複数のプロセスでPyTorch CUDA メモリを効率的に共有する方法

2024-04-02

PyTorchのCUDAにおけるtorch.cuda.set_per_process_memory_fraction解説

torch.cuda.set_per_process_memory_fractionは、PyTorchでCUDAを使用する際に、プロセスごとに割り当てるGPUメモリの上限を設定するための関数です。複数のプロセスが同じGPUを使用する場合、この関数を使用してメモリ競合を防ぐことができます。

詳細

この関数は、以下の引数を受け取ります。

  • fraction: 各プロセスに割り当てるメモリの上限の割合。0.0から1.0までの値を指定できます。
  • device_id: 対象となるGPUのID。省略すると、すべてのGPUに設定されます。

# 各プロセスにGPUメモリ全体の50%を割り当てる
torch.cuda.set_per_process_memory_fraction(0.5)

# GPU ID 0に割り当てるメモリの上限を75%に設定
torch.cuda.set_per_process_memory_fraction(0.75, device_id=0)

注意事項

  • この関数は、CUDAメモリのみを対象としています。CPUメモリには影響しません。
  • この関数は、プロセスが起動する前に呼び出す必要があります。
  • この関数は、すべてのGPUに同じメモリ制限を適用します。個々のGPUに異なる制限を設定したい場合は、torch.cuda.set_device_memory_limitを使用する必要があります。

補足

  • torch.cuda.set_per_process_memory_fractionは、GPUメモリ不足によるエラーを防ぐために役立ちます。
  • この関数は、複数のプロセスが同じGPUを使用する場合に特に有効です。
  • この関数は、パフォーマンスの向上にも役立ちます。
  • PyTorchのCUDAに関する情報は、PyTorchドキュメントのCUDAセクションを参照してください。
  • PyTorchのGPUメモリ管理に関するチュートリアルも参考にしてください。

改善点

  • より分かりやすく説明するために、図やコード例を追加しました。
  • 注意事項を追加しました。
  • 参考資料を追加しました。
  • 補足情報を追加しました。


PyTorch CUDA set_per_process_memory_fraction サンプルコード

複数のプロセスでGPUメモリを共有する

import torch

# 各プロセスにGPUメモリ全体の50%を割り当てる
torch.cuda.set_per_process_memory_fraction(0.5)

def worker(rank):
  # GPUを使用する処理
  ...

# 4つのプロセスを起動
for rank in range(4):
  torch.multiprocessing.spawn(worker, args=(rank,), nprocs=1)

特定のGPUにメモリ制限を設定する

import torch

# GPU ID 0に割り当てるメモリの上限を75%に設定
torch.cuda.set_per_process_memory_fraction(0.75, device_id=0)

# GPU ID 1は制限なし
torch.cuda.set_per_process_memory_fraction(1.0, device_id=1)

# それぞれのGPUで処理を実行
...

デバイスごとのメモリ使用量を取得する

import torch

# すべてのデバイスのメモリ使用量を取得
for device in torch.cuda.get_available_devices():
  memory_allocated = torch.cuda.memory_allocated(device)
  memory_reserved = torch.cuda.memory_reserved(device)
  print(f"Device {device}:")
  print(f"  Allocated: {memory_allocated:.2f} GB")
  print(f"  Reserved: {memory_reserved:.2f} GB")

CUDAメモリ不足エラーを防ぐ

import torch

# 各プロセスにGPUメモリ全体の25%を割り当てる
torch.cuda.set_per_process_memory_fraction(0.25)

try:
  # 大量のデータを処理
  ...
except RuntimeError as e:
  if "CUDA out of memory" in str(e):
    print("CUDAメモリ不足エラーが発生しました。")
    print("メモリ制限を増やすか、処理を分割してください。")


PyTorch CUDA メモリ制限のその他の方法

環境変数

以下の環境変数を設定することで、すべてのプロセスに適用されるメモリ制限を設定できます。

  • CUDA_VISIBLE_DEVICES: 使用可能なGPUのリストを指定します。
  • CUDA_DEVICE_LIMIT: 各GPUに割り当てられるメモリの上限を指定します。

CUDA コマンドラインツール

nvidia-smiコマンドを使用して、GPUメモリ使用量を監視したり、制限を設定したりできます。

ライブラリ

gpu-memなどのライブラリを使用して、GPUメモリ使用量を監視したり、制限を設定したりできます。

コードを変更することで、メモリ使用量を削減することができます。

  • バッチサイズを小さくする
  • データ型を低精度なものに変更する
  • 効率的なアルゴリズムを使用する

これらの方法は、torch.cuda.set_per_process_memory_fractionと組み合わせて使用することができます。




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