Qt GUI プログラミング - QStandardItem::child() 関数による子アイテムの取得
Qt GUI の QStandardItem::child() 関数について
QStandardItem::child()
関数は、Qt GUI フレームワークでツリーモデルを扱う際に、親アイテムの子アイテムを取得するために使用されます。ツリーモデルは、階層的なデータ構造を表現するのに役立ち、QStandardItem クラスは、ツリーモデル内の各アイテムを表します。
機能
child()
関数は、以下の情報を指定して呼び出すことができます。
- row: 子アイテムの行番号。0 から始まるインデックスで指定します。
- column: 子アイテムの列番号 (オプション)。デフォルトは 0 です。
戻り値
child()
関数は、指定された行と列にある子アイテムへのポインタを返します。子アイテムが存在しない場合は、nullptr
が返されます。
コード例
// 親アイテムを作成
QStandardItem *parentItem = new QStandardItem("親アイテム");
// 子アイテムを作成
QStandardItem *childItem = new QStandardItem("子アイテム");
// 親アイテムに子アイテムを追加
parentItem->appendRow(childItem);
// 子アイテムを取得
QStandardItem *retrievedChildItem = parentItem->child(0);
// 子アイテムのテキストを取得
QString childText = retrievedChildItem->text();
// 子アイテムを削除
parentItem->removeRow(0);
補足
child()
関数は、QStandardItem
クラスの他にも、QAbstractItemModel
クラスとその派生クラスで使用することができます。child()
関数は、const メソッドであるため、呼び出す側で子アイテムを変更することはできません。- 子アイテムの数を取得するには、
rowCount()
関数を使用します。 - 特定の条件に合致する子アイテムを探すには、
findItems()
関数を使用することができます。
Qt GUI の QStandardItem::child() 関数を使ったサンプルコード
親子関係を持つアイテムの作成と取得
// 親アイテムを作成
QStandardItem *parentItem = new QStandardItem("親アイテム");
// 子アイテムを作成
QStandardItem *childItem1 = new QStandardItem("子アイテム1");
QStandardItem *childItem2 = new QStandardItem("子アイテム2");
// 親アイテムに子アイテムを追加
parentItem->appendRow(childItem1);
parentItem->appendRow(childItem2);
// 子アイテムを取得
QStandardItem *retrievedChildItem1 = parentItem->child(0);
QStandardItem *retrievedChildItem2 = parentItem->child(1);
// 子アイテムのテキストを取得
QString childText1 = retrievedChildItem1->text();
QString childText2 = retrievedChildItem2->text();
// 結果を出力
qDebug() << "親アイテムのテキスト: " << parentItem->text();
qDebug() << "1番目の子アイテムのテキスト: " << childText1;
qDebug() << "2番目の子アイテムのテキスト: " << childText2;
// 子アイテムを削除
parentItem->removeRow(0);
parentItem->removeRow(0);
すべての直属子アイテムを取得
// 親アイテムを作成
QStandardItem *parentItem = new QStandardItem("親アイテム");
// 子アイテムを作成
QStandardItem *childItem1 = new QStandardItem("子アイテム1");
QStandardItem *childItem2 = new QStandardItem("子アイテム2");
QStandardItem *childItem3 = new QStandardItem("子アイテム3");
// 親アイテムに子アイテムを追加
parentItem->appendRow(childItem1);
parentItem->appendRow(childItem2);
parentItem->appendRow(childItem3);
// 子アイテムの数を取得
int childCount = parentItem->rowCount();
// すべての直属子アイテムを取得
for (int i = 0; i < childCount; ++i) {
QStandardItem *childItem = parentItem->child(i);
QString childText = childItem->text();
qDebug() << "子アイテムのテキスト: " << childText;
}
// 子アイテムを削除
parentItem->removeRow(0);
parentItem->removeRow(0);
parentItem->removeRow(0);
このコードは、3 つの直属子アイテムを持つ親アイテムを作成し、rowCount()
関数と child()
関数を使ってすべての直属子アイテムを取得します。
特定の条件に合致する子アイテムを探す
// 親アイテムを作成
QStandardItem *parentItem = new QStandardItem("親アイテム");
// 子アイテムを作成
QStandardItem *childItem1 = new QStandardItem("子アイテム1");
childItem1->setData("data1", Qt::UserRole);
QStandardItem *childItem2 = new QStandardItem("子アイテム2");
childItem2->setData("data2", Qt::UserRole);
QStandardItem *childItem3 = new QStandardItem("子アイテム3");
childItem3->setData("data3", Qt::UserRole);
// 親アイテムに子アイテムを追加
parentItem->appendRow(childItem1);
parentItem->appendRow(childItem2);
parentItem->appendRow(childItem3);
// 特定の条件に合致する子アイテムを探す
QList<QStandardItem *> matchingItems = parentItem->findItems("data2", Qt::UserRole);
// 結果を出力
if (matchingItems.size() > 0) {
for (QStandardItem *item : matchingItems) {
qDebug() << "条件に合致する子アイテムのテキスト: " << item->text();
}
} else {
qDebug() << "条件に合致する子アイテムが見つかりませんでした。";
}
// 子アイテムを削除
parentItem->removeRow(0);
parentItem->removeRow(0);
parentItem->removeRow(0);
このコードは、`
Qt GUI の QStandardItem::child() 関数を使ったその他の方法
兄弟アイテムを取得
// 親アイテムを作成
QStandardItem *parentItem = new QStandardItem("親アイテム");
// 子アイテムを作成
QStandardItem *childItem1 = new QStandardItem("子アイテム1");
QStandardItem *childItem2 = new
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