スクロールバーの動きも思いのまま!QScrollerProperties::QScrollerProperties()でQt Widgetsのスクロールをカスタマイズ
Qt WidgetsにおけるQScrollerProperties::QScrollerProperties()
このコンストラクタは、以下の役割を果たします。
- スクロール動作のパラメータを初期化します。
- デフォルトのパラメータ値を設定します。
コンストラクタの詳細
**QScrollerProperties::QScrollerProperties()**には、以下の引数があります。
- other: コピー元のQScrollerPropertiesオブジェクト。省略可能です。
otherが指定された場合は、otherのパラメータ値をコピーして、新しいQScrollerPropertiesオブジェクトを作成します。otherが省略された場合は、デフォルトのパラメータ値で新しいQScrollerPropertiesオブジェクトを作成します。
デフォルトのパラメータ値
以下の表は、**QScrollerProperties::QScrollerProperties()**で設定されるデフォルトのパラメータ値です。
パラメータ | 説明 | デフォルト値 |
---|---|---|
scrolling | スクロール機能の有効/無効 | 有効 |
overshootPolicy | 慣性スクロール時のオーバーシュートの制御 | OvershootAlways |
scrollMetric | スクロール量の計算方法 | ScrollMetric::PixelMetric |
dragStartDistance | ドラッグ開始判定の閾値 | 0 |
dragVelocity | ドラッグ判定の速度閾値 | 0 |
bounceEffect | バウンス効果の有効/無効 | 無効 |
minimumVelocity | 慣性スクロール開始に必要な最低速度 | 0 |
maximumVelocity | 慣性スクロールの最大速度 | 無制限 |
deceleration | 慣性スクロールの減速率 | 0.99 |
targetDt | 慣性スクロールのタイムステップ | 16 |
これらのパラメータ値は、QScrollerPropertiesオブジェクトのsetterメソッドを使用して変更することができます。
使用例
以下のコードは、**QScrollerProperties::QScrollerProperties()**を使用して、スクロール動作のパラメータを設定する例です。
// QScrollerPropertiesオブジェクトを作成
QScrollerProperties props;
// スクロール機能を無効にする
props.setScrolling(false);
// 慣性スクロール時のオーバーシュートを無効にする
props.setOvershootPolicy(QScrollerProperties::OvershootNever);
// スクロール量の計算方法をピクセル単位に変更
props.setScrollMetric(QScrollerProperties::ScrollMetric::PixelMetric);
// ドラッグ開始判定の閾値を10ピクセルに変更
props.setDragStartDistance(10);
// ...
// QScrollerオブジェクトに設定を適用
QScroller scroller(widget);
scroller.setScrollerProperties(props);
**QScrollerProperties::QScrollerProperties()**は、Qt Widgetsにおけるスクロール動作を制御するための重要なコンストラクタです。このコンストラクタを使用して、スクロール動作のパラメータを設定することで、ユーザーインターフェースの使い勝手を向上させることができます。
Qt WidgetsにおけるQScrollerProperties::QScrollerProperties()のサンプルコード
スクロール機能の有効/無効
// スクロール機能を有効にする
QScrollerProperties props;
props.setScrolling(true);
// スクロール機能を無効にする
QScrollerProperties props;
props.setScrolling(false);
慣性スクロール時のオーバーシュートの制御
// 慣性スクロール時のオーバーシュートを常に許可する
QScrollerProperties props;
props.setOvershootPolicy(QScrollerProperties::OvershootAlways);
// 慣性スクロール時のオーバーシュートを常に禁止する
QScrollerProperties props;
props.setOvershootPolicy(QScrollerProperties::OvershootNever);
// 慣性スクロール時のオーバーシュートを弾性的に制御する
QScrollerProperties props;
props.setOvershootPolicy(QScrollerProperties::OvershootIfAllowed);
スクロール量の計算方法
// スクロール量をピクセル単位で計算する
QScrollerProperties props;
props.setScrollMetric(QScrollerProperties::ScrollMetric::PixelMetric);
// スクロール量をコンテンツサイズに基づいて計算する
QScrollerProperties props;
props.setScrollMetric(QScrollerProperties::ScrollMetric::ContentMetric);
ドラッグ開始判定の閾値
// ドラッグ開始判定の閾値を10ピクセルに設定する
QScrollerProperties props;
props.setDragStartDistance(10);
ドラッグ判定の速度閾値
// ドラッグ判定の速度閾値を10ピクセル/秒に設定する
QScrollerProperties props;
props.setDragVelocity(10);
バウンス効果
// バウンス効果を有効にする
QScrollerProperties props;
props.setBounceEffect(true);
// バウンス効果を無効にする
QScrollerProperties props;
props.setBounceEffect(false);
慣性スクロールの開始に必要な最低速度
// 慣性スクロールの開始に必要な最低速度を10ピクセル/秒に設定する
QScrollerProperties props;
props.setMinimumVelocity(10);
慣性スクロールの最大速度
// 慣性スクロールの最大速度を200ピクセル/秒に設定する
QScrollerProperties props;
props.setMaximumVelocity(200);
慣性スクロールの減速率
// 慣性スクロールの減速率を0.95に設定する
QScrollerProperties props;
props.setDeceleration(0.95);
慣性スクロールのタイムステップ
// 慣性スクロールのタイムステップを16ミリ秒に設定する
QScrollerProperties props;
props.setTargetDt(16);
QScrollerオブジェクトへの設定
// QScrollerPropertiesオブジェクトを作成
QScrollerProperties props;
// スクロール機能を有効にする
props.setScrolling(true);
// ...
// QScrollerオブジェクトに設定を適用
QScroller scroller(widget);
scroller.setScrollerProperties(props);
QScrollerProperties::QScrollerProperties() 以外の方法
QScroller::setScrollParameters()
QScroller::setScrollParameters() メソッドを使用して、スクロール動作のパラメータを設定することができます。この方法は、QScrollerProperties::QScrollerProperties() よりも細かい制御が可能です。
// QScrollerオブジェクトを作成
QScroller scroller(widget);
// スクロール速度を設定
scroller.setScrollParameters(QScroller::Speed, 100);
// 慣性スクロールの減速率を設定
scroller.setScrollParameters(QScroller::Deceleration, 0.95);
// ...
QAbstractScrollArea::setScrollMode()
QAbstractScrollArea::setScrollMode() メソッドを使用して、スクロールの方向を設定することができます。
// QAbstractScrollAreaオブジェクトを作成
QAbstractScrollArea scrollArea;
// 水平方向のみスクロール可能にする
scrollArea.setScrollMode(Qt::Horizontal);
// 垂直方向のみスクロール可能にする
scrollArea.setScrollMode(Qt::Vertical);
// 垂直方向と水平方向の両方をスクロール可能にする
scrollArea.setScrollMode(Qt::ScrollPerPixel);
QScrollBar::setValue()
QScrollBar::setValue() メソッドを使用して、スクロールバーの位置を設定することができます。
// QScrollBarオブジェクトを作成
QScrollBar scrollBar;
// スクロールバーの位置を100に設定する
scrollBar.setValue(100);
QMouseEvent::wheelEvent()
QMouseEvent::wheelEvent() イベントを処理して、マウスホイールによるスクロールを実装することができます。
void MyClass::wheelEvent(QMouseEvent *event)
{
// マウスホイールの回転量を取得
int delta = event->delta();
// スクロールバーの位置を更新
scrollBar->setValue(scrollBar->value() + delta);
}
これらの方法を組み合わせることで、より複雑なスクロール動作を実現することができます。
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