CMake の if() コマンド: デバッグとトラブルシューティング

2024-04-02

CMake の if() コマンドについて

構文

if(<condition>)
  # 条件が真の場合に実行される命令
  ...
endif()

条件式

if() コマンドの引数には、条件式を指定します。条件式は、以下のいずれかの形式で記述できます。

  • 変数の比較: <variable> <operator> <value>
  • コマンドの存在チェック: COMMAND <command-name>
  • ポリシーの確認: POLICY <policy-id>

# 生成するバイナリの種類を判定
if(MSVC)
  # Windows 用のバイナリを生成
  set(CMAKE_CXX_FLAGS "${CMAKE_CXX_FLAGS} /MT")
else()
  # Unix 系用のバイナリを生成
  set(CMAKE_CXX_FLAGS "${CMAKE_CXX_FLAGS} -pthread")
endif()

# ライブラリの存在をチェック
if(EXISTS ${LIBRARY_A})
  # ライブラリ A が存在する場合
  target_link_libraries(my_target PUBLIC ${LIBRARY_A})
endif()
  • elseif() コマンドと else() コマンドを使用して、複数の条件を処理することができます。
  • endif() コマンドは、if() コマンドのブロックの終わりを示すために使用されます。

補足

  • 上記の説明は、CMake 3.29.0 の時点でのものです。古いバージョンの CMake では、構文や機能が異なる場合があります。

if() コマンドは、CMake で条件分岐を実現するための強力なツールです。このコマンドを理解することで、より複雑な CMake スクリプトを作成することができます。



CMake の if() コマンド サンプルコード

# 生成するバイナリの種類を判定
if(MSVC)
  # Windows 用のバイナリを生成
  set(CMAKE_CXX_FLAGS "${CMAKE_CXX_FLAGS} /MT")
else()
  # Unix 系用のバイナリを生成
  set(CMAKE_CXX_FLAGS "${CMAKE_CXX_FLAGS} -pthread")
endif()

ライブラリの存在をチェック

# ライブラリの存在をチェック
if(EXISTS ${LIBRARY_A})
  # ライブラリ A が存在する場合
  target_link_libraries(my_target PUBLIC ${LIBRARY_A})
endif()

オペレーティングシステム (OS) を判定

# オペレーティングシステム (OS) を判定
if(UNIX)
  # Unix 系 OS の場合
  message(STATUS "Building on Unix")
  ...
elseif(WIN32)
  # Windows の場合
  message(STATUS "Building on Windows")
  ...
else()
  # その他の OS の場合
  message(STATUS "Building on unknown OS")
  ...
endif()

特定のコンパイラが使用されているかどうかをチェック

# 特定のコンパイラが使用されているかどうかをチェック
if(CMAKE_COMPILER_IS_GNUCXX)
  # GCC コンパイラが使用されている場合
  message(STATUS "Using GCC compiler")
  ...
elseif(CMAKE_COMPILER_IS_CLANG)
  # Clang コンパイラが使用されている場合
  message(STATUS "Using Clang compiler")
  ...
else()
  # その他のコンパイラが使用されている場合
  message(STATUS "Using unknown compiler")
  ...
endif()

C++ の標準規格バージョンを判定

# C++ の標準規格バージョンを判定
if(CMAKE_CXX_STANDARD LESS 11)
  # C++11 以前の標準規格を使用している場合
  message(STATUS "Using C++ standard before 11")
  ...
elseif(CMAKE_CXX_STANDARD EQUAL 11)
  # C++11 標準規格を使用している場合
  message(STATUS "Using C++11 standard")
  ...
else()
  # C++14 以降の標準規格を使用している場合
  message(STATUS "Using C++14 or later standard")
  ...
endif()

デバッグビルドかどうかをチェック

# デバッグビルドかどうかをチェック
if(CMAKE_BUILD_TYPE STREQUAL "Debug")
  # デバッグビルドの場合
  set(CMAKE_CXX_FLAGS "${CMAKE_CXX_FLAGS} -g")
  ...
else()
  # リリースビルドの場合
  set(CMAKE_CXX_FLAGS "${CMAKE_CXX_FLAGS} -O2")
  ...
endif()

キャッシュ変数の値を取得

# キャッシュ変数の値を取得
if(CACHE_VAR_EXISTS "MY_CACHE_VAR")
  # キャッシュ変数 MY_CACHE_VAR が存在する場合
  message(STATUS "MY_CACHE_VAR


CMake の if() コマンドの代替方法

ternary operator

set(my_var ${condition} ? "value_if_true" : "value_if_false")

list() コマンド

list(APPEND my_list ${condition} ? "item_if_true" : "item_if_false")

string() コマンド

string(APPEND my_string ${condition} ? "text_if_true" : "text_if_false")

cmake_minimum_required() コマンド

cmake_minimum_required(VERSION 3.10)

if(NOT CMAKE_VERSION_LESS 3.10)
  # CMake 3.10 以降の場合
  ...
endif()

option() コマンド

option(MY_OPTION "Enable my option" ON)

if(MY_OPTION)
  # オプションが有効の場合
  ...
endif()

if() コマンドを使用するべき場合

  • 複雑な条件分岐を行う場合
  • 複数の条件を組み合わせて処理する場合
  • マクロや関数を呼び出す場合

代替方法を使用するべき場合

  • コードを簡潔に記述したい場合
  • 特定の機能を利用したい場合

if() コマンドは、CMake で条件分岐を実現するための強力なツールです。しかし、状況によっては他の代替方法の方が効率的な場合もあります。それぞれの方法の特徴を理解して、適切な方法を選択することが重要です。




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