std::wcstol 関数を使いこなして、C++ プログラミングをレベルアップ!
C++ の Strings における std::wcstol 関数の詳細解説
機能概要
std::wcstol
は、以下の引数を受け取ります。
- str: 変換対象となるワイド文字列へのポインター
- str_end: 変換が終了した後の文字列へのポインター (省略可能)
- base: 数値の基数 (省略時は 10)
この関数は、str
で指定されたワイド文字列を解析し、指定された基数に基づいて長整型値に変換します。変換が成功すると、変換結果が返されます。変換が失敗した場合、0
が返されます。
詳細解説
文字列解析
std::wcstol
は、str
で指定されたワイド文字列を解析し、以下の規則に基づいて数値に変換します。
- 最初の空白文字 (
isspace()
で判定) をスキップします。 - 最初の非空白文字が以下のいずれかであることを確認します。
+
または-
: 符号0
: 八進数または十六進数のプレフィックス0x
または0X
: 十六進数のプレフィックス
- 数字の列を解析します。
- 有効な数字は、基数によって異なります。
- 10 進数の場合:
0
から9
- 16 進数の場合:
0
から9
およびA
からF
(またはa
からf
) - 8 進数の場合:
0
から7
- 10 進数の場合:
- 数字列の後に、基数によって異なる終端文字が続く場合があります。
- 10 進数の場合: なし
- 16 進数の場合:
h
またはH
- 8 進数の場合: なし
- 有効な数字は、基数によって異なります。
- 解析結果を長整型値に変換します。
例
以下の例は、std::wcstol
関数の使い方を示しています。
#include <cwchar>
#include <iostream>
int main() {
wchar_t str[] = L"12345";
long int value;
// 10 進数として解析
value = std::wcstol(str, nullptr, 10);
std::cout << "10進数: " << value << std::endl;
// 16 進数として解析
value = std::wcstol(str, nullptr, 16);
std::cout << "16進数: " << value << std::endl;
return 0;
}
このコードは、以下の出力を生成します。
10進数: 12345
16進数: 3039
エラー処理
std::wcstol
関数は、以下のエラーが発生した場合に 0
を返します。
- 数値に変換できない文字列が指定された
- 数値が長整型型の範囲を超えている
エラーが発生したかどうかを判断するには、errno
変数を検査する必要があります。以下のエラーコードが設定されます。
ERANGE
: 数値が長整型型の範囲を超えている
関連関数
std::wcstoll
: ワイド文字列を長長整型値に変換するstd::strtol
: 文字列を長整型値に変換するstd::strtoll
: 文字列を長長整型値に変換する
std::wcstol
関数は、ワイド文字列を長整型値に変換する便利な機能です。C++ で Strings を扱う際には、この関数を活用することで、文字列と数値間の変換を効率的に行うことができます。
補足
std::wcstol
関数は、ロケールによって影響を受ける場合があります。- C++11 以降では、
std::wcstoll
関数を使用して、ワイド文字列を長長整型値に変換することもできます。
C++ の Strings における std::wcstol 関数のサンプルコード
#include <cwchar>
#include <iostream>
int main() {
wchar_t str[] = L"12345";
long int value;
// 10進数として解析
value = std::wcstol(str, nullptr, 10);
std::cout << "10進数: " << value << std::endl;
// 16進数として解析
value = std::wcstol(str, nullptr, 16);
std::cout << "16進数: " << value << std::endl;
return 0;
}
エラー処理
#include <cwchar>
#include <iostream>
#include <errno.h>
int main() {
wchar_t str[] = L"abc";
long int value;
value = std::wcstol(str, nullptr, 10);
if (value == 0) {
if (errno == ERANGE) {
std::cout << "数値が長整型型の範囲を超えています" << std::endl;
} else {
std::cout << "数値に変換できません" << std::endl;
}
} else {
std::cout << "解析結果: " << value << std::endl;
}
return 0;
}
文字列終端文字の指定
#include <cwchar>
#include <iostream>
int main() {
wchar_t str[] = L"12345x";
long int value;
// 'x' を終端文字として解析
value = std::wcstol(str, &str + 5, 10);
std::cout << "解析結果: " << value << std::endl;
return 0;
}
基数の自動検出
#include <cwchar>
#include <iostream>
int main() {
wchar_t str[] = L"0x1234";
long int value;
// 基数を自動検出
value = std::wcstol(str, nullptr, 0);
std::cout << "解析結果: " << value << std::endl;
return 0;
}
ロケールの影響
#include <cwchar>
#include <iostream>
#include <locale>
int main() {
std::setlocale(LC_ALL, "ja_JP.UTF-8");
wchar_t str[] = L"12345";
long int value;
// 日本語ロケールで解析
value = std::wcstol(str, nullptr, 10);
std::cout << "解析結果: " << value << std::endl;
return 0;
}
std::wcstoll 関数の使用
#include <cwchar>
#include <iostream>
int main() {
wchar_t str[] = L"1234567890";
long long int value;
value = std::wcstoll(str, nullptr, 10);
std::cout << "解析結果: " << value << std::endl;
return 0;
}
C++ で文字列を数値に変換する他の方法
std::stringstream
クラスを使用して、文字列をストリームに変換し、そのストリームから数値を読み取ることができます。
#include <sstream>
#include <iostream>
int main() {
std::wstring str = L"12345";
int value;
std::wstringstream ss(str);
ss >> value;
std::cout << "value: " << value << std::endl;
return 0;
}
手動変換
単純なケースでは、手動で文字列を数値に変換することができます。
#include <iostream>
int main() {
std::wstring str = L"12345";
int value = 0;
for (wchar_t c : str) {
value = value * 10 + (c - L'0');
}
std::cout << "value: " << value << std::endl;
return 0;
}
ライブラリ
Boost や Qt などのライブラリには、文字列と数値変換のための便利な機能が提供されています。
Boost:
#include <boost/lexical_cast.hpp>
int main() {
std::wstring str = L"12345";
int value = boost::lexical_cast<int>(str);
std::cout << "value: " << value << std::endl;
return 0;
}
Qt:
#include <QString>
int main() {
QString str = "12345";
int value = str.toInt();
std::cout << "value: " << value << std::endl;
return 0;
}
- 変換する文字列の形式
- 変換後の数値の型
- 必要な処理速度
- コードの簡潔性
std::wcstol 関数は、最も汎用性の高い方法ですが、他の方法よりも処理速度が遅い場合があります。
std::stringstream クラスは、比較的処理速度が速く、コードも簡潔ですが、複雑な形式の文字列には対応できない場合があります。
手動変換 は、最も処理速度が速い方法ですが、コードが複雑になりがちです。
ライブラリ は、さまざまな形式の文字列に対応でき、コードも簡潔に書けますが、ライブラリの追加が必要になります。
C++ で文字列を数値に変換するには、さまざまな方法があります。各方法の長所と短所を理解し、要件に合った方法を選択することが重要です。
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std::basic_string_view のサンプルコード
std::basic_string_view は、文字列データへの読み取り専用ビューを提供する軽量なクラスです。std::string オブジェクトや char 配列など、さまざまな文字列データソースを参照することができます。主な特徴:読み取り専用: 文字列内容を変更することはできません。
std::basic_string::back以外の最後の文字取得方法:at(), operator[], イテレータなど
概要機能: 文字列の最後の文字への参照を返す戻り値: 最後の文字への参照引数: なし使用例:詳細std::basic_string::back は、文字列クラス std::basic_string のメンバー関数です。この関数は、文字列の最後の文字への参照を返します。