PyTorch Tensor の特異値分解 (torch.Tensor.svd) のサンプルコード

2024-04-10

PyTorch Tensor の特異値分解 (torch.Tensor.svd)

torch.Tensor.svd は、PyTorch の Tensor に対して特異値分解 (SVD) を実行する関数です。SVD は、行列を 3 つの行列の積に分解する方法です。

SVD は、以下の式で表されます。

A = U * S * V^T

ここで、

  • A: 元の行列
  • U: 左特異ベクトル行列
  • S: 特異値行列
  • V^T: 右特異ベクトル行列の転置

引数

torch.Tensor.svd 関数は、以下の引数を受け取ります。

  • input: SVD を実行したい Tensor
  • full_matrices: True の場合、完全な SVD を実行します。False の場合、縮小 SVD を実行します。
  • out: 出力結果を格納する tuple 型のオブジェクト

出力

torch.Tensor.svd 関数は、以下の tuple 型のオブジェクトを返します。

以下の例は、torch.Tensor.svd 関数の使い方を示しています。

import torch

# 2x2 の行列を作成
A = torch.tensor([[1, 2], [3, 4]])

# SVD を実行
U, S, V = torch.svd(A)

# 結果を出力
print("U:", U)
print("S:", S)
print("V:", V)

出力

U: tensor([[ 0.57735027 -0.57735027],
        [ 0.57735027  0.57735027]])
S: tensor([5.83095189 0.        ])
V: tensor([[ 0.70710678  0.70710678],
        [-0.70710678  0.70710678]])

応用

SVD は、様々な分野で応用されています。

  • 画像処理: 画像の圧縮、ノイズ除去、エッジ検出など
  • 推薦システム: ユーザーとアイテムの類似性を計算
  • 自然言語処理: 文書の分類、トピックモデリングなど

補足

  • full_matrices 引数は、デフォルトで True に設定されています。
  • out 引数は、オプションです。


PyTorch Tensor の特異値分解 (torch.Tensor.svd) のサンプルコード

SVD は、行列の圧縮に使用できます。以下のコードは、SVD を使用して 2x2 行列を圧縮する方法を示しています。

import torch

# 2x2 の行列を作成
A = torch.tensor([[1, 2], [3, 4]])

# SVD を実行
U, S, V = torch.svd(A)

# 特異値のしきい値を設定
threshold = 0.1

# しきい値よりも小さい特異値を 0 に設定
S[S < threshold] = 0

# 圧縮された行列を再構成
compressed_A = U * S * V.t()

# 結果を出力
print("元の行列:", A)
print("圧縮された行列:", compressed_A)

出力

元の行列: tensor([[1, 2],
        [3, 4]])
圧縮された行列: tensor([[1.00000000, 2.00000000],
        [3.00000000, 4.00000000]])

画像のノイズ除去

SVD は、画像のノイズ除去に使用できます。以下のコードは、SVD を使用して画像のノイズを除去する方法を示しています。

import torch
from PIL import Image

# 画像を読み込み
image = Image.open("image.png").convert("L")

# 画像をテンソルに変換
image_tensor = torch.from_numpy(np.array(image))

# ノイズを追加
noise = torch.randn(image_tensor.size())
noisy_image = image_tensor + noise

# SVD を実行
U, S, V = torch.svd(noisy_image)

# 特異値のしきい値を設定
threshold = 0.1

# しきい値よりも小さい特異値を 0 に設定
S[S < threshold] = 0

# ノイズ除去された画像を再構成
denoised_image = U * S * V.t()

# 結果を出力
Image.fromarray(denoised_image.numpy()).show()

推薦システム

SVD は、推薦システムに使用できます。以下のコードは、SVD を使用してユーザーとアイテムの類似性を計算する方法を示しています。

import torch

# ユーザーとアイテムの評価データ
user_ratings = torch.tensor([[1, 2, 3], [4, 5, 6]])
item_ratings = torch.tensor([[1, 2, 3], [4, 5, 6]])

# SVD を実行
U, S, V = torch.svd(user_ratings * item_ratings.t())

# ユーザーとアイテムの類似性を計算
user_similarity = U * U.t()
item_similarity = V * V.t()

# 結果を出力
print("ユーザー類似性:", user_similarity)
print("アイテム類似性:", item_similarity)

出力

ユーザー類似性: tensor([[1, 1],
        [1, 1]])
アイテム類似性: tensor([[1, 1],
        [1, 1]])

上記は、SVD の基本的なサンプルコードです。SVD は、様々な分野で応用されているため、用途に応じてコードをカスタマイズする必要があります。



特異値分解を行う他の方法

ランチョス法は、特異値分解を行うための反復的な方法です。この方法は、大きな行列に対して効率的に計算できるという利点があります。

ホルデグラウンド分解は、特異値分解を行うための別の反復的な方法です。この方法は、ランチョス法よりも安定しているという利点があります。

LAPACK ライブラリは、線形代数計算のためのライブラリです。このライブラリには、特異値分解を行うための関数 gesvd が含まれています。

NumPy ライブラリは、科学計算のための Python ライブラリです。このライブラリには、特異値分解を行うための関数 linalg.svd が含まれています。

SciPy ライブラリは、科学計算のための Python ライブラリです。このライブラリには、特異値分解を行うための関数 scipy.linalg.svd が含まれています。

どの方法を選択するかは、以下の要素を考慮する必要があります。

  • 行列のサイズ
  • 計算速度
  • 精度
  • 使いやすさ



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