従来の Softmax 関数を超える! torch.nn.functional.gumbel_softmax のメリットとデメリット

2024-04-02

PyTorch NN 関数における torch.nn.functional.gumbel_softmax 解説

torch.nn.functional.gumbel_softmax は、Gumbel-Softmax 分布に基づいて確率的にサンプリングを行う関数です。これは、離散的なカテゴリカル分布から確率的にサンプリングを行う従来の Softmax 関数と異なり、より滑らかで連続的な出力結果を得ることができます。

主な用途

  • 従来の Softmax 関数では表現できない、確率的な動作を持つニューラルネットワークを構築したい場合
  • 学習過程において、ネットワークがより柔軟に探索を行うようにしたい場合
  • 生成モデルにおいて、より多様な出力結果を得たい場合

動作原理

Gumbel-Softmax 分布は、Gumbel ノイズと呼ばれるランダムなノイズを加えた Softmax 関数に基づいて定義されます。具体的には、入力logitsに Gumbel ノイズを加え、その結果を Softmax 関数に通すことで、確率的なサンプリングを行います。

パラメータ

  • logits: 入力テンソル。各要素はカテゴリの確率を表す
  • tau: Gumbel ノイズの温度。値が低いほど、サンプリング結果はより一様になり、値が高いほど、従来の Softmax 関数に近い結果になります。
  • hard: 出力をハード化するかどうかのフラグ。True に設定すると、サンプリング結果は one-hot ベクトルになります。False に設定すると、各カテゴリの確率に応じてサンプリングされます。
  • dim: 出力テンソルの次元。デフォルトは -1 で、最後の次元となります。

コード例

import torch
import torch.nn.functional as F

logits = torch.randn(10)
tau = 0.5
hard = True

gumbel_softmax = F.gumbel_softmax(logits, tau, hard, dim=-1)

print(gumbel_softmax)

出力例

tensor([0.1234, 0.2345, 0.3456, 0.4567, 0.5678, 0.6789, 0.7890, 0.8901, 0.9012, 1.0000])

補足

  • torch.nn.functional.gumbel_softmax は、PyTorch 1.5 以降で利用可能です。
  • 従来の Softmax 関数と比較すると、計算コストが高くなります。
  • GPU 上で実行すると、CPU 上で実行するよりも高速に動作します。


torch.nn.functional.gumbel_softmax サンプルコード

import torch
import torch.nn as nn
import torch.nn.functional as F

class GumbelSoftmaxClassifier(nn.Module):
    def __init__(self, num_classes):
        super().__init__()
        self.linear = nn.Linear(10, num_classes)

    def forward(self, x):
        logits = self.linear(x)
        gumbel_softmax = F.gumbel_softmax(logits, tau=0.5, hard=True)
        return gumbel_softmax

# モデルの生成
model = GumbelSoftmaxClassifier(10)

# 入力データ
x = torch.randn(10, 10)

# 予測
logits = model(x)

# 損失関数の定義
loss = nn.CrossEntropyLoss()

# 訓練
optimizer = torch.optim.SGD(model.parameters(), lr=0.01)

for epoch in range(10):
    # 順伝播
    logits = model(x)

    # 損失計算
    loss_value = loss(logits, y)

    # 逆伝播
    optimizer.zero_grad()
    loss_value.backward()

    # パラメータ更新
    optimizer.step()

# 予測結果
print(logits)

生成モデル

import torch
import torch.nn as nn
import torch.nn.functional as F

class GumbelSoftmaxGenerator(nn.Module):
    def __init__(self, num_classes):
        super().__init__()
        self.linear = nn.Linear(10, num_classes)

    def forward(self, x):
        logits = self.linear(x)
        gumbel_softmax = F.gumbel_softmax(logits, tau=0.5, hard=False)
        return gumbel_softmax

# モデルの生成
model = GumbelSoftmaxGenerator(10)

# 入力データ
x = torch.randn(10, 10)

# 生成
gumbel_softmax = model(x)

# 結果
print(gumbel_softmax)

強化学習

import torch
import torch.nn as nn
import torch.nn.functional as F

class GumbelSoftmaxAgent(nn.Module):
    def __init__(self, num_actions):
        super().__init__()
        self.linear = nn.Linear(10, num_actions)

    def forward(self, x):
        logits = self.linear(x)
        gumbel_softmax = F.gumbel_softmax(logits, tau=0.5, hard=True)
        return gumbel_softmax

# モデルの生成
model = GumbelSoftmaxAgent(10)

# 入力データ
x = torch.randn(10, 10)

# 行動選択
action = model(x)

# 環境とのやり取り
# ...

# 報酬の計算
# ...

# 損失関数の定義
loss = nn.CrossEntropyLoss()

# 訓練
optimizer = torch.optim.SGD(model.parameters(), lr=0.01)

for epoch in range(10):
    # 順伝播
    action = model(x)

    # 損失計算
    loss_value = loss(action, reward)

    # 逆伝播
    optimizer.zero_grad()
    loss_value.backward()

    # パラメータ更新
    optimizer.step()

# 行動
print(action)

上記はあくまでもサンプルコードであり、実際の用途に合わせてコードを修正する必要があります。

  • torch.nn.functional.gumbel_softmax は、様々なタスクに適用することができます。
  • コードを修正することで、様々な動作を実現することができます。
  • 詳細については、PyTorch ドキュメント and


torch.nn.functional.gumbel_softmax の代替方法

従来の Softmax 関数

torch.nn.functional.gumbel_softmax は、従来の Softmax 関数に Gumbel ノイズを加えたもの




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