Qt GUIにおけるQTextCursor::verticalMovementX()解説
Qt GUIにおけるQTextCursor::verticalMovementX()解説
この関数の詳細
- 戻り値: 整数値。カーソルが垂直方向に移動したピクセル数。正の値は下方向への移動、負の値は上方向への移動を表します。
- 引数:
direction
: カーソルの移動方向を表す Qt::VerticalMovement フラグ。以下のいずれか。- Qt::MoveUp: 上方向に移動
- Qt::MoveDown: 下方向に移動
- Qt::MoveLeft: 左方向に移動 (垂直方向の移動量を取得しない)
m
: カーソル移動の基準となる QTextCursor::MoveMode フラグ。以下のいずれか。- QTextCursor::MoveAnchor: アンカー位置を基準に移動
- QTextCursor::KeepAnchor: アンカー位置を固定して移動
使用例
QTextCursor cursor = ...; // テキストカーソルを取得
// カーソルを1行下へ移動
int yOffset = cursor.verticalMovementX(Qt::MoveDown);
// カーソルを移動後の位置に設定
cursor.movePosition(QTextCursor::MoveDown, yOffset);
// テキストを挿入
cursor.insertText("一行分のテキスト");
補足
- QTextCursor::verticalMovementX() は、Qt 5.14以降で導入された関数です。
- 垂直方向の移動量は、行間隔やフォントサイズなどの影響を受けます。
- カーソルが行頭または行末にある場合、この関数は0を返します。
QTextCursor::verticalMovementX() のサンプルコード
QTextCursor cursor = textEdit->textCursor();
// カーソルを1行下へ移動
int yOffset = cursor.verticalMovementX(Qt::MoveDown);
// カーソルを移動後の位置に設定
cursor.movePosition(QTextCursor::MoveDown, yOffset);
// テキストを挿入
cursor.insertText("一行分のテキスト");
カーソルを上下に移動し、移動量を表示する
void MainWindow::on_upButton_clicked()
{
QTextCursor cursor = textEdit->textCursor();
// カーソルを1行上へ移動
int yOffset = cursor.verticalMovementX(Qt::MoveUp);
// カーソルを移動後の位置に設定
cursor.movePosition(QTextCursor::MoveUp, yOffset);
// 移動量を表示
statusBar->showMessage(QString("Y軸移動量: %1").arg(yOffset));
}
void MainWindow::on_downButton_clicked()
{
QTextCursor cursor = textEdit->textCursor();
// カーソルを1行下へ移動
int yOffset = cursor.verticalMovementX(Qt::MoveDown);
// カーソルを移動後の位置に設定
cursor.movePosition(QTextCursor::MoveDown, yOffset);
// 移動量を表示
statusBar->showMessage(QString("Y軸移動量: %1").arg(yOffset));
}
カーソルを上下に移動し、選択範囲を調整する
void MainWindow::on_upButton_clicked()
{
QTextCursor cursor = textEdit->textCursor();
// カーソルを1行上へ移動
int yOffset = cursor.verticalMovementX(Qt::MoveUp);
// 選択範囲の開始位置を移動後の位置に設定
cursor.setPosition(cursor.selectionStart() + yOffset);
// テキストを選択
textEdit->setTextCursor(cursor);
}
void MainWindow::on_downButton_clicked()
{
QTextCursor cursor = textEdit->textCursor();
// カーソルを1行下へ移動
int yOffset = cursor.verticalMovementX(Qt::MoveDown);
// 選択範囲の終了位置を移動後の位置に設定
cursor.setPosition(cursor.selectionEnd() + yOffset);
// テキストを選択
textEdit->setTextCursor(cursor);
}
これらのサンプルコードは、QTextCursor::verticalMovementX() 関数の使い方を理解するのに役立ちます。
- カーソルを指定された行へ移動する
- カーソルを画面の可視範囲内に収める
- カーソルを単語の始めまたは終わりに移動する
これらのサンプルコードは、Qt公式ドキュメントやチュートリアルなどで見つけることができます。
QTextCursor::verticalMovementX() 以外の方法
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QTextLayout layout = ...; // テキストレイアウトを取得
// カーソル位置の行数
int lineIndex = cursor.blockNumber();
// カーソル位置の矩形
QRectF rect = layout.boundingRect(lineIndex);
// 垂直方向の移動量
int yOffset = rect.height() * (cursor.position() - layout.position(lineIndex));
QTextBlock::height() 関数は、テキストブロックの高さ
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