0、描画角度90の円弧が描画されます。
楕円を描画する
QPainterPath path;
// 現在の位置を(50, 50)に移動
path.moveTo(50, 50);
// 中心座標(50, 50)、横幅100、縦幅50の楕円を描画
path.addEllipse(50, 50, 100, 50);
// QPainterオブジェクトを作成
QPainter painter(this);
// ペイントパスを描画
painter.drawPath(path);
このコードを実行すると、中心座標(50, 50)、横幅100、縦幅50の楕円が描画されます。
テキストを描画する
QPainterPath path;
// 現在の位置を(50, 50)に移動
path.moveTo(50, 50);
// "Qt"という文字列を描画
path.addText(50, 50, QFont("Arial", 20), "Qt");
// QPainterオブジェクトを作成
QPainter painter(this);
// ペイントパスを描画
painter.drawPath(path);
このコードを実行すると、(50, 50)に "Qt" という文字列が描画されます。
**これらのサンプルコードはあくまでも
QPainterPath::moveTo() 以外の方法
QPainterPath::lineTo()
lineTo() は、現在の位置から指定された座標まで直線を描画し、同時に現在の位置をその座標に移動します。
QPainterPath path;
// 現在の位置を(10, 20)に移動
path.moveTo(10, 20);
// (50, 50)まで直線を描画し、現在の位置を(50, 50)に移動
path.lineTo(50, 50);
// ...
QPainterPath::cubicTo()
cubicTo() は、現在の位置から指定された3つの座標を通る三次曲線を描画し、同時に現在の位置を最後の座標に移動します。
QPainterPath path;
// 現在の位置を(10, 20)に移動
path.moveTo(10, 20);
// (50, 50), (70, 120), (90, 80)を通る三次曲線を描画し、現在の位置を(90, 80)に移動
path.cubicTo(50, 50, 70, 120, 90, 80);
// ...
QPainterPath::arcTo()
arcTo() は、現在の位置を中心とする円弧を描画し、同時に現在の位置を円弧の終点に移動します。
QPainterPath path;
// 現在の位置を(50, 50)に移動
path.moveTo(50, 50);
// 中心座標(50, 50)、半径30、開始角度0、描画角度90の円弧を描画し、現在の位置を円弧の終点に移動
path.arcTo(50, 50, 30, 0, 90);
// ...
QPainterPath::addEllipse()
addEllipse() は、現在の位置を中心とする楕円を描画します。現在の位置は移動しません。
QPainterPath path;
// 現在の位置を(50, 50)に移動
path.moveTo(50, 50);
// 中心座標(50, 50)、横幅100、縦幅50の楕円を描画
path.addEllipse(50, 50, 100, 50);
// ...
QPainterPath::addText()
addText() は、現在の位置にテキストを描画します。現在の位置は移動しません。
QPainterPath path;
// 現在の位置を(50, 50)に移動
path.moveTo(50, 50);
// "Qt"という文字列を描画
path.addText(50, 50, QFont("Arial", 20), "Qt");
// ...
これらの方法を使い分けることで、より複雑な形状や図形を効率的に描画することができます。
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