Visual StudioでCMakeを使う時に知っておきたいCMAKE_VS_SDK_LIBRARY_DIRECTORIES

2024-04-02

CMAKE_VS_SDK_LIBRARY_DIRECTORIES は、Visual Studio で生成されるプロジェクトファイルで使用されるライブラリディレクトリを指定する CMake 変数です。この変数を設定することで、Visual Studio 標準のライブラリ検索パスを上書きし、プロジェクトに必要なライブラリを確実にリンクすることができます。

詳細

  • バージョン: CMake 3.12 以降で利用可能
  • データ型: パス名のリスト
  • デフォルト値: Visual Studio のバージョンと構成によって異なる
  • 使用例:
set(CMAKE_VS_SDK_LIBRARY_DIRECTORIES
  "C:/Program Files/Microsoft Visual Studio/2022/BuildTools/VC/redist/MSVC/14.30.30704/lib"
  "C:/Program Files/Microsoft Visual Studio/2022/Community/VC/redist/MSVC/14.30.30704/lib/x64"
)

target_link_libraries(my_target
  ${CMAKE_VS_SDK_LIBRARY_DIRECTORIES}/my_library.lib
)

設定方法

  • CMakeLists.txt ファイル内で set() コマンドを使用して設定
  • cmake-guiccmake などの CMake GUI ツールを使用して設定

注意点

  • この変数は Visual Studio でのみ使用可能
  • 設定するパス名は、Visual Studio のバージョンと構成に一致する必要がある
  • 誤ったパスを設定すると、リンクエラーが発生する可能性

補足

  • CMAKE_VS_SDK_LIBRARY_DIRECTORIES は、CMAKE_VS_SDK_INCLUDE_DIRECTORIES と同様に、Visual Studio 標準の検索パスを上書きするために使用できます。
  • 複数の Visual Studio バージョンをインストールしている場合は、それぞれのバージョンに対応する CMAKE_VS_SDK_LIBRARY_DIRECTORIES 変数を設定する必要があります。
  • 詳細については、上記の参考資料を参照してください。


CMAKE_VS_SDK_LIBRARY_DIRECTORIES 変数を使ったサンプルコード

set(CMAKE_VS_SDK_LIBRARY_DIRECTORIES
  "C:/My/Custom/Libraries"
)

target_link_libraries(my_target
  my_library
)

この例では、my_library ライブラリへのリンクに C:/My/Custom/Libraries ディレクトリが使用されます。

サンプル 2: 複数の Visual Studio バージョンに対応する

if(CMAKE_VS_VERSION_MAJOR EQUAL 16)
  set(CMAKE_VS_SDK_LIBRARY_DIRECTORIES
    "C:/Program Files/Microsoft Visual Studio/2022/BuildTools/VC/redist/MSVC/14.30.30704/lib"
    "C:/Program Files/Microsoft Visual Studio/2022/Community/VC/redist/MSVC/14.30.30704/lib/x64"
  )
else()
  set(CMAKE_VS_SDK_LIBRARY_DIRECTORIES
    "C:/Program Files/Microsoft Visual Studio/2019/BuildTools/VC/redist/MSVC/14.29.30037/lib"
    "C:/Program Files/Microsoft Visual Studio/2019/Community/VC/redist/MSVC/14.29.30037/lib/x64"
  )
endif()

target_link_libraries(my_target
  my_library
)

この例では、Visual Studio 2019 と 2022 の両方に対応するために、それぞれのバージョンに対応する CMAKE_VS_SDK_LIBRARY_DIRECTORIES 変数を設定しています。

サンプル 3: CMake GUI ツールを使用して設定する

  • CMake GUI ツールを開き、プロジェクトファイルを選択します。
  • "Cache" タブをクリックし、「CMAKE_VS_SDK_LIBRARY_DIRECTORIES」変数を検索します。
  • 変数の値を編集し、「Apply」をクリックします。
  • 上記のサンプルコードはあくまでも参考です。
  • 実際の使用例は、プロジェクトの環境に合わせて調整する必要があります。


CMAKE_VS_SDK_LIBRARY_DIRECTORIES 変数を設定する他の方法

target_link_libraries() コマンドの LINK_DIRECTORIES オプションを使用して、ターゲットごとにライブラリディレクトリを指定することができます。

target_link_libraries(my_target
  my_library
  LINK_DIRECTORIES "C:/My/Custom/Libraries"
)

インクルードディレクトリ

CMAKE_VS_SDK_LIBRARY_DIRECTORIES は、インクルードディレクトリ (CMAKE_VS_SDK_INCLUDE_DIRECTORIES) と同様に設定できます。

set(CMAKE_VS_SDK_LIBRARY_DIRS
  "C:/My/Custom/Libraries"
)

list(APPEND CMAKE_VS_SDK_INCLUDE_DIRECTORIES ${CMAKE_VS_SDK_LIBRARY_DIRS})

target_link_libraries(my_target
  my_library
)

環境変数

VCVARSALL.BAT ファイルを実行して Visual Studio コマンドプロンプトを開き、LIB 環境変数を設定することで、プロジェクト全体にライブラリディレクトリを適用することができます。

set LIB=C:\My\Custom\Libraries

外部プロジェクトファイル

ExternalProject モジュールを使用して、外部プロジェクトファイルからライブラリディレクトリを取得することができます。

externalproject_add(my_library
  SOURCE_DIR "..."
  BUILD_COMMAND "..."
  INSTALL_COMMAND "..."
)

target_link_libraries(my_target
  ${my_library_LIBRARY}
)

手動設定

Visual Studio プロジェクトファイル (.vcxproj) を直接編集して、ライブラリディレクトリを設定することができます。

注意事項

  • 上記の方法にはそれぞれメリットとデメリットがあります。
  • 使用する方法は、プロジェクトの環境や要件に合わせて選択する必要があります。

CMAKE_VS_SDK_LIBRARY_DIRECTORIES 変数は、Visual Studio で生成されるプロジェクトファイルでライブラリディレクトリを指定するために便利な方法です。

上記の方法を参考に、プロジェクトに合った方法でライブラリディレクトリを設定してください。




CMake: find_library()とtarget_link_directories()の連携

target_link_directories()コマンドは、CMakeプロジェクト内のターゲットに対して、リンカがライブラリを検索するディレクトリを指定するために使用されます。これは、ターゲットがリンクするライブラリが標準の検索パスに存在しない場合に特に重要です。



CMake find_libraryコマンドとfind_packageモジュールの比較

find_library() コマンドは、CMake で外部ライブラリを見つけるために使用されます。これは、プロジェクトに必要なライブラリを自動的に検出して、ビルドプロセスを簡略化するのに役立ちます。コマンドフォーマット<VAR>: 検索結果を格納する変数名


CMakeの"Commands"における"fltk_wrap_ui()"プログラミングを徹底解説!

この解説では、CMakeの"Commands"における"fltk_wrap_ui()"プログラミングについて、分かりやすく説明します。"fltk_wrap_ui()"は、CMakeでFLTK GUIアプリケーションをビルドするために使用されるマクロです。このマクロは、FLTK GUI定義ファイルをC++コードに変換し、プロジェクトに組み込みます。


CMake try_compile() を使って特定のライブラリがインストールされているかどうかを確認する方法

try_compile() は、CMake の強力なコマンドの一つで、コードを実際にコンパイルすることなく、コンパイルが成功するかどうかを確認することができます。これは、特定のコンパイラやオプションがシステム上で使用可能かどうかをテストしたり、コードの移植性を検証したりする際に非常に便利です。


CMake の if() コマンド: デバッグとトラブルシューティング

構文条件式if() コマンドの引数には、条件式を指定します。条件式は、以下のいずれかの形式で記述できます。変数の比較: <variable> <operator> <value>コマンドの存在チェック: COMMAND <command-name>



CMakeにおけるCMAKE_CROSSCOMPILING変数の詳細解説

CMAKE_CROSSCOMPILING変数は、CMakeがクロスコンパイル環境で実行されているかどうかを判断するために使用されます。これは、ターゲットプラットフォームとビルドプラットフォームが異なる場合に設定されます。設定方法CMAKE_CROSSCOMPILING変数は、以下の方法で設定できます。


CMake: CMAKE_RUNTIME_OUTPUT_DIRECTORY変数を使って出力ディレクトリを制御

CMAKE_RUNTIME_OUTPUT_DIRECTORY は、CMake でビルドされた実行可能ファイル(exeファイルなど)の出力ディレクトリを指定する変数です。これは、ビルドされた実行ファイルをどこに配置するかを制御するのに役立ちます。


CMake try_compile() を使って特定のライブラリがインストールされているかどうかを確認する方法

try_compile() は、CMake の強力なコマンドの一つで、コードを実際にコンパイルすることなく、コンパイルが成功するかどうかを確認することができます。これは、特定のコンパイラやオプションがシステム上で使用可能かどうかをテストしたり、コードの移植性を検証したりする際に非常に便利です。


CMakeポリシー「CMP0099」徹底解説!依存関係を持つターゲットのビルドを思い通りに制御

CMakeポリシー CMP0099 は、プロジェクト内のターゲットが依存関係を持つターゲットをどのように処理するかを制御します。具体的には、依存関係を持つターゲットがビルドされていない場合に、ビルドプロセスがどのように動作するかを決定します。


CMakeの達人になるための秘訣!CMP0100ポリシーを使いこなして開発効率をアップ

このポリシーが解決する問題CMake では、ターゲットの PUBLIC インターフェースに追加されたヘッダーファイルは、そのターゲットに依存する他のターゲットからも直接インクルードできるようになっています。しかし、この仕組みにはいくつかの問題がありました。