C++標準ライブラリの種類と選び方:Androidアプリ開発におけるANDROID_STL_TYPE
CMake の "Properties: Targets" における "ANDROID_STL_TYPE" の詳細解説
"ANDROID_STL_TYPE" は、CMake で Android アプリケーションをビルドする際に、C++ 標準ライブラリ (STL) の種類を指定するために使用するターゲットプロパティです。これは "Properties: Targets" セクションで設定できます。
設定可能な値
"ANDROID_STL_TYPE" は以下のいずれかの値に設定できます:
- none: C++ サポートなし
- system: 最小限の C++ (STL なし)
- gabi++_static: GAbi++ 静的
- gabi++_shared: GAbi++ 共有
- gnustl_static: GNU libstdc++ 静的
- c++_static: LLVM libc++ 静的
- c++_shared: LLVM libc++ 共有
- stlport_static: STLport 静的
- stlport_shared: STLport 共有
デフォルト値は以下の通りです:
- NDK が
gnustl_static
を提供する場合はgnustl_static
- それ以外の場合は
c++_static
各設定の詳細
- none: C++ コードはビルドされません。
- system: 最小限の C++ ランタイムのみが提供されます。STL は使用できません。
- gabi++_static: GAbi++ 静的ライブラリを使用します。
- gnustl_static: GNU libstdc++ 静的ライブラリを使用します。
- c++_static: LLVM libc++ 静的ライブラリを使用します。
- stlport_static: STLport 静的ライブラリを使用します。
注意事項
- 設定する値は、NDK がサポートするものである必要があります。
- 共有ライブラリを使用する場合は、アプリケーション APK にライブラリを含める必要があります。
- 静的ライブラリを使用する場合は、アプリケーション APK はライブラリに依存します。
補足
- "ANDROID_STL_TYPE" は、Android アプリケーションのビルドに影響を与える重要なプロパティです。
- 適切な値を選択するには、アプリケーションの要件と NDK のサポート状況を考慮する必要があります。
- 上記の参考資料は、"ANDROID_STL_TYPE" の設定に関する詳細情報を提供します。
- ご不明な点があれば、お気軽にご質問ください。
Android アプリケーションにおける "ANDROID_STL_TYPE" のサンプルコード
CMakeLists.txt
cmake_minimum_required(VERSION 3.14)
set(CMAKE_CXX_STANDARD 11)
project(MyApp)
add_library(mylib SHARED
src/mylib.cpp)
target_link_libraries(mylib
android)
add_executable(myapp
src/myapp.cpp)
target_link_libraries(myapp
mylib
android)
set_target_properties(myapp
PROPERTIES
ANDROID_STL_TYPE "c++_static")
src/mylib.cpp
#include <iostream>
int main() {
std::cout << "Hello from mylib!" << std::endl;
return 0;
}
src/myapp.cpp
#include <iostream>
#include "mylib.h"
int main() {
std::cout << "Hello from myapp!" << std::endl;
mylib_function();
return 0;
}
このサンプルコードでは、"ANDROID_STL_TYPE" プロパティを "c++_static" に設定しています。これは、アプリケーションが LLVM libc++ 静的ライブラリを使用することを意味します。
その他のサンプルコード
- "gnustl_shared" を使用する場合は、以下のようになります:
set_target_properties(myapp
PROPERTIES
ANDROID_STL_TYPE "gnustl_shared")
- "none" を使用する場合は、以下のようになります:
set_target_properties(myapp
PROPERTIES
ANDROID_STL_TYPE "none")
注意事項
- 上記のサンプルコードは、あくまでも参考として使用してください。
- アプリケーションの要件に合わせて、コードを変更する必要があります。
"ANDROID_STL_TYPE" を設定するその他の方法
方法 1: コマンドライン
以下のコマンドを使用して、cmake
コマンドラインから "ANDROID_STL_TYPE" プロパティを設定できます:
cmake -DANDROID_STL_TYPE=c++_static ..
このコマンドは、"ANDROID_STL_TYPE" プロパティを "c++_static" に設定します。
方法 2: IDE
多くの IDE は、CMake プロパティを設定するための GUI を提供しています。これらの IDE では、通常、プロジェクト設定で "ANDROID_STL_TYPE" プロパティを見つけることができます。
方法 3: 環境変数
以下の環境変数を設定して、"ANDROID_STL_TYPE" プロパティのデフォルト値を設定できます:
CMAKE_ANDROID_STL_TYPE=c++_static
この環境変数を設定すると、cmake
コマンドラインまたは IDE で "ANDROID_STL_TYPE" プロパティを明示的に設定しなくても、すべてのターゲットに対して "c++_static" 値が使用されます。
注意事項
- コマンドラインまたは IDE を使用して "ANDROID_STL_TYPE" プロパティを設定すると、CMakeLists.txt ファイルで設定した値よりも優先されます。
- 環境変数を設定すると、コマンドラインまたは IDE で設定した値よりも優先されます。
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