printf() 関数の書式指定文字を使ってC言語でロケール設定に基づいて通貨フォーマットを設定する方法

2024-04-02

C言語における「LC_MONETARY」とローカライズのサポート

「LC_MONETARY」は以下の要素で構成されています。

  • currency_symbol: 通貨記号(例:$、€、¥)
  • mon_decimal_point: 少数点記号(例:.、,)
  • mon_thousands_sep: 千分位記号(例:,、')
  • mon_grouping: 千分位ごとに数字をグループ化する桁数
  • positive_sign: 正の数の記号(例:+)
  • negative_sign: 負の数の記号(例:-)
  • int_frac_digits: 整数部と小数部の桁数
  • frac_digits: 小数点以下の桁数
  • p_cs_precedes: 通貨記号が数値の前後に表示されるか
  • p_sep_by_space: 通貨記号と数値の間隔
  • p_sign_posn: 正の数の記号の位置

「LC_MONETARY」の使用例

以下のコードは、「LC_MONETARY」を使用して、米ドルとユーロのフォーマットを設定し、それぞれの通貨で金額を表示する例です。

#include <locale.h>
#include <stdio.h>

int main() {
  // 米ドルのロケールを設定
  setlocale(LC_ALL, "en_US.UTF-8");

  // 米ドルのフォーマットで金額を表示
  printf("米ドル: %'d\n", 123456789);

  // ユーロのロケールを設定
  setlocale(LC_ALL, "de_DE.UTF-8");

  // ユーロのフォーマットで金額を表示
  printf("ユーロ: %'d\n", 123456789);

  return 0;
}

このコードを実行すると、以下の出力が得られます。

米ドル: $123,456,789
ユーロ: 123.456.789,00 €

「LC_MONETARY」を使用する利点は、以下のとおりです。

  • プログラムコードを変更することなく、ロケールに基づいて通貨フォーマットを自動的に調整できる
  • 国際的なユーザーに対して、地域の慣習に合わせた通貨表示を提供できる
  • プログラムの移植性を向上させる


C言語における「LC_MONETARY」のサンプルコード

#include <locale.h>
#include <stdio.h>

int main() {
  // 日本語のロケールを設定
  setlocale(LC_ALL, "ja_JP.UTF-8");

  // 日本語のフォーマットで金額を表示
  printf("金額: %.2f円\n", 1234.5678);

  // 英語のロケールを設定
  setlocale(LC_ALL, "en_US.UTF-8");

  // 英語のフォーマットで金額を表示
  printf("Amount: $%.2f\n", 1234.5678);

  return 0;
}

出力例

金額: 1,234.57円
Amount: $1,234.57

千分位記号の追加

#include <locale.h>
#include <stdio.h>

int main() {
  // ドイツ語のロケールを設定
  setlocale(LC_ALL, "de_DE.UTF-8");

  // ドイツ語のフォーマットで金額を表示
  printf("Betrag: %'d €\n", 123456789);

  return 0;
}

出力例

Betrag: 123.456.789 €

負の数の表示

#include <locale.h>
#include <stdio.h>

int main() {
  // フランス語のロケールを設定
  setlocale(LC_ALL, "fr_FR.UTF-8");

  // フランス語のフォーマットで負の金額を表示
  printf("Montant: %'d €\n", -123456789);

  return 0;
}

出力例

Montant: -123.456.789 €

通貨記号の位置

#include <locale.h>
#include <stdio.h>

int main() {
  // イタリア語のロケールを設定
  setlocale(LC_ALL, "it_IT.UTF-8");

  // イタリア語のフォーマットで金額を表示
  printf("Importo: %'d €\n", 123456789);

  return 0;
}

出力例

Importo: € 123.456.789

整数部と小数部の桁数

#include <locale.h>
#include <stdio.h>

int main() {
  // ロシア語のロケールを設定
  setlocale(LC_ALL, "ru_RU.UTF-8");

  // ロシア語のフォーマットで金額を表示
  printf("Сумма: %.4f руб\n", 1234.56789);

  return 0;
}

出力例

Сумма: 1 234,5679 руб

上記は、「LC_MONETARY」を使用して様々な通貨フォーマットを設定する例です。これらのサンプルコードを参考に、ニーズに合わせたフォーマット設定を行ってください。



C言語でロケール設定に基づいて通貨フォーマットを設定する他の方法

printf() 関数の書式指定文字を使用して、ロケール設定に基づいて通貨フォーマットを指定することができます。

#include <stdio.h>

int main() {
  // 日本語のロケールを設定
  setlocale(LC_ALL, "ja_JP.UTF-8");

  // 日本語のフォーマットで金額を表示
  printf("金額: %'d円\n", 123456789);

  return 0;
}

書式指定文字

  • % : 書式指定の開始
  • ': ロケール設定に基づいてフォーマット
  • d: 整数
  • f: 浮動小数点数

strftime() 関数は、日付や時刻を文字列に変換する関数です。ロケール設定に基づいて通貨フォーマットを指定することもできます。

#include <locale.h>
#include <stdio.h>
#include <time.h>

int main() {
  // 日本語のロケールを設定
  setlocale(LC_ALL, "ja_JP.UTF-8");

  // 現在時刻を取得
  time_t t = time(NULL);

  // 日本語のフォーマットで金額を表示
  char buf[64];
  strftime(buf, sizeof(buf), "%Y年%m月%d日 %H時%M分%S %'n", localtime(&t));
  printf("%s\n", buf);

  return 0;
}

書式指定文字

  • n: 通貨

ICU ライブラリは、国際化とロケールに対応するオープンソースライブラリです。C言語から ICU ライブラリを使用して、ロケール設定に基づいて通貨フォーマットを設定することができます。

#include <unicode/ucal.h>
#include <unicode/uloc.h>
#include <unicode/unum.h>

int main() {
  // 日本語のロケールを設定
  uloc_setLocale("ja_JP");

  // UNumberFormat オブジェクトを作成
  UNumberFormat *fmt = unum_open(UNUM_CURRENCY, UNUM_DECIMAL, "ja_JP", NULL);

  // 金額をフォーマット
  char buf[64];
  unum_formatDouble(fmt, 123456789.0, buf, sizeof(buf), NULL, NULL);

  // 結果を表示
  printf("%s\n", buf);

  // UNumberFormat オブジェクトを解放
  unum_close(fmt);

  return 0;
}

これらの方法はそれぞれ利点と欠点があります。ニーズに合わせて最適な方法を選択してください。

それぞれの方法の比較

方法利点欠点
LC_MONETARY 構造体シンプル詳細なフォーマット設定が難しい
printf() 関数の書式指定文字簡単書式指定文字が限られる
strftime() 関数柔軟書式指定が複雑
ICU ライブラリ柔軟で強力複雑



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