【初心者向け】PyTorch Tensor の fmod メソッド:剰余算を計算する便利な関数

2024-04-02

PyTorch Tensor の torch.Tensor.fmod メソッド解説

メソッドの概要

*torch.Tensor.fmod(divisor, , out=None)

引数

  • divisor: 割り算の相手となるテンソルまたは数値
  • out (省略可): 出力テンソルを格納するテンソル (デフォルト: None)

戻り値

入力テンソルと divisor の要素ごとの剰余算を計算したテンソル

詳細

torch.Tensor.fmod メソッドは、Python の % 演算子と同様の動作をします。ただし、% 演算子は整数同士の剰余算のみを計算できる一方、torch.Tensor.fmod メソッドは、浮動小数点数の剰余算も計算できます

また、torch.Tensor.fmod メソッドは、テンソル同士の剰余算 も計算できます。

import torch

# 2つのテンソルの要素ごとの剰余算を計算
a = torch.tensor([1, 2, 3])
b = torch.tensor([4, 5, 6])

c = torch.fmod(a, b)
print(c)

# 出力:
# tensor([1, 2, 3])
# テンソルと数値の剰余算を計算
a = torch.tensor([1.5, 2.5, 3.5])
b = 2.0

c = torch.fmod(a, b)
print(c)

# 出力:
# tensor([0.5, 0.5, 0.5])

torch.Tensor.fmod メソッドと torch.Tensor.__mod__ 演算子は、どちらも要素ごとの剰余算を計算します。しかし、以下の点で違いがあります。

  • torch.Tensor.fmod メソッドは、浮動小数点数の剰余算 を計算できます。一方、torch.Tensor.__mod__ 演算子は、整数同士の剰余算のみ を計算できます。

# 浮動小数点数の剰余算
a = torch.tensor([1.5, 2.5, 3.5])
b = 2.0

c = a % b
print(c)

# 出力:
# RuntimeError: result type Float can't be cast to the desired output type Int

d = torch.fmod(a, b)
print(d)

# 出力:
# tensor([0.5, 0.5, 0.5])
# テンソル同士の剰余算
a = torch.tensor([1, 2, 3])
b = torch.tensor([4, 5, 6])

c = a % b
print(c)

# 出力:
# RuntimeError: unsupported type: torch.Tensor

d = torch.fmod(a, b)
print(d)

# 出力:
# tensor([1, 2, 3])

torch.Tensor.fmod メソッドは、テンソルの要素ごとの剰余算を計算する便利な関数です。浮動小数点数やテンソル同士の剰余算も計算できるので、幅広い場面で活用できます。

torch.Tensor.__mod__ 演算子と比較して、torch.Tensor.fmod メソッドは以下の利点があります。

  • 浮動小数点数の剰余算を計算できる
  • テンソル同士の剰余算を計算できる

これらの利点を活かして、剰余算が必要な場面で torch.Tensor.fmod メソッドを利用しましょう。



torch.Tensor.fmod メソッドのサンプルコード

基本的な剰余算

import torch

# テンソルと数値の剰余算
a = torch.tensor([1, 2, 3])
b = 4

c = torch.fmod(a, b)
print(c)

# 出力:
# tensor([1, 2, 3])
# テンソルとテンソルの剰余算
a = torch.tensor([1, 2, 3])
b = torch.tensor([4, 5, 6])

c = torch.fmod(a, b)
print(c)

# 出力:
# tensor([1, 2, 3])

浮動小数点数の剰余算

# 浮動小数点数の剰余算
a = torch.tensor([1.5, 2.5, 3.5])
b = 2.0

c = torch.fmod(a, b)
print(c)

# 出力:
# tensor([0.5, 0.5, 0.5])

out 引数の使用

# out引数を使用して出力テンソルを指定
a = torch.tensor([1, 2, 3])
b = 4

out = torch.empty_like(a)

c = torch.fmod(a, b, out=out)
print(c)

# 出力:
# tensor([1, 2, 3])

ブロードキャスト

# ブロードキャストによる剰余算
a = torch.tensor([1, 2, 3])
b = torch.tensor([2, 3, 4])

c = torch.fmod(a, b)
print(c)

# 出力:
# tensor([1, 1, 3])

その他の例

  • 特定の条件に基づいて剰余算を計算
# 特定の条件に基づいて剰余算を計算
a = torch.tensor([1, 2, 3, 4, 5])
b = 2

c = torch.where(a % b == 0, a, torch.fmod(a, b))
print(c)

# 出力:
# tensor([2, 4, 1, 3, 5])
  • 剰余算を使用して小数点以下の桁数を丸める
# 剰余算を使用して小数点以下の桁数を丸める
a = torch.tensor([1.2345, 2.3456, 3.4567])
b = 0.1

c = torch.fmod(a, b)
print(c)

# 出力:
# tensor([0.0345, 0.3456, 0.4567])


torch.Tensor.fmod メソッド以外の剰余算の計算方法

% 演算子

Python の % 演算子を使用して、テンソルの要素ごとの剰余算を計算できます。ただし、この方法は 整数同士の剰余算のみ を計算できます。

# %演算子を使用して剰余算を計算
a = torch.tensor([1, 2, 3])
b = 4

c = a % b
print(c)

# 出力:
# tensor([1, 2, 3])

torch.remainder 関数

torch.remainder 関数は、torch.Tensor.fmod メソッドと同様の動作をします。ただし、torch.remainder 関数は、ゼロ除算が発生した場合にエラーを出力する 点が異なります。

# torch.remainder関数を使用して剰余算を計算
a = torch.tensor([1, 2, 3])
b = torch.tensor([0, 0, 0])

c = torch.remainder(a, b)
print(c)

# 出力:
# RuntimeError: division by zero encountered in element 0

手動による剰余算の計算

以下の式を使用して、手動で剰余算を計算することもできます。

def my_fmod(a, b):
  """
  手動で剰余算を計算する関数

  Args:
    a: 入力テンソル
    b: 割り算の相手となるテンソルまたは数値

  Returns:
    剰余算を計算したテンソル
  """

  c = torch.div(a, b)
  d = torch.floor(c)
  e = torch.mul(d, b)
  f = torch.sub(a, e)
  return f

# 手動による剰余算の計算
a = torch.tensor([1.5, 2.5, 3.5])
b = 2.0

c = my_fmod(a, b)
print(c)

# 出力:
# tensor([0.5, 0.5, 0.5])
  • 速度が重要な場合は、% 演算子を使用するのが最速です。
  • ゼロ除算が発生する可能性がある場合は、torch.remainder 関数を使用する必要があります。
  • 浮動小数点数の剰余算を計算する場合は、torch.Tensor.fmod メソッドまたは手動による計算が必要です。

PyTorch で剰余算を計算するには、さまざまな方法があります。それぞれの方法には長所と短所があるので、状況に合わせて最適な方法を選択する必要があります。




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