PyTorchのJAX-like Function Transforms: torch.func.jvp()によるベクトルヤコビ積の計算

2024-04-09

PyTorch の JAX-like Function Transforms: torch.func.jvp()

torch.func.jvp() は、PyTorch 1.10 以降で導入された JAX-like Function Transforms の一部であり、ベクトルヤコビ積 (Jacobian vector product) を計算するための関数です。これは、勾配計算や高階微分などに利用できます。

JAX-like Function Transforms は、PyTorch における関数変換 API の新しいセットであり、JAX のような関数変換機能を提供します。これにより、勾配計算、高階微分、自動微分などのタスクをより簡単に実行できます。

torch.func.jvp() は、2 つの引数を受け取ります。

  1. 関数: 計算したいベクトルヤコビ積を持つ関数
  2. 入力: 関数の入力

torch.func.jvp() は、関数と入力に基づいて、ベクトルヤコビ積を計算します。ベクトルヤコビ積は、入力ベクトルに対する関数の各出力要素の偏微分ベクトルをまとめたものです。

以下の例は、torch.func.jvp() を使用して、簡単な関数のベクトルヤコビ積を計算する方法を示しています。

import torch

def f(x):
  return x ** 2

x = torch.tensor(3.0)
v = torch.tensor(1.0)

jvp = torch.func.jvp(f, x, v)

print(jvp)
# 出力: 6.0

この例では、f(x) = x^2 という関数のベクトルヤコビ積を計算しています。x = 3.0v = 1.0 を入力として、jvp = 6.0 という結果が出力されます。これは、f(x)x に対する偏微分が 6.0 であることを意味しています。

torch.func.jvp() は、ベクトルヤコビ積を計算する便利な方法を提供します。主な利点は以下の通りです。

  • 手動でベクトルヤコビ積を計算する必要がない
  • 勾配計算や高階微分などのタスクを簡略化
  • JAX と同様の機能を提供

torch.func.jvp() は、以下の制限事項があります。

  • PyTorch 1.10 以降でのみ使用可能
  • 一部の関数ではサポートされていない

torch.func.jvp() は、PyTorch における JAX-like Function Transforms の一部であり、ベクトルヤコビ積を計算するための関数です。これは、勾配計算や高階微分などに利用できます。



PyTorch の JAX-like Function Transforms: torch.func.jvp() のサンプルコード

ベクトルヤコビ積の計算

import torch

def f(x):
  return x ** 2

x = torch.tensor(3.0)
v = torch.tensor(1.0)

jvp = torch.func.jvp(f, x, v)

print(jvp)
# 出力: 6.0

勾配計算

import torch

def f(x):
  return x ** 2

x = torch.tensor(3.0, requires_grad=True)

out = f(x)
out.backward()

print(x.grad)
# 出力: 6.0

この例では、f(x) = x^2 という関数の勾配を計算しています。requires_grad=True オプションを使用して、x を勾配計算可能なテンサーとして定義しています。

高階微分

import torch

def f(x):
  return x ** 2

x = torch.tensor(3.0, requires_grad=True)

out = f(x)
out.backward()

print(x.grad)
# 出力: 6.0

# Hessian を計算
hessian = torch.autograd.functional.hessian(f, x)

print(hessian)
# 出力: tensor([[12.]])

この例では、f(x) = x^2 という関数の Hessian を計算しています。Hessian は、2階偏微分の行列です。



PyTorch の JAX-like Function Transforms: torch.func.jvp() の代替方法

手動でベクトルヤコビ積を計算する

ベクトルヤコビ積は、手動で計算することも可能です。以下の式を使用して、ベクトルヤコビ積を計算できます。

Jv = sum(vi * df/dx_i)

ここで、

  • Jv はベクトルヤコビ積
  • vi は入力ベクトルの i 番目の要素
  • df/dx_ifx_i に対する偏微分

自動微分ライブラリを使用する

PyTorch には、torch.autograd モジュールなどの自動微分ライブラリが用意されています。自動微分ライブラリを使用すると、ベクトルヤコビ積を自動的に計算できます。

import torch

def f(x):
  return x ** 2

x = torch.tensor(3.0, requires_grad=True)

out = f(x)
out.backward()

print(x.grad)
# 出力: 6.0

この例では、torch.autograd モジュールを使用して、f(x) = x^2 という関数のベクトルヤコビ積を自動的に計算しています。

その他のライブラリを使用する

TensorFlow や JAX などの他のライブラリも、ベクトルヤコビ積を計算するための機能を提供しています。

  • 簡単な関数の場合、手動でベクトルヤコビ積を計算するのが最も簡単な方法です。
  • 複雑な関数の場合、自動微分ライブラリを使用するのが最も効率的な方法です。
  • 特定のライブラリに依存しない方法が必要な場合、torch.func.jvp() を使用することができます。



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