PyTorch Profiler入門:torch.profiler.itt.range_push()で詳細な分析を実現

2024-04-04

PyTorch Profilerにおけるtorch.profiler.itt.range_push()の詳細解説

torch.profiler.itt.range_push()は、Intel VTune Amplifierとの統合を可能にするProfiler APIの一部です。この関数は、特定の範囲(コードブロック)の実行時間を計測するために使用されます。

itt.range_push()は、以下の2つの引数を受け取ります。

  • name: 計測したい範囲の名前
  • domain: 範囲のカテゴリ(例: "cuda"、"cpu")

以下の例は、forward()パスにかかった時間を計測する方法を示しています。

with torch.profiler.itt.range_push("forward"):
    output = model(data)

itt.range_push()は、以下の利点があります。

  • 詳細な分析: 各操作にかかった時間を個別に計測することで、モデルのパフォーマンスをより詳細に分析することができます。
  • Intel VTune Amplifierとの統合: itt.range_push()で収集されたデータは、Intel VTune Amplifierで視覚化して分析することができます。

itt.range_push()を使用する際には、以下の点に注意する必要があります。

  • オーバーヘッド: itt.range_push()は、計測対象のコードにわずかなオーバーヘッドを追加します。
  • 互換性: itt.range_push()は、すべてのプラットフォームでサポートされているわけではありません。

itt.range_push()の代替手段として、以下の方法があります。

  • torch.autograd.profiler.profile(): この関数は、モデル全体の時間を計測するために使用されます。
  • torch.utils.bottleneck: このモジュールは、モデル内のボトルネックを特定するために使用されます。

まとめ

torch.profiler.itt.range_push()は、PyTorchモデルのパフォーマンスを分析するために使用できる強力なツールです。この関数は、詳細な分析とIntel VTune Amplifierとの統合を提供します。

補足

  • itt.range_push()は、torch.cuda.nvtx.range_push()と同様の機能を提供します。
  • itt.range_push()とtorch.autograd.profiler.profile()を組み合わせて使用することができます。

上記の回答は、情報提供のみを目的としており、専門的なアドバイスとして解釈されるべきではありません。



PyTorch Profilerのtorch.profiler.itt.range_push()を使用したサンプルコード

シンプルな例

with torch.profiler.itt.range_push("forward"):
    output = model(data)

ネストされた範囲

with torch.profiler.itt.range_push("forward"):
    with torch.profiler.itt.range_push("layer1"):
        output1 = layer1(data)
    with torch.profiler.itt.range_push("layer2"):
        output2 = layer2(output1)

このコードは、forward()パスと、layer1layer2にかかった時間を個別に計測します。

条件付きの範囲

if condition:
    with torch.profiler.itt.range_push("condition"):
        # 処理

このコードは、条件が真の場合のみ、condition範囲にかかった時間を計測します。

イベントの追加

with torch.profiler.itt.range_push("forward"):
    output = model(data)
    torch.profiler.itt.mark("event1")
    torch.profiler.itt.mark("event2")

このコードは、forward



PyTorch Profilerのその他の方法

torch.autograd.profiler.profile()

この関数は、モデル全体の時間を計測するために使用されます。

with torch.autograd.profiler.profile(record_shapes=True) as prof:
    output = model(data)

print(prof.table())

このコードは、モデル全体の時間を計測し、結果をテーブル形式で出力します。

torch.utils.bottleneck

このモジュールは、モデル内のボトルネックを特定するために使用されます。

from torch.utils.bottleneck import Bottleneck

bottleneck = Bottleneck(model)
bottleneck.run(data)

print(bottleneck.table())

このコードは、モデル内のボトルネックを特定し、結果をテーブル形式で出力します。

PyTorch Profilerには、以下の機能があります。

  • CUDAイベントの計測: CUDAイベントを使用して、GPU上での処理時間を計測することができます。
  • メモリ使用量の計測: メモリ使用量を計測して、モデルがメモリを効率的に使用しているかどうかを確認することができます。
  • トレースの保存: パフォーマンス分析のために、トレースをファイルに保存することができます。

まとめ

PyTorch Profilerは、PyTorchモデルのパフォーマンスを分析するために使用できる強力なツールです。上記の方法を組み合わせて使用することで、モデルのパフォーマンスを詳細に分析することができます。




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