CMake で Objective-C プロジェクトをビルドするメリットとデメリット
CMakeにおけるOBJC環境変数とObjective-Cプログラミング
CMakeでObjective-Cプロジェクトをビルドするには、環境変数 を設定する必要があります。環境変数は、コンパイラやリンカーなどのツールが、Objective-Cソースコードをどのようにコンパイルし、リンクするかを指示するために使用されます。
OBJC 関連の主な環境変数は以下のとおりです。
CMAKE_C_COMPILER
C言語コンパイラのパスを指定します。Objective-CはC言語の上に構築されているため、Cコンパイラが必要です。
例:
set(CMAKE_C_COMPILER /usr/bin/clang)
CMAKE_CXX_COMPILER
C++言語コンパイラのパスを指定します。Objective-C++はC++とObjective-Cの機能を組み合わせた言語です。C++プロジェクトでObjective-C++を使用する場合は、C++コンパイラが必要です。
例:
set(CMAKE_CXX_COMPILER /usr/bin/clang++)
OBJC_FLAGS
Objective-Cコンパイラに渡されるオプションを指定します。
例:
set(OBJC_FLAGS "-Wall -Wextra")
OBJC_LINK_FLAGS
Objective-Cリンカーに渡されるオプションを指定します。
例:
set(OBJC_LINK_FLAGS "-framework Cocoa")
CMAKE_OBJC_GENERATE_CLANG_CXX_HEADERS
Clangコンパイラを使用している場合は、この変数をON
に設定すると、Objective-C++ヘッダーファイルが自動的に生成されます。
例:
set(CMAKE_OBJC_GENERATE_CLANG_CXX_HEADERS ON)
上記の環境変数に加えて、Objective-Cプロジェクトをビルドするために必要なその他の変数もあります。詳細は、CMakeのドキュメントを参照してください。
補足
- CMakeは、GUI ツールであるCMake GUIを使用して設定することもできます。
- XcodeなどのIDEを使用している場合は、IDEが自動的にCMake環境変数を設定してくれます。
CMake と Objective-C のサンプルコード
Hello World
cmake_minimum_required(VERSION 3.10)
set(CMAKE_C_COMPILER /usr/bin/clang)
set(CMAKE_CXX_COMPILER /usr/bin/clang++)
set(OBJC_FLAGS "-Wall -Wextra")
set(OBJC_LINK_FLAGS "-framework Cocoa")
project(HelloWorld)
add_executable(HelloWorld
main.m)
target_link_libraries(HelloWorld
Cocoa)
install(TARGETS HelloWorld
DESTINATION /usr/local/bin)
#import <Cocoa/Cocoa.h>
int main(int argc, char **argv) {
@autoreleasepool {
NSLog(@"Hello, World!");
}
return 0;
}
クラスとオブジェクト
cmake_minimum_required(VERSION 3.10)
set(CMAKE_C_COMPILER /usr/bin/clang)
set(CMAKE_CXX_COMPILER /usr/bin/clang++)
set(OBJC_FLAGS "-Wall -Wextra")
set(OBJC_LINK_FLAGS "-framework Cocoa")
project(MyClass)
add_executable(MyClass
main.m
MyClass.m)
target_link_libraries(MyClass
Cocoa)
install(TARGETS MyClass
DESTINATION /usr/local/bin)
# MyClass.h
@interface MyClass : NSObject
- (void)sayHello;
@end
# MyClass.m
@implementation MyClass
- (void)sayHello {
NSLog(@"Hello, World!");
}
@end
main.m
#import <Cocoa/Cocoa.h>
#import "MyClass.h"
int main(int argc, char **argv) {
@autoreleasepool {
MyClass *myClass = [[MyClass alloc] init];
[myClass sayHello];
}
return 0;
}
補足
上記のサンプルコードは、基本的な CMake と Objective-C の使用方法を示すものです。より複雑なプロジェクトの場合は、CMake のドキュメントやチュートリアルを参照してください。
CMake 以外で Objective-C プロジェクトをビルドする方法
Xcode は、Apple が提供する統合開発環境 (IDE) です。Xcode は、Objective-C プロジェクトをビルドするためのすべてのツールと機能を提供します。
Makefile は、プロジェクトをビルドするための指示を含むテキストファイルです。Makefile は、Make ユーティリティを使用してプロジェクトをビルドするために使用されます。
CocoaPods は、Objective-C ライブラリと依存関係を管理するためのツールです。CocoaPods を使用して、プロジェクトに必要なライブラリを簡単にインストールできます。
Carthage は、Objective-C フレームワークと依存関係を管理するためのツールです。Carthage を使用して、プロジェクトに必要なフレームワークを簡単にインストールできます。
どの方法を選択するかは、プロジェクトのニーズと要件によって異なります。
以下は、それぞれの方法の利点と欠点です。
Xcode
利点:
- 使いやすい
- すべての必要なツールと機能を提供
- Apple によって公式にサポートされている
欠点:
- Mac にしかインストールできない
- 他の方法より柔軟性に欠ける
Makefile
利点:
- 非常に柔軟性が高い
- すべてのプラットフォームで使用できる
欠点:
- 設定が複雑
- 習得に時間がかかる
CocoaPods
利点:
- ライブラリの管理が簡単
- 多くのライブラリをサポート
欠点:
- プロジェクトの複雑さを増す
- すべてのライブラリがサポートされているわけではない
Carthage
利点:
- フレームワークの管理が簡単
- 多くのフレームワークをサポート
欠点:
- すべてのフレームワークがサポートされているわけではない
CMake: find_library()とtarget_link_directories()の連携
target_link_directories()コマンドは、CMakeプロジェクト内のターゲットに対して、リンカがライブラリを検索するディレクトリを指定するために使用されます。これは、ターゲットがリンクするライブラリが標準の検索パスに存在しない場合に特に重要です。
CMake で変数を削除する3つの方法:unset() 以外にも使えるテクニック
<variable_name> は、削除したい変数の名前です。変数の名前は、文字、数字、下線(_)で構成され、先頭に数字以外のアクティブ文字が来る必要があります。変数の削除この例では、MY_VAR という変数を作成し、"Hello, world!" という値を設定します。その後、unset() コマンドを使用して MY_VAR を削除します。2番目の message() コマンドは、MY_VAR が削除されたことを確認するために使用されます。
プログラミング初心者でもわかる!CMake の "set_directory_properties()" コマンドの使い方
set_directory_properties() コマンドは、CMakeプロジェクト内のディレクトリとサブディレクトリにプロパティを設定するために使用されます。これらのプロパティは、ビルドプロセス、インストール、その他の CMake 動作を制御するために使用できます。
CMakeのCommandsにおけるuse_mangled_mesa()
use_mangled_mesa() は CMake の Commands における関数で、Mesa ライブラリの mangled シンボル名を解決するために使用されます。Mesa は OpenGL の実装であり、古いバージョンの Mesa ではシンボル名が mangled されるため、use_mangled_mesa() を使用してこれらのシンボル名を解決する必要があります。
CMake try_compile() を使って特定のライブラリがインストールされているかどうかを確認する方法
try_compile() は、CMake の強力なコマンドの一つで、コードを実際にコンパイルすることなく、コンパイルが成功するかどうかを確認することができます。これは、特定のコンパイラやオプションがシステム上で使用可能かどうかをテストしたり、コードの移植性を検証したりする際に非常に便利です。
CMakeにおけるSwift_MODULE_NAMEとProperties: Targets
CMakeは、クロスプラットフォームなC++プロジェクトのビルドを管理するためのツールです。Swift_MODULE_NAMEは、CMakeでSwiftモジュールをビルドする際に使用する重要なプロパティです。これは、モジュールのターゲット名と密接に関連しています。
CMakeのCommandsにおけるuse_mangled_mesa()
use_mangled_mesa() は CMake の Commands における関数で、Mesa ライブラリの mangled シンボル名を解決するために使用されます。Mesa は OpenGL の実装であり、古いバージョンの Mesa ではシンボル名が mangled されるため、use_mangled_mesa() を使用してこれらのシンボル名を解決する必要があります。
CMakeの「Properties of Global Scope」に潜む力:AUTOUIC_SOURCE_GROUP徹底解説
"AUTOUIC_SOURCE_GROUP" は、CMake の "Properties of Global Scope" におけるプロパティであり、AUTOUIC ツールによって生成されたソースファイルのソースグループを指定するために使用されます。このプロパティは、CMake 3.21 以降で導入されました。
CMakeにおけるVS_WINRT_COMPONENTを使用したサンプルコード
"VS_WINRT_COMPONENT"は、CMakeでWindows向けRTコンポーネントをビルドする際に使用するプロパティです。このプロパティを設定することで、Visual Studioソリューションファイル (.sln) とプロジェクトファイル (.vcxproj) の生成に必要な情報を提供できます。
CMakeの変数 CMAKE_COMPILER_IS_GNUCXX について
CMAKE_COMPILER_IS_GNUCXX は、CMake の変数の一つで、C++コンパイラがGNUコンパイラかどうかを判定します。この変数は非推奨であり、代わりに CMAKE_CXX_COMPILER_ID を使用することを推奨します。