Qt GUI プログラミング:QTextDocument::pageSize メソッドを使いこなす
Qt GUI の QTextDocument::pageSize メソッド
QTextDocument::pageSize
メソッドは、ドキュメントのページサイズを取得します。これは、印刷やプレビューなどの処理に役立ちます。
プロトタイプ
QSizeF QTextDocument::pageSize() const;
引数
なし
戻り値
ページサイズを表す QSizeF
オブジェクト
詳細
QTextDocument::pageSize
メソッドは、ドキュメントの論理的なページサイズを返します。これは、物理的なページサイズとは異なる場合があります。例えば、プリンターの用紙サイズや余白設定によって、物理的なページサイズは異なります。
QTextDocument::pageSize
メソッドは、以下の要素に基づいてページサイズを計算します。
- ドキュメントの紙サイズ
- ドキュメントの余白
- ドキュメントの向き
例
QTextDocument document;
QSizeF pageSize = document.pageSize();
// ページサイズをインチ単位で表示
qDebug() << "Page size: " << pageSize.width() << "x" << pageSize.height() << "in";
出力例
Page size: 8.5x11in
関連メソッド
QTextDocument::setPageSize()
QTextDocument::documentMargin()
QTextDocument::pageCount()
補足
QTextDocument::pageSize
メソッドは、Qt GUI フレームワークを使用する必要があるため、コンソールアプリケーションでは使用できません。- ページサイズを変更するには、
QTextDocument::setPageSize()
メソッドを使用します。
QTextDocument::pageSize メソッドのサンプルコード
QTextDocument document;
QSizeF pageSize = document.pageSize();
// ページサイズをインチ単位で表示
qDebug() << "Page size: " << pageSize.width() << "x" << pageSize.height() << "in";
ページサイズを変更する
QTextDocument document;
// ページサイズを A4 サイズに変更
document.setPageSize(QPageSize::A4);
// 変更後のページサイズを取得
QSizeF pageSize = document.pageSize();
// 変更後のページサイズをインチ単位で表示
qDebug() << "Page size: " << pageSize.width() << "x" << pageSize.height() << "in";
ページサイズをピクセル単位で取得する
QTextDocument document;
// ページサイズをピクセル単位で取得
QSizeF pageSize = document.pageSize(QPageSize::Inch);
// ページサイズをインチ単位に変換
pageSize *= QPageSize::Inch;
// ページサイズをインチ単位で表示
qDebug() << "Page size: " << pageSize.width() << "x" << pageSize.height() << "in";
ページサイズをプリンターの用紙サイズに合わせる
QTextDocument document;
QPrinter printer;
// プリンターの用紙サイズを取得
QPageSize pageSize = printer.pageSize();
// ドキュメントのページサイズをプリンターの用紙サイズに設定
document.setPageSize(pageSize);
// ドキュメントを印刷
document.print(&printer);
ページサイズを自動的に調整する
QTextDocument document;
// ページサイズを自動的に調整
document.setPageSize(QTextDocument::PageSizeAuto);
// ドキュメントの内容に合わせてページサイズが自動的に調整されます
ページ余白を設定する
QTextDocument document;
// ページ余白を設定
document.setDocumentMargin(QMargins(10, 20, 30, 40));
// 設定したページ余白がドキュメントに適用されます
ページ番号を表示する
QTextDocument document;
// ページ番号を表示する
document.setDocumentMargin(QMargins(10, 20, 30, 40));
document.setPageSize(QPageSize::A4);
// ページ番号をヘッダーに表示
QTextHeader header;
header.setText("Page %p");
document.setHeader(QTextDocument::TopHeader, header);
// ドキュメントを印刷
document.print();
これらのサンプルコードは、QTextDocument::pageSize
メソッドの使い方を理解するのに役立ちます。
QTextDocument::pageSize メソッド以外の方法
QPageSize
クラスは、ページサイズを表すクラスです。このクラスを使用して、以下のことができます。
- 標準的なページサイズを取得する (例: A4、Letter)
- カスタムページサイズを作成する
- ページサイズをインチ、ポイント、ピクセルなどの単位に変換する
例
// A4 サイズのページサイズを作成
QPageSize pageSize(QPageSize::A4);
// ページサイズをインチ単位で取得
qreal width = pageSize.width(QPageSize::Inch);
qreal height = pageSize.height(QPageSize::Inch);
// ページサイズをピクセル単位に変換
qreal widthInPixels = pageSize.width(QPageSize::Pixel);
qreal heightInPixels = pageSize.height(QPageSize::Pixel);
QPrinter
クラスは、印刷ジョブを管理するクラスです。このクラスを使用して、以下のことができます。
- プリンターの用紙サイズを取得する
- ドキュメントをプリンターの用紙サイズに合わせる
例
QPrinter printer;
// プリンターの用紙サイズを取得
QPageSize pageSize = printer.pageSize();
// ドキュメントのページサイズをプリンターの用紙サイズに設定
document.setPageSize(pageSize);
// ドキュメントを印刷
document.print(&printer);
QTextDocument::size()
メソッドは、ドキュメントのコンテンツサイズを取得します。この方法を使用して、以下のことができます。
- ドキュメントのコンテンツの高さを取得し、それをページサイズとして使用する
例
QTextDocument document;
// ドキュメントのコンテンツの高さを取得
qreal height = document.size().height();
// ドキュメントのページサイズをコンテンツの高さに設定
document.setPageSize(QSizeF(document.size().width(), height));
QTextCursor::movePosition()
メソッドは、テキストカーソルを移動させることができます。この方法を使用して、以下のことができます。
- ドキュメントの最後の文字に移動し、その位置からページサイズを計算する
例
QTextDocument document;
QTextCursor cursor(document);
// ドキュメントの最後の文字に移動
cursor.movePosition(QTextCursor::End);
// ページサイズを計算
QSizeF pageSize(cursor.position().x(), cursor.position().y());
// ドキュメントのページサイズを設定
document.setPageSize(pageSize);
これらの方法は、QTextDocument::pageSize
メソッドよりも柔軟性がありますが、複雑な場合もあります。
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