C++標準ライブラリ、テンプレートエンジン、シェルスクリプト... string()コマンドの代替方法を徹底比較

2024-04-02

CMakeにおけるstring()コマンド

CMakeのstring()コマンドは、文字列処理を行うための強力なツールです。C++のstd::stringのような機能に加え、CMake特有の便利な機能も備えています。

主な機能

  • 文字列の連結、分割、置換、比較
  • 大文字・小文字変換
  • 部分文字列の抽出
  • 正規表現による検索・置換
  • ファイルパス処理
  • リスト操作

使い方

string()コマンドは、以下の形式で記述します。

string(COMMAND <コマンド> <引数> ...)

コマンド一覧

以下に、代表的なコマンドと簡単な説明を紹介します。詳細はCMake公式ドキュメントを参照してください。

  • APPEND:文字列を連結します。
  • COMPARE:文字列を比較します。
  • CONCAT:複数の文字列を連結します。
  • COPY:文字列をコピーします。
  • FIND:部分文字列を検索します。
  • LENGTH:文字列の長さを取得します。
  • LOWER:文字列を小文字に変換します。
  • MATCH:正規表現による検索を行います。
  • REPLACE:文字列を置換します。
  • REVERSE:文字列を反転します。
  • SUBSTRING:部分文字列を抽出します。
  • TITLE:単語の先頭を大文字に変換します。
  • TRIM:文字列の両端の空白文字を削除します。

以下に、string()コマンドの例を紹介します。

# 文字列の連結
string(APPEND var1 "Hello" " " "World!")
message(${var1}) # 出力: Hello World!

# 部分文字列の抽出
string(SUBSTRING var2 ${var1} 6 5)
message(${var2}) # 出力: World

# 大文字・小文字変換
string(TOUPPER var3 ${var2})
message(${var3}) # 出力: WORLD

# 正規表現による検索
string(MATCH regex "[A-Z]+ ${var3}")
if(${regex})
  message("英字のみの文字列です")
else
  message("英字以外の文字が含まれています")
endif

応用

string()コマンドは、様々な場面で活用できます。以下に、いくつかの例を紹介します。

  • ソースコードのバージョン情報自動生成
  • 設定ファイルの生成
  • テストコードの自動生成
  • ファイルパスの変換
  • 文字列の比較による条件分岐
  • 書籍: 書籍 CMakeによるC++ビルドシステム構築: URL 書籍 CMakeによるC++ビルドシステム構築

string()コマンドは、CMakeで文字列処理を行うための強力なツールです。様々な機能を理解することで、CMakeスクリプトの開発効率を大幅に向上させることができます。



string()コマンドのサンプルコード

ソースコードのバージョン情報自動生成

set(VERSION_MAJOR 1)
set(VERSION_MINOR 2)
set(VERSION_PATCH 3)

string(CONCAT VERSION "${VERSION_MAJOR}.${VERSION_MINOR}.${VERSION_PATCH}")

# ソースコードにバージョン情報を埋め込む
configure_file(
  "${CMAKE_SOURCE_DIR}/version.h.in"
  "${CMAKE_BINARY_DIR}/version.h"
  @ONLY
)

# バージョン情報を出力する
message("VERSION: ${VERSION}")

設定ファイルの生成

set(CONFIG_FILE "${CMAKE_BINARY_DIR}/config.ini")

string(APPEND CONFIG_FILE "[General]")
string(APPEND CONFIG_FILE "Name=My Application")
string(APPEND CONFIG_FILE "Version=${VERSION}")

string(APPEND CONFIG_FILE "[Settings]")
string(APPEND CONFIG_FILE "Option1=True")
string(APPEND CONFIG_FILE "Option2=False")

# 設定ファイルを書き出す
file(WRITE "${CONFIG_FILE}" "${CONFIG_FILE}")

テストコードの自動生成

set(TEST_CASES "
  Test1
  Test2
  Test3
")

foreach(TEST_CASE IN LISTS TEST_CASES)
  string(APPEND TEST_CODE "
    TEST(${TEST_CASE}) {
      // テストコード
    }
  ")
endforeach()

# テストコードをファイルに書き出す
file(WRITE "${CMAKE_BINARY_DIR}/test.cpp" "${TEST_CODE}")

ファイルパスの変換

set(SOURCE_FILE "${CMAKE_SOURCE_DIR}/main.cpp")
set(RELATIVE_PATH "${CMAKE_CURRENT_SOURCE_DIR}/../include")

string(RELATIVE_PATH RELATIVE_PATH "${SOURCE_FILE}" "${RELATIVE_PATH}")

# 相対パスを出力する
message("RELATIVE_PATH: ${RELATIVE_PATH}")

文字列の比較による条件分岐

set(OS_NAME "Windows")

string(EQUAL OS_NAME "Windows" IS_WINDOWS)

if(IS_WINDOWS)
  # Windows用の処理
else()
  # それ以外のOS用の処理
endif()


string()コマンドの代替方法

C++の標準ライブラリ

  • 利点:
    • 汎用性が高い
    • 多くのプログラマーが使い慣れている
  • 欠点:
    • CMake特有の機能を利用できない
    • CMakeスクリプト内でC++のコードを書く必要がある

テンプレートエンジン

  • 利点:
    • 複雑な文字列処理を簡単に記述できる
    • コードの可読性が高い
  • 欠点:
    • CMakeに標準で搭載されていない
    • 別途ライブラリをインストールする必要がある

シェルスクリプト

  • 利点:
    • 非常に柔軟な処理が可能
    • 多くのコマンドラインツールを利用できる
  • 欠点:
    • 可読性が低くなる可能性がある
    • プラットフォーム依存の問題が発生する可能性がある

Pythonスクリプト

  • 利点:
    • 豊富なライブラリを利用できる

方法の選択

どの方法を選択するかは、処理内容やプログラマーのスキル、環境などによって異なります。以下に、いくつかの目安を紹介します。

  • 簡単な文字列処理であれば、C++の標準ライブラリで十分
  • 複雑な文字列処理や繰り返し処理を行う場合は、テンプレートエンジンやシェルスクリプト、Pythonスクリプトなどを検討
  • CMake特有の機能を利用したい場合は、string()コマンドを使用



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