PyTorchで標準正規分布の逆累積分布関数を計算する:torch.special.ndtri()の徹底解説

2024-04-02

PyTorch の SciPy-like Special における torch.special.ndtri() の詳細解説

数式による定義

数式で表現すると、torch.special.ndtri(p) は以下の式で計算されます。

ndtri(p) = inv_Φ(p) = Φ^{-1}(p) = √2 erfinv(2p - 1)

ここで、

  • Φ(p) は標準正規分布の累積分布関数
  • inv_Φ(p) は標準正規分布の逆累積分布関数
  • erfinv(x) は逆誤差関数

torch.special.ndtri() の使い方は以下の通りです。

import torch

# 確率 p を入力
p = torch.tensor(0.95)

# ndtri() を使って逆累積分布関数を計算
x = torch.special.ndtri(p)

# 結果を出力
print(x)

このコードは、標準正規分布から 95% よりも小さい値が観測される確率に対応する値を計算します。出力結果は 1.644853626951436 となります。

応用例

torch.special.ndtri() は、統計モデリングや機械学習などの様々な分野で応用されます。具体的には、以下の用途に使用できます。

  • 信頼区間や仮説検定における p 値の計算
  • シミュレーションにおける乱数の生成
  • 機械学習モデルの損失関数の定義

SciPy との比較

torch.special.ndtri() は、Python の科学計算ライブラリ SciPy における scipy.stats.norm.ppf() 関数と同様の機能を提供します。

補足

  • torch.special.ndtri() は、入力 p が 0 から 1 までの範囲内であることを前提としています。
  • torch.special.ndtri() は、GPU 上でも実行可能です。

本回答は参考情報提供のみを目的としており、いかなる種類の保証も提供するものではありません。



torch.special.ndtri() のサンプルコード

信頼区間の計算

import torch

# 標本平均と標本標準偏差
mu = torch.tensor(50)
sigma = torch.tensor(10)

# 信頼水準
confidence_level = 0.95

# 信頼区間の境界を計算
z_alpha_2 = torch.special.ndtri(1 - (1 - confidence_level) / 2)
lower_bound = mu - z_alpha_2 * sigma
upper_bound = mu + z_alpha_2 * sigma

# 結果を出力
print(f"信頼区間: ({lower_bound}, {upper_bound})")

このコードは、標本平均 mu と標本標準偏差 sigma から、信頼水準 confidence_level での信頼区間を計算します。

仮説検定における p 値の計算

import torch

# 観測値
x = torch.tensor(60)

# 仮説平均
mu_0 = torch.tensor(50)

# 仮説標準偏差
sigma = torch.tensor(10)

# p 値を計算
p_value = 1 - torch.special.ndtri((x - mu_0) / sigma)

# 結果を出力
print(f"p 値: {p_value}")

このコードは、観測値 x と仮説平均 mu_0 から、仮説標準偏差 sigma を用いて p 値を計算します。

シミュレーションにおける乱数の生成

import torch

# 乱数生成器
rng = torch.Generator()

# 標準正規分布から 10 個の乱数を生成
random_numbers = torch.special.ndtri(torch.rand(10, generator=rng))

# 結果を出力
print(random_numbers)

このコードは、標準正規分布から 10 個の乱数を生成します。

機械学習モデルの損失関数の定義

import torch

# 入力データ
x = torch.randn(100)

# 目標値
y = torch.randn(100)

# 損失関数
loss = torch.mean(torch.square(torch.special.ndtri(y) - x))

# 損失関数の最小化
optimizer = torch.optim.SGD(model.parameters(), lr=0.01)

for epoch in range(100):
    optimizer.zero_grad()
    loss.backward()
    optimizer.step()

# 結果を出力
print(f"損失値: {loss}")

このコードは、標準正規分布から生成されたデータ x と目標値 y を用いて、torch.special.ndtri() を用いた損失関数を定義し、最小化します。

上記以外にも、torch.special.ndtri() は様々な用途に使用できます。詳細は PyTorch のドキュメントを参照してください。

本回答は参考情報提供のみを目的としており、いかなる種類の保証も提供するものではありません。



torch.special.ndtri() 以外の方法

逆累積分布関数の数値積分

標準正規分布の累積分布関数 Φ(x) は解析的に計算できますが、逆累積分布関数 Φ^{-1}(x) は解析的に計算できません。そのため、数値積分を用いて Φ^{-1}(x) を計算することができます。

import torch

def inv_cdf(p):
    def f(x):
        return torch.exp(-0.5 * x**2)

    return torch.integrate.quad(f, -torch.inf, torch.special.ndtri(p))[0]

# 確率 p を入力
p = torch.tensor(0.95)

# 逆累積分布関数を数値積分によって計算
x = inv_cdf(p)

# 結果を出力
print(x)

このコードは、逆累積分布関数 Φ^{-1}(x) を数値積分によって計算します。

近似式

標準正規分布の逆累積分布関数 Φ^{-1}(x) に対する様々な近似式が存在します。以下は、その一例です。

import torch

def inv_cdf_approx(p):
    return torch.sqrt(2) * erfinv(2 * p - 1)

# 確率 p を入力
p = torch.tensor(0.95)

# 逆累積分布関数を近似式によって計算
x = inv_cdf_approx(p)

# 結果を出力
print(x)

このコードは、標準正規分布の逆累積分布関数 Φ^{-1}(x) に対する近似式を用いて計算します。

ライブラリ

SciPy や TensorFlow などのライブラリにも、標準正規分布の逆累積分布関数を計算する関数があります。

本回答は参考情報提供のみを目的としており、いかなる種類の保証も提供するものではありません。




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