位置独立コード (PIC) の生成と CMake の INTERFACE_POSITION_INDEPENDENT_CODE
CMake の Properties: Targets における INTERFACE_POSITION_INDEPENDENT_CODE
INTERFACE_POSITION_INDEPENDENT_CODE
は、CMake の Properties: Targets
におけるターゲットプロパティの一つです。これは、位置独立コード (PIC) の生成を制御するために使用されます。PIC は、メモリ内の任意の場所にロードできるコードです。これは、共有ライブラリやプラグインなど、さまざまな場面で必要になります。
詳細
このプロパティには、以下の値を設定できます。
- ON: ターゲットは PIC として生成されます。
- DEFAULT: 使用しているコンパイラとプラットフォームに基づいて、デフォルトの動作が選択されます。
設定例
add_library(my_library SHARED my_library.cpp)
set_target_properties(my_library PROPERTIES INTERFACE_POSITION_INDEPENDENT_CODE ON)
この例では、my_library
ターゲットは PIC として生成されます。
注意事項
- PIC を生成するには、コンパイラが PIC をサポートしている必要があります。
- PIC を生成すると、コードサイズが大きくなる場合があります。
- 静的ライブラリの場合、
INTERFACE_POSITION_INDEPENDENT_CODE
は通常 OFF に設定されます。
補足
- PIC は、アドレス空間レイアウトランダム化 (ASLR) と呼ばれるセキュリティ技術で使用されます。ASLR は、攻撃者がコードを特定の場所に配置することを困難にすることで、攻撃を防御します。
- PIC は、異なるアーキテクチャ間でコードを共有する場合にも役立ちます。
INTERFACE_POSITION_INDEPENDENT_CODE
について他に何か質問があれば、遠慮なく聞いてください。
CMake の INTERFACE_POSITION_INDEPENDENT_CODE のサンプルコード
共有ライブラリ
add_library(my_library SHARED my_library.cpp)
set_target_properties(my_library PROPERTIES INTERFACE_POSITION_INDEPENDENT_CODE ON)
この例では、my_library
ターゲットは PIC として生成されます。これは、他のアプリケーションで共有ライブラリとして使用できるようにするためです。
プラグイン
add_library(my_plugin SHARED my_plugin.cpp)
set_target_properties(my_plugin PROPERTIES INTERFACE_POSITION_INDEPENDENT_CODE ON)
add_executable(my_application my_application.cpp)
target_link_libraries(my_application my_plugin)
この例では、my_plugin
ターゲットは PIC として生成されます。これは、my_application
アプリケーションにプラグインとしてロードできるようにするためです。
静的ライブラリ
add_library(my_library STATIC my_library.cpp)
set_target_properties(my_library PROPERTIES INTERFACE_POSITION_INDEPENDENT_CODE OFF)
add_executable(my_application my_application.cpp)
target_link_libraries(my_application my_library)
この例では、my_library
ターゲットは PIC として生成されません。これは、静的ライブラリは通常、アプリケーションと同じアドレス空間にロードされるためです。
条件付き設定
if(CMAKE_COMPILER_SUPPORTS_PIC)
set_target_properties(my_library PROPERTIES INTERFACE_POSITION_INDEPENDENT_CODE ON)
endif()
この例では、コンパイラが PIC をサポートしている場合のみ、my_library
ターゲットは PIC として生成されます。
デフォルトの動作
add_library(my_library SHARED my_library.cpp)
# INTERFACE_POSITION_INDEPENDENT_CODE はデフォルトで ON に設定されています
この例では、INTERFACE_POSITION_INDEPENDENT_CODE
は明示的に設定されていません。これは、コンパイラとプラットフォームに基づいて、デフォルトの動作が選択されることを意味します。
これらのサンプルコードは、INTERFACE_POSITION_INDEPENDENT_CODE
のさまざまな使用方法を示しています。具体的な設定方法は、プロジェクトの要件によって異なります。
CMake の INTERFACE_POSITION_INDEPENDENT_CODE の設定方法
set_target_properties() コマンド
set_target_properties(my_library PROPERTIES INTERFACE_POSITION_INDEPENDENT_CODE ON)
この方法は、最も一般的な方法です。
add_library() コマンド
add_library(my_library SHARED my_library.cpp POSITION_INDEPENDENT_CODE ON)
この方法は、set_target_properties()
コマンドよりも簡潔です。ただし、POSITION_INDEPENDENT_CODE
オプションは、CMake バージョン 3.1 以降でのみ使用できます。
ターゲットプロパティファイル
target_property(my_library INTERFACE_POSITION_INDEPENDENT_CODE ON)
この方法は、複数の CMakeLists.txt ファイルで同じターゲットプロパティを設定する場合に便利です。
キャッシュ変数
set(CMAKE_POSITION_INDEPENDENT_CODE ON)
add_library(my_library SHARED my_library.cpp)
この方法は、すべてのターゲットに対して INTERFACE_POSITION_INDEPENDENT_CODE
を設定する場合に便利です。
環境変数
export CMAKE_POSITION_INDEPENDENT_CODE=ON
cmake ..
この方法は、すべてのターゲットに対して INTERFACE_POSITION_INDEPENDENT_CODE
を設定する場合に便利です。ただし、環境変数は他の方法よりも優先度が低いため、注意が必要です。
これらの方法のいずれを使用しても、INTERFACE_POSITION_INDEPENDENT_CODE
を設定することができます。具体的な方法は、プロジェクトの要件によって異なります。
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