CMake で変数を削除する3つの方法:unset() 以外にも使えるテクニック

2024-04-02

CMake の unset() コマンド

コマンドの構文

unset(<variable_name>)

<variable_name> は、削除したい変数の名前です。変数の名前は、文字、数字、下線(_)で構成され、先頭に数字以外のアクティブ文字が来る必要があります。

使用例

変数の削除

set(MY_VAR "Hello, world!")

message("MY_VAR = ${MY_VAR}")

unset(MY_VAR)

message("MY_VAR = ${MY_VAR}")

この例では、MY_VAR という変数を作成し、"Hello, world!" という値を設定します。その後、unset() コマンドを使用して MY_VAR を削除します。2番目の message() コマンドは、MY_VAR が削除されたことを確認するために使用されます。

キャッシュ変数の削除

set(CACHE_VAR "This is a cache variable")

message("CACHE_VAR = ${CACHE_VAR}")

unset(CACHE CACHE_VAR)

message("CACHE_VAR = ${CACHE_VAR}")

この例では、CACHE_VAR というキャッシュ変数を作成し、"This is a cache variable" という値を設定します。その後、unset(CACHE CACHE_VAR) コマンドを使用して CACHE_VAR を削除します。2番目の message() コマンドは、CACHE_VAR が削除されたことを確認するために使用されます。

環境変数の削除

set(ENV{MY_ENV_VAR} "This is an environment variable")

message("MY_ENV_VAR = ${ENV{MY_ENV_VAR}}")

unset(ENV MY_ENV_VAR)

message("MY_ENV_VAR = ${ENV{MY_ENV_VAR}}")

この例では、MY_ENV_VAR という環境変数を作成し、"This is an environment variable" という値を設定します。その後、unset(ENV MY_ENV_VAR) コマンドを使用して MY_ENV_VAR を削除します。2番目の message() コマンドは、MY_ENV_VAR が削除されたことを確認するために使用されます。

注意事項

  • unset() コマンドは、変数が存在する場合のみ動作します。存在しない変数を削除しようとすると、エラーが発生します。
  • キャッシュ変数と環境変数は、CMake の再起動後に再び作成される可能性があります。永続的に削除するには、CMakeLists.txt ファイル内で直接編集する必要があります。


CMake の unset() コマンドのサンプルコード

if(SOME_CONDITION)
  set(MY_VAR "This variable is only set if SOME_CONDITION is true")
else()
  unset(MY_VAR)
endif()

ループ内で変数を削除する

foreach(file IN LISTS MY_FILES)
  # ファイルを処理...
  unset(MY_FILE)
endforeach()

キャッシュ変数を条件付きで削除する

if(NOT EXISTS "${CMAKE_BINARY_DIR}/my_cache_file.txt")
  unset(CACHE CACHE_VAR)
endif()

環境変数を一時的に削除する

set(ENV{MY_ENV_VAR} "This is an environment variable")

# 環境変数 MY_ENV_VAR を使用する処理...

unset(ENV MY_ENV_VAR)

# 環境変数 MY_ENV_VAR を使用しない処理...

set(ENV{MY_ENV_VAR} "${OLD_ENV_VAR}")

ターゲット固有の変数を削除する

add_executable(my_target)

target_compile_definitions(my_TARGET PUBLIC MY_VAR)

# my_target 固有の処理...

target_compile_definitions(my_TARGET PRIVATE)

unset(TARGET MY_VAR my_target)

これらのサンプルコードは、CMake の unset() コマンドの使い方を理解するのに役立ちます。



CMakeで変数を削除する他の方法

変数を再定義する

set(MY_VAR "")

この方法は、変数の値を空の文字列に再定義することで、実質的に変数を削除します。ただし、この方法は、変数の名前が他のコードで使用されている場合、予期しない結果を引き起こす可能性があります。

キャッシュ変数をクリアする

cmake_minimum_required(VERSION 3.12)

set(CACHE_VAR "This is a cache variable")

message("CACHE_VAR = ${CACHE_VAR}")

# CMake 3.12 以降でのみ使用可能
clear_cache(CACHE_VAR)

message("CACHE_VAR = ${CACHE_VAR}")

この方法は、CMake 3.12 以降でのみ使用できます。clear_cache() コマンドは、指定されたキャッシュ変数をクリアし、その値をデフォルト値にリセットします。

環境変数を削除する

set(ENV{MY_ENV_VAR})

この方法は、環境変数 MY_ENV_VAR を削除します。ただし、この方法は、現在のシェルセッションでのみ有効であり、他のシェルセッションには影響しません。

手動で削除する

# CMakeLists.txt ファイルから該当する行を削除する

この方法は、最後の手段としてのみ使用してください。CMakeLists.txt ファイルを手動で編集することは、誤動作を引き起こす可能性があります。

  • 変数がローカルスコープのみで使用されている場合は、unset() コマンドを使用するのが最も簡単です。
  • 変数がグローバルスコープで使用されている場合は、clear_cache() コマンドを使用するのが安全です。
  • 環境変数を削除する場合は、set(ENV{<variable_name>}) コマンドを使用する必要があります。
  • 手動で削除するのは、他の方法が使用できない場合のみです。

注意事項

  • 変数を削除する前に、その変数が使用されていないことを確認してください。



CMakeのCommandsにおけるuse_mangled_mesa()

use_mangled_mesa() は CMake の Commands における関数で、Mesa ライブラリの mangled シンボル名を解決するために使用されます。Mesa は OpenGL の実装であり、古いバージョンの Mesa ではシンボル名が mangled されるため、use_mangled_mesa() を使用してこれらのシンボル名を解決する必要があります。



CMakeの依存関係を使用したプログラミング

CMakeで依存関係を使用するには、以下の2つの方法があります。find_packageコマンドは、特定のライブラリやフレームワークがインストールされているかどうかを検出し、その場所と設定情報を提供します。外部プロジェクトを参照するadd_subdirectoryコマンドを使用して、外部プロジェクトを現在のプロジェクトに組み込むことができます。外部プロジェクトは、CMakeLists


サブディレクトリ、custom_command、ExternalProject:USE_FOLDERSプロパティの代替手段

USE_FOLDERS プロパティは、CMakeLists. txt ファイル内で以下の方法で設定できます。上記のように ON に設定すると、CMake はソースファイルとヘッダーファイルをフォルダ階層に基づいてグループ化します。デフォルトでは OFF に設定されており、フォルダ階層は考慮されません。


CMakeでXcodeプロジェクトを極める! "Properties: Source Files"と"XCODE_LAST_KNOWN_FILE_TYPE"の達人になるためのテクニック

この情報は、Xcode がファイルを開いたり、編集したり、ビルドしたりする際にどのように扱うかを決定するために使用されます。Properties: Source Files は、CMakeLists. txt ファイルで設定できます。 以下の例は、main


Visual Studioでシェーダーファイルをコンパイルする:CMakeのVS_SHADER_FLAGSオプション

CMake の "Properties: Source Files" に設定できる "VS_SHADER_FLAGS" は、Visual Studio でシェーダーファイルのコンパイル時に渡されるオプションを指定します。このオプションは、シェーダーの動作やコンパイル方法を制御するために使用されます。



CMakeにおける"get_target_property()"コマンド: ターゲットの情報を自在に操る

get_target_property()コマンドは、CMakeプロジェクトで定義されたターゲットからプロパティを取得するために使用されます。ターゲットプロパティは、ターゲットのビルド方法や動作を制御するために使用される情報です。構文引数VAR: ターゲットプロパティの値を格納する変数名


CMake の CMAKE_LANG_COMPILER_ARCHITECTURE_ID 変数を使いこなす

CMAKE_LANG_COMPILER_ARCHITECTURE_ID は、CMake の内部変数であり、コンパイラの ターゲットアーキテクチャ を識別するために使用されます。これは、主に特定のコンパイラに対して、適切な使用方法を決定するために必要となります。


CMake: find_library()とtarget_link_directories()の連携

target_link_directories()コマンドは、CMakeプロジェクト内のターゲットに対して、リンカがライブラリを検索するディレクトリを指定するために使用されます。これは、ターゲットがリンクするライブラリが標準の検索パスに存在しない場合に特に重要です。


CMake GUIでOSX_ARCHITECTURES_CONFIGを設定する方法

概要デフォルト値: OSX_ARCHITECTURES プロパティによって設定されます。データ型: STRING使用箇所: ターゲットのプロパティ設定方法: CMake GUICMake GUI設定例詳細解説OSX_ARCHITECTURES_CONFIG は、ターゲット毎に異なるアーキテクチャを指定するために使用できます。例えば、"my_app" は "Debug" 構成では x86_64 と arm64 アーキテクチャでビルドし、"Release" 構成では x86_64 アーキテクチャのみでビルドするといった設定が可能です。


CMake入門:Hello Worldから始めるC++プロジェクト構築

CMake マニュアルは、CMake の機能を理解し、使いこなすための 開発者向け 公式ドキュメントです。 初心者から上級者まで、幅広いレベルの開発者に役立つ情報が網羅されています。マニュアルには、以下の内容が含まれています:CMake の基本構文: CMakeLists