torch.HalfStorage を使ってメモリ使用量を削減する方法

2024-04-02

PyTorch の Storage と torch.HalfStorage

torch.HalfStorage は、16 ビット浮動小数点数 (half precision) データ型を格納するために特化した Storage オブジェクトです。これは、メモリ使用量を抑え、計算速度を向上させる必要がある場合に役立ちます。

  • メモリ使用量の削減: 32 ビット浮動小数点数 (float precision) データ型と比較して、50% のメモリ使用量で済みます。
  • 計算速度の向上: 16 ビット演算は 32 ビット演算よりも高速に実行できます。
  • 精度: 16 ビットデータ型は、32 ビットデータ型よりも精度が低くなります。
  • 互換性: すべての PyTorch 操作が torch.HalfStorage をサポートしているわけではありません。

torch.HalfStorage は、いくつかの方法で使用できます。

  • 直接作成:
half_storage = torch.HalfStorage(1024)
  • 既存のテンソルから作成:
tensor = torch.randn(10, 10)
half_storage = tensor.storage().half()
  • torch.from_buffer を使用:
data = bytearray(1024)
half_storage = torch.from_buffer(data, dtype=torch.half)
  • torch.HalfStorage は、CPU と GPU の両方で使用できます。
  • デフォルトでは、torch.HalfStorage は CPU 上に作成されます。
  • GPU 上に torch.HalfStorage を作成するには、device="cuda" オプションを指定する必要があります。

まとめ

torch.HalfStorage は、メモリ使用量を抑え、計算速度を向上させる必要がある場合に役立つ Storage オブジェクトです。ただし、精度が低くなる可能性がある点に注意が必要です。

補足:

  • 上記の情報は、PyTorch 1.9.1 に基づいています。
  • 詳細については、PyTorch ドキュメントを参照してください。


torch.HalfStorage のサンプルコード

直接作成

# 1024 個の要素を持つ HalfStorage を作成
half_storage = torch.HalfStorage(1024)

# 最初の要素の値を設定
half_storage[0] = 1.234

# データを読み出す
value = half_storage[0]

# ストレージのサイズを取得
size = half_storage.size()

# ストレージの内容をすべてクリア
half_storage.fill_(0)

既存のテンソルから作成

# ランダムな値を持つ 10x10 テンソルを作成
tensor = torch.randn(10, 10)

# テンソルのストレージを HalfStorage に変換
half_storage = tensor.storage().half()

# 変換後のテンソルのデータ型を確認
tensor.dtype

# 変換後のテンソルの値を確認
tensor[0, 0]

torch.from_buffer を使用

# 1024 バイトのバイト配列を作成
data = bytearray(1024)

# バイト配列から HalfStorage を作成
half_storage = torch.from_buffer(data, dtype=torch.half)

# ストレージの最初の要素の値を設定
half_storage[0] = 1.234

# バイト配列の内容を変更
data[0] = 1

# ストレージの値が変更されていることを確認
half_storage[0]

CPU と GPU 間の転送

# CPU 上に HalfStorage を作成
half_storage = torch.HalfStorage(1024)

# CPU から GPU に転送
half_storage_cuda = half_storage.cuda()

# GPU 上のストレージの最初の要素の値を設定
half_storage_cuda[0] = 1.234

# GPU から CPU に転送
half_storage_cpu = half_storage_cuda.cpu()

# 転送後のストレージの値を確認
half_storage_cpu[0]

その他

  • torch.HalfStorage.fill_(value): ストレージのすべての要素を指定された値で初期化します。
  • torch.HalfStorage.copy_(source):


PyTorchでテンソルのメモリ使用量を削減する方法

データ型を低精度にする

  • torch.float ではなく torch.half を使用します。
  • torch.double ではなく torch.float を使用します。

バッチサイズを小さくする

  • バッチサイズを小さくすると、一度に処理するデータ量が減り、メモリ使用量が削減されます。

モデルの複雑さを減らす

  • モデルの複雑さを減らすと、必要なパラメータの数が減り、メモリ使用量が削減されます。

GPU を使用する

  • GPU は CPU よりも多くのメモリを搭載しているので、GPU を使用することでメモリ使用量を削減できます。

勾配の蓄積

  • 勾配計算時に torch.autograd.backward() を実行する前に torch.grad.accumulate() を使用することで、勾配をメモリに蓄積することができます。

メモリ使用量の監視

  • torch.cuda.memory_allocated()torch.cuda.max_memory_allocated() を使用して、メモリ使用量を監視することができます。

その他

  • torch.jit.trace()torch.jit.script() を使用して、モデルをグラフ化することで、メモリ使用量を削減できる場合があります。
  • torch.onnx.export() を使用して、モデルを ONNX 形式に変換することで、他のフレームワークで実行できるようになります。

上記の情報は参考用であり、最新の情報ではない可能性があります。詳細は、PyTorch ドキュメントを参照してください。




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